オカメインコルチノーのオスは珍しい?ルチノーパールと純白オカメインコ
オカメインコのルチノーは 日本ではオカメインコの中で絶大な人気を集める、インコ界のアイドルです。
オカメインコの遺伝の法則上、オカメインコルチノーのオスはメスより少なく、オスの発現確率は概ね25%
遺伝の法則を踏まえて計画的にブリーディングしているブリーダーなら卵が割れて雛が生まれた時点で性別がわかる場合がありますが、ペットショップにいる雛は雌雄が不明で販売されています。
幼雛の性別の見分け方は見た目だけでは難しく、遺伝子検査で判別するしかありません。
オカメインコルチノーのオスの雛を確実にお迎えするためのヒント
ここでは私の個人的見解と経験則に基づいて、オカメインコルチノーのオス雛の入手についてお話しします。ずばり結論から言いますが
あなたのリクエストに応えてくれる、かつ信頼できるペットショップまたはブリーダーを探してください。
どういうことかというと、
早い話が「お取り置き」ですね。
希望の条件を受け入れるブリーダーかペットショップを探す
ブリーダーにしろショップにしろ「DNA鑑定で希望する性別ではなかったのが理由でのキャンセルはお断りします」…と「お取り置き」を受けつけない前提にしているところもありますので、事前確認が必要です。
どうしてもルチノーのオスが欲しい!と思っている人にとっては、ペットショップで生体販売しているルチノーのお迎えは「賭け」ですよね。オカメインコルチノーのオスの確率は1/4程度ですから。
普通に考えたら圧倒的にメスが多いので、あなたのリクエストに応じてくれるきちんとした販売元を探すしかありません。
生後4~5か月になるとオカメインコルチノーでも性別が見分けられる
DNA鑑定をしなくても、ルチノーのオスメスの見分けは概ね生後4~5カ月くらいからわかってきます。
このお年頃は人間の年齢に換算すると「思春期」…中学生くらいで、人間と同じで少し色気づいてきて、ぽつぽつとしゃべりだしたりする頃です。
このお年頃になるとヒナヒナしていないのでオスを見極めることも容易で、オスを選ぶ確率がぐんと上がります。
ただ、オカメインコルチノーの幼鳥が中雛になるまで店頭に売れ残っている確率は限りなく低いです。オカメインコは人気鳥種であるため、ペットショップのドル箱商品的(?)存在だと思います。
オカメインコは途中で飼い主が変わってもべた慣れになる
オカメインコを人間年齢に換算して「未就学児」や「小学生」でお迎えしたい人や、
「挿し餌から育てて 手乗りにする」との希望を持っている場合。
中雛では大きすぎる!もう少し早くお迎えしたい。
…と思う人もいるでしょうから、
あまり大きくなった子をお迎えするのはいかがなものか?なついてくれるかどうかに不安がある。
…と考える人も多くいます。
オカメインコを手乗りにするには、この3つが絶対条件です
愛情をかけて日々大切に育てること
人の手が怖くないものと認識させること
しっかりと生体管理しているショップまたはプロのブリーダーがお迎え直前までお預かりしてきちんとお世話してくれていれば、この3条件はクリアできます。
そうなれば、途中で飼い主が変わっても問題なく「べた慣れオカメ」になってくれますので心配は要りません。オカメインコはそういう鳥です。
ただし中雛でお迎えしたい場合は、特に慎重なブリーダー選びが必要です。
ブリーダー選びで地雷を踏まないためには ネットの知名度だけで選ばない方がいい
ペットショップだと「予約に〇人待ち」などの制約があったりしてインコをすぐにお迎えできないこともありますが、良いブリーダーを見極められれば交渉次第でオカメインコルチノーのオスの雛を確実に早くお迎えできます。
ですがブリーダーもピンからキリまで。いろんな人や業者がいますが、知名度だけで選ぶのはおすすめしません。
ネットでよく見かけるブリーダーの中には、販売宣伝のためにSNSやHPで雛のかわいいところをたくさん見せているものの、親鳥の管理やフォローにまったく配慮が足りない人もいます。
つまり儲けのために「産めや殖やせや」で繁殖しているということ(それを推し量るのは、雛の虚弱さやインコが短寿命で亡くなるなどしかありませんが)
私もこれ は何度か経験済みです。そういう人からお迎えした雛は育てるのが本当に大変です。
今晩は
私はオカメインコの手乗りをブリーダーさんからペアでお迎えしたのですが選んだ時に「その仔達は従兄弟同士だから止めた方が良い。血統を管理しているから。」と、教えて頂きました。
