大久保清 連続女性誘拐殺人事件の全貌 その5【夢枕に立つ女】

大久保清連続殺人事件 夢枕に立つ女

大久保清 連続女性誘拐殺人事件の全貌 その4のつづきです

昭和46年(1971年)6月26日 大久保清が第三の犯行を自供

大久保清
4月中旬、伊勢崎市内で知り合った佐久間豊子という17~18歳の娘を車に乗せて榛名町方面に連れて行った。

午後9時半ころ、口論の末 首を絞めて殺し、その付近の道路わきに穴を掘って死体を埋めた

捜査員
佐久間豊子?加藤晴美じゃないのか?
大久保清
確かに佐久間豊子だ

公開手配女性のリストに佐久間豊子という名前はない。

リスト外の行方不明者の中にもその名前はなかった。

だから取り調べ班は また大久保清が嘘を言っているのではないかと半信半疑だった。

大久保清
嘘じゃない。明日現場に行ってみればわかることだ。

現場をよく知っているから、間違いなく案内できる。

 
 
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6月27日 第三の死体発見

大久保清
みんながたまげるような場所から死体を出す。

被害者は佐久間豊子という娘で間違いない。

大久保清はそういうと薄ら笑いを浮かべ、榛名町高浜地内の烏川へ捜査班を案内した。

大久保清は烏川にかかる全長約200メートルの中河原橋の手前で北詰から川原に降り、右手を伸ばして指示する場所には 身の丈ほどもある葦(あし)や夏草が生い茂っている。

捜査員から懐中電灯を受け取り 草むらの一点をを照らすと 大久保清が迷いなくこう言った。

大久保清
ここに埋めてある。

ここが頭でこっちが足だ。間違いない

そして大久保清の言うとおり、掘り返してみると そこから女性の遺体が出た。

その着衣から、公開手配中の川田静子(17歳・女子高生)であることが判明した。

大久保清は「佐久間豊子」と言ったが、それはまぎれもなく川田静子だった。

大久保清
殺した女は俺に佐久間豊子と自己紹介したのでそう思っていたが、写真を見せられて川田静子だったと知った。

大久保清と川田静子は4月15日に伊勢崎で初めて出会い、男女の関係になって 4月18日に再開する約束をしていた。

4月18日、ドライブをしながら大久保清が川田静子に家族のことを訊ねると

川田静子
父は派出所に勤務している

それを聞いて警察を逆恨みしている大久保清は逆上した。

川田静子
私は今日、別の人と会う約束があったのよ
大久保清
その人を放り出してきたのか
川田静子
向こうがこないから、こっちに来たのさ。

この前会ってあんたと関係したことは、強●になるんだってよ。

この女とは二度会っていて車のナンバーも覚えられている。

その上、父親が警官というのだから帰すわけにはいかない。

そう思った大久保清は川田静子を絞殺して 烏川の河川敷に埋めたのだ。
 
 
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6月30日 大久保清が協議離婚

大久保清は妻との協議離婚に応じ、子供たちは妻の籍にはいることになった。

大久保清
子どものことが解決した。

妻にはもっと苦しんでほしかったが、子供の将来のためだから協議離婚した。

これで心配事がなくなったから、がんばって戦える

7月4日 霊魂は自分の心がそういう心境になったときに存在する

大久保清
殺人事件の自供を決心したときには、その被害者の夢を見る。

それ以外の時は夢を見ることはない。

だから霊魂というものは自分の心がそういう心境になったときに存在する、ということが体験によってわかった。

警察がどうしても死体を早く出したいのなら、兄夫婦に会わせてくれ(※大久保清は兄を殺したいほど憎んでいる)

その結果、納得がいけば、3人の死体を一度に出す

7月5日 兄が死んだら すべて自供する

大久保清
兄が死ねば全部自供する。

警察から兄に自殺するようにすすめてくれ。

その死亡診断書を見せれば自供する。

それまで話はできない

7月8日 第4の犯行を一部自供

捜査員
大久保、お盆も近いことだし、この辺で死体を家族に返してやったらどうだ
大久保清
そうだな。じゃ4人目を少しだけ話すか

大久保は井川千鶴子(19歳・県庁臨時職員)の殺害について語りだした。

大久保清
井川千鶴子と俺は6回会ってる。

彼女のアパートに行ったこともあるし、散文詩の交換もしたことがある。

付き合っているうちに千鶴子は俺に愛情を示すようになり、結婚相手として俺の身上調査をして、前科があることまで知ってしまったんだ。

でも千鶴子は、俺の積極的な行動と誠実さに惚れたと言って「前科があってもいい。当分遊びでもいいから同棲したい」と迫ってきた。

そこで俺は千鶴子に「俺は人殺しまでやっている。とても一緒に暮らせないから別れてくれ」と言ったら「死にたい」とか「親戚に警察官がいるし県警記者クラブに友人がいるから、その人たちに話してやる!」とまで言うようになった。