遺伝的に初めてペアを組み、性別、種類の産み分けもされてる方だそうです。そう言う所だと安心出来ますね。— ロゼ (@rozesarasa) April 19, 2021
また、問い合わせて話してみて「なんか違和感を感じる」場合は、多分そのブリーダーは「地雷」なので踏まない方が無難です。
ネットやインコ業界で名前がよく知られている人であっても、それだけのことで簡単に信用しない方がいいです。さすがにここで名前は出せませんがw
妊娠中の母親のストレスが子の形質発現に影響することが知られていますが、鳥においても産卵中の母鳥のストレスが子の形質発現に影響します。これは卵内のストレスホルモン濃度の上昇が遺伝子のエピジェネティックスに影響するからです。ストレス度の高い母鳥から生まれたヒナは、成長率が低く、恐怖症…
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 7, 2023
自家繁殖する際に、卵をたくさん産むから温めさせようというやり方はしない方がよいです。母鳥の栄養ストック量は、直接卵の質に影響します。卵の質が低ければ、必然的にヒナの体格と体質に影響します。卵をよく産んでいる場合は、卵の質が低い可能性があります。繁殖する際には、しっかりと非発情期間…
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 13, 2023
オカメインコルチノーのオスの証明書!?怪しいものには手を出さないで
数年前にネットでこんな書き込み を見かけたことがあります。要約すると
大手の鳥専門ショップでもこういうことがあるとか、散々待たされた挙句オスじゃなかったなんてありえない!「オスの証明書」までついてきたのになぜ?とか…つい深堀して検索していたら結構ありました。
最近でもそういうことあるんですかね?こういうのって、きっと値段もかなり吹っ掛けてるんだろうな…そうなると詐欺じゃん。
それにしても…性別が違ってたとしても…うちの子としてお迎えして大切にお世話していればどんどん情が移るはずなので「性別が違うんなら返します!」「オスに交換して!」なんて言う人はほぼいませんよね?
販売側はそこにつけ込んでいるのか?本当に間違いだったのか?その真実は定かではないですが「オスの証明書」を発行してるなら確信犯のような気もしますが。
オカメインコに「オスの証明書」がついていたとしても、「DNA検査にて性別を確定しています」と明記されていなければ、信用したら痛い目に遭うと思います。ご注意ください。
雛の性別判定はDNA鑑定!PBFDなど病気の遺伝子解析も可能
そんな飼い主さんは、小鳥の病院でDNA鑑定を依頼すれば性別を調べられます。
最近はネットでも性別検査が受けられる郵送キットが購入できます。
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ちなみに、一般的なDNA検査で調べられる項目は性別鑑定だけではなく、PBFDやクラミジア、BFD、マイコプラズマ、アスペルギルスなどの遺伝子分析もできます。
オカメインコルチノーの寿命は短い?弱いと思われてる原因と対策
この4月で25歳になったオカメインコのみかんちゃんです。目も見えなくなり、趾も曲がらなくなりましたが、元気に過ごしています。25年前のオカメインコのヒナの状況はとても悪く、台湾からの輸入も多く、感染症が現在よりも蔓延していました。そのため、現在20歳以上生きているオカメインコは、そんな… pic.twitter.com/BZTHZ5EbYE
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 15, 2023
オカメインコのルチノーは、他の品種よりも長生きする傾向がありますね。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 16, 2023
オカメインコは丈夫な「オウム」で、大きな病気もあまりせずに、20年くらいの寿命を「当たり前」にまっとうする鳥です。
オカメインコルチノーが記録に残されたのが1950年代末。すでに70年以上の月日が流れた現代、ルチノーはノーマル並みに強健な固定種で「ルチノーは弱い」は「今は昔」です。
オカメインコルチノーが弱いと思われている原因・傾向・対策
ではなぜ…オカメインコ、とりわけルチノーは弱いと言われてしまうのか?
巷で「オカメインコは弱い」と思われている理由はセキセイインコや文鳥などの小型鳥に比べると、雛鳥時代(1年未満)の落鳥率が高いことからきています。つまりオカメインコは雛育てが難しいのです。
また、ルチノーが弱いと言われるのは、人気があって個体数が多いからではないか?と想像します。
それに最強のノーマルと比べたら、どうしても色変わり品種は多少弱いと言われる傾向があるのかもしれません。屈強な子も多いですけどね。
オカメインコは飼い主の知識不足と育て方の不備から落鳥させるケースが多い
オカメインコの雛の死因は食滞による餓死が多いような気がします。
食べた餌がそのう内に滞って動かなくなるもので「お湯を飲ませてマッサージすればいい」とか「エサを吐き戻させる」といった方法がネット検索すれば出てきますが、素人療法で雛を苦しめるのはやめてください。
食滞を起こしたらすぐに鳥の診療に長けた獣医がいる動物病院で処置してもらってください。
感染症が原因で食滞に陥ることもあるので、素人療法で回復するほど単純ではないことも多いです。
食滞以外にも雛が餌を食べられなくなったら強制給餌が必要ですが、チューブやゾンデ を差し込む強制給餌の技術は素人が一朝一夕にできることではありません。
当院では強制給餌はステンレス製のゾンデを使っています。そ嚢まで挿入して流動食を注入します。この手技ができるようになるにはかなりの経験が必要です。自宅で市販のフードポンプで強制給餌しようとして食道やそ嚢を傷つけて来院することがありますので、自信のない方はやらないことをお勧めします。 pic.twitter.com/S3smfiz4Js
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 25, 2021
餌を食べられなければ死んでしまいます。即刻 鳥を診られる動物病院を受診しなければ命が助かりません。
雛が体調不良になった時に「助けてください!」「どうしたらいいですか?」などと悠長につぶやいているTwitterを時々見かけます。
どこの誰だかわかりませんが、正直イラッとします。そんなことつぶやいている余裕はないです。
成鳥になるまでの温度管理とオカメパニック対策を怠らないで
生物に淘汰される個体が一定数いるのは当然ですが、オカメインコの場合は「飼い主の育て方の不備」から死なせてしまうケースがとても多いです。
オカメインコは 雛が成鳥になるまで(生後1年半くらいまで)の管理に 特に気を遣わなければいけない鳥種であること…寒暖の差への注意や適切な保温など。
オカメインコは気質が繊細で 他の鳥と比べるとパニックが頻発するため 事故やケガをする確率が高い。
落鳥率の高さの原因はこのあたりにも起因します。
東日本大震災時にオカメパニックで負傷して病院を受診した鳥の患者にはオカメインコが群を抜いていた!という話があります。
また、オカメインコは1歳未満の落鳥率がダントツに高いデータもあります。
一人前になるまでのいちばん危うい時期に温度管理を徹底することや、オカメパニック対策を強く意識しながらお世話することが大切です。
オカメインコルチノーが特に繊細なのは赤目(ブドウ目)で弱視のせい!?
オカメインコの中でもルチノーは特に性格が繊細だと言われることが多く、実際にそれは一理あると私も思います。
赤目(ブドウ目)の子は黒目の子よりも弱視のように見えるから、ビビり度が高いのはそれも原因なのかもしれないな…とシニアルチノーを見ていると思うことが時々あるからです。
ルチノーの弱視傾向は「赤目」の宿命でもあるのかな?と感じることがあるのですが、全員が白内障になったり全盲になったりするわけでもないようなので、体質や個体差もあると思います。
白内障の対策としては日光浴時の紫外線に注意することが大切です。特に赤目の鳥に直射日光の日光浴はよくありません。
白内障や弱視は加齢とともに進行するので回避できないこともありますが、老鳥のケージやレイアウトの
見直しや現状維持は老鳥の暮らしの安全対策に重要なので、うちの子に合うスタイルを見つけてください。
健康なオカメインコの雛選びのチェックポイント
健やかな鳥人生を送らせてあげられるかどうかは飼い主さん次第ですが、そのための初めの一歩は、オカメインコルチノーに限らず、雛をお迎えする時に健康な個体を選ぶことです。