俺は困ってしまい、いっそ殺すことにしたんだ。

俺も千鶴子には好意を持っていたから、死体を埋めたところにケルン(積み石)を3つ作った。

それから「千鶴子に贈る」と題した散文詩を書き、ビニール袋に入れて埋めてきた。

ただし、死体を埋めた場所は、心に決めた日まで言えない

 
 
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7月10日 殺した女が枕元に立つ

大久保清
夕べ、殺した女が枕元に来て座った夢を見た。

眠れなくて困ったよ

大久保清が弱音を吐き、今までの反抗的態度が弱まったのを見て、今日は吐かせるチャンスだ!と捜査員は厳しい調子で追求すると、大久保はにわかに逆上した。

大久保清
俺を責めるんなら、俺は死んでも事件を背負っていくぜ。

俺は死を覚悟しているから、いつでも自殺することができるんだ!

そしてしばらく黙秘した。

さらに捜査員が追及をしていくと、大久保清はまたもや条件を出してきた。

1.新聞記者とヘリコプターを一切同行しない
2.兄に面会させること
3.調書と図面は死体が出てから作ること
もしこの条件が受け入れられないなら、捜査本部長に会わせろ!

これを捜査員は拒否したところ 再び大久保清は黙秘。

大久保清
俺を信用しないなら、秋まで死体を出さない。

7月13日 現場引き当たりがカラ振り

捜査本部は緊急捜査会議を開き、大久保清の「報道関係者を同行しない」の条件を認めて、大久保に現場を案内させる引き当たり実施をするとに決めた。

ところが署の正面口を出るとき左右に野次馬が群がっているのを見た大久保清はゴネはじめた。

大久保清
おかしいじゃないか。俺が出ることをみんな知ってるなんて。
大久保清
前の現場確認の時よりも、ついてくる車と警官が多いじゃないか。

約束が違う。今日は死体を出さないかもしれない。

7月18日 殺した女が「私の方が先だ!私をどうしてくれるの?」と脅す

大久保清
13日の現場引き当たりのことだけどよ。

俺は道順を遠回りしても、あの日 加藤晴美の死体だけは出すつもりでいたんだ。

ところがその前の晩に夢を見たんだよ。

加藤より前に殺した女がおれの枕元に立って『私の方が先だ。わたしをどうしてくれるの?』と脅かすから、加藤のところに案内できなくなっちまったんだよ。

実は6月7日に自供しようと思った時にも、同じようなことで自供できなかったんだ。

取調官との約束を破ってすまないと思ってるよ。

俺なりに反省してるんだ。

だからもう少し考えさせてくれ

7月19日 盆が来るから3人出す

一夜明けた大久保清の目は腫れて赤かった。

大久保清
夕べはひどい目に遭った。全然眠れなかった。
捜査官
どうしたんだ?
大久保清
夢に悩まされてろくに眠れない。

夢を見て目が覚めてしまうんだ。

捜査官
どんな夢だ?
大久保清
川合昭代だよ。

枕元に来て黙って座っているだけなんだ。

俺が殺したから、川合昭代が夢に出てきたんだ。

加藤晴美を殺したのは俺もかわいそうに思っているから、先に死体を出してやろうと思うと、別の女が出てきて「私のほうが古いんだ。もっと苦しめ!」と言って邪魔するから出せなくなる。

盆が来月だから三人出す気になった。

家族とのころでお盆をさせてやりたいんだ。

そのあとのものを出すか出さないかは、その時に決める。

そして大久保清は、加藤晴美、川合昭代、唐沢富子の殺害をほのめかした。

だが唐沢富子という名前には失踪者リストに入っておらず、心当たりがなかったので、捜査班は首をかしげた。

 
大久保清 連続女性誘拐殺人事件の全貌 その6へつづく
 
 
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