ペットショップの水槽の中にいるヒナたちはお客さんが来ると騒いで右往左往する子がけっこういますが、それを見て「運命の出会い」と思わないでください。
…という気分にさせられるほど右往左往する雛はいますが、
雛のその行動は単にお腹がすいていて挿し餌を催促して騒いでいるだけのことが多いです。
残念ながら運命の出会いではありませんが、そういう勘違いから、お迎えの準備や飼育知識が不十分なまま、雛を連れて帰ってしまう人も少なからずいます。
雛がそういう行動をとる原因は、ショップ店員がド素人で挿し餌のやり方がまずいとか、その店の生体の管理が不十分(経費節減のため最小限の給餌しかしない)とか、人手不足で手が回りきれていない…そんな単純な理由も多いです。
お客さんが出向いたのが、ちょうどインコがおなかをすかせるタイミングだったということもあるでしょう。
体重80gはハードルが高いかもしれませんが、うちのオカメ雛の場合は生後2週で80gくらいになるので、ここではとりあえず「80」と書きました。
生後4週だと100gを超えていることもあるので(この段階から飛行するために、鳥自身で体重を10%程度落としていきますが) 最終的にはご自身の目で判断してもらうのがいいでしょう。
その子が健康かどうかは、インコの目を見るのが、いちばんわかりやすいです。
こういう言い方はアレですが・・・雛選びに失敗しなければオカメインコの飼育で苦労することは少ないです。
そうはっきりと言い切れるくらいオカメインコが強健な鳥であることを、オカメインコのお世話に明け暮れてきた私は、自信をもって断言できます。
オカメインコは丈夫であまり病気をしない強健な鳥種!もちろんルチノーも然り
鳥の病院を受診している方なら、鳥の患者はセキセイインコやコザクラインコばかりだな…と
思ったことがあるでしょう?
セキセイインコやコザクラインコの飼育の絶対数がダントツに多いこともその理由のひとつですが、もうひとつの大きな理由は、オカメインコは丈夫で あまり病気しない鳥だからです。
適切に飼育管理されている成鳥のオカメインコは強健で病気が少ない個体が多いです。
虚弱体質でない健康体の雛をお迎えして正しい飼育管理のもとで愛をこめてお世話すれば、いつも元気で過ごして、20~30年くらいの寿命を全うする…オカメインコとはそういう鳥です。
元々の強健さももちろんですが、鳥の食事内容や医療技術の向上が日進月歩の昨今では、インコの寿命は飼い主の裁量次第で大きく変わります。
オカメインコを家族の一員としてお迎えするなら、正しい飼育知識を得て適切な管理をし、ぜひとも彼らに楽しい鳥人生を送らせてあげてください。
オカメインコルチノーパールはとても美しいオウムです
オカメインコルチノーは「白オカメ」とも呼ばれる「オウム」です。
全身が白色がかったクリーム色。顔と冠羽は黄色。チークパッチがオレンジ色。くちばしと足がピンク色。爪が白。目がブドウ色(雛の時は赤目)
そんなオカメインコルチノーに、ぱっと見だけでは「ルチノーなのか?そうでないのか?」と見分けがつかないほどよく似た、別品種のオカメインコがいます。
オカメインコルチノーパールと色変わりのルチノーのそっくりさん2種
そもそもオカメインコのルチノーには2タイプあり、一般的に「ルチノー」と呼ばれるのは、ほっぺがオレンジ色の こちらの オカメインコ。
全身が真っ白なこちらのオカメインコもルチノー ですが、その違いはチークパッチ
顔の黄色と頬の斑がなくなった「ホワイトフェイス」がルチノーになると、全身が純白のオカメインコになります。
オカメインコルチノーはメラニン色素が欠けていて、雛の時には赤目ですが、成鳥になるとブドウ色の目になります。そのことから完全にメラニン色素を失ってはいない…と考えられています。
というわけで、全身が黄色っぽい(薄い白~クリーム色)オカメインコは、一般的なルチノーを含めて4種います。
オカメインコルチノーパール
オカメインコルチノーには、背中にパール模様が入ったタイプがあり「ルチノーパール」と呼ばれます。ルチノーとパール、両方の遺伝子を併せ持つ品種です。
下の画像では 左がルチノーパール、右がシナモンパール。同胞で、2羽ともメスです(親の遺伝子が正確にわかっているので、生まれた時から性別がわかります)
うちのルチノー、黄色みがすごく強いんだけど大丈夫?…と心配する人がいますが、病気かどうかは病院で調べないと、見た目だけでは判断ができません。
肝臓を悪くすると羽毛が黄色くなってきますし(イエローフェザー) 病気でなければ、その子はルチノーではなくて、パール模様が入った「ルチノーパール」かもしれません。
パールはさざなみ模様とか水玉のような模様で、ルチノーパールの場合、黄色い水玉模様(パール)が背中に乗っています。
オカメインコのオスは成鳥になると男性ホルモンの影響でパール模様が消えたり、薄くなってぼんやりしてしまうのですが(おじいちゃんオカメになると模様が戻ってくることがある) オカメインコのメスは大人になってもずっとパール模様がきれいに残りますのでとても美しいです。
オカメインコルチノーパールパイド
ルチノーのそっくりさんに「ルチノーパールパイド」もあります。文字通りルチノーとパールにパイドの遺伝子を併せ持つ品種で、ルチノーパールよりも全身の黄色が非常に強く、別名「バターカップ」「イエロー」「ゴールデン」「キンポウゲ」…などと呼ばれます。
残念ながら私は、この種に書籍上の画像でしか見たことがありません。バターカップは非常に珍しく、めったにお目にかかれないです。
オカメインコクリアパイド
クリアパイドを簡単にいうと、見た目は「黒目のルチノー」です(正確にはルチノーではなく「パイド」です)
ルチノーは雛のときは赤目、成鳥になるとブドウ色の目をしていますが、初めから黒目をしていて羽毛の見た目がルチノーそっくりなら、それはルチノーではなくてパイド(クリアパイド)です。
パイドのオカメインコの体の羽毛のグレーやシナモンが色抜け100%になった姿を想像してみてください。ルチノーそっくりでしょう?でもこれはルチノーとは別種です。
オカメインコルチノーパールのオスはなぜ珍しいの?
中学の理科で習う「メンデルの法則」は、メンデルがエンドウマメの研究に基づいて見つけた法則から遺伝を定式化したものです。この遺伝の法則はオカメインコの繁殖にもそのまま当てはめて考えます。
雛は両親から1組ずつの遺伝子を受け継ぐわけですが、遺伝子は染色体に含まれてます。2個の遺伝子が受精で結合したときに双方の遺伝子が同じであるとは限らないわけで、そこには優劣が生じます。
オカメインコルチノーは性染色体劣性遺伝です。
オスとメスとでは性染色体の組み合わせが違っていて、メスの場合は性染色体が1本だけでも発現するのに対して、オスは2本がそろわないと発現しません。
だからオカメインコルチノーにオスが少ないのは遺伝の法則によると「計算通り」の必然なのです。
オカメインコのルチノーとパールですが、これらは共に「性染色体劣性遺伝」で、両親ともパールとルチノーの遺伝子を持っていない限り、オスが生まれてくることはありません。
雛がメスなら父鳥にパールやルチノーの遺伝子があれば母鳥になくてもOKですが、オスは両親からの2つがそろわない限り、ルチノーもパールも生まれません。
この法則を当てはめると、ふ化直後の羽毛の色や、2週間くらい経過してある程度羽毛の色柄が分かるところまで来ると、DNA検査をしなくても「この子はメス」と確定できます。
ただしオスの雛はDNA検査しない限り、見た目では性別判定できません。
パールもルチノーも「性染色体劣性遺伝」ですから、ルチノー・パール・オスの同時発現の確率はかなり低いです。
オカメインコ「ルチノー」のオスの発現率は25%ですが、そこにさらに劣性のパールの遺伝子が絡んでくるわけですから、ルチノーパールのオスはかなりのレア品種です。
しかしオスの場合は生後1年を過ぎるとパールの消失があるので、せっかく待望のオカメインコルチノーパールのオスに巡り会えたとしても、オスのパールは消えてしまうのではないかな?と思います。
うちにはルチノーパールのメスしかいないので、ルチノーパールのオスのパールが消えるのを直接見たことはありませんが。
ルチノーパールのメスなら成鳥になってもパールが美しいままですが、オスはパールが消えれば、見た目は「バターカップ」に近い、黄色みの強いオカメインコになるのかな?と。それはそれで美しいですけどね。
白いオカメインコはアルビノ?スノーホワイトとホワイトフェイスルチノーの違い
全身真っ白、純白のオカメインコを見た人は、一瞬それがオカメインコだなんて思わないかもしれません。
色味が地味~な鳥といったイメージが強いオカメインコの仲間ですが、ここで紹介する2種の純白オカメインコ「ホワイトフェイスルチノー」と「スノーホワイト」の美しさは息を呑むほどです。
見た目がまったく同じに見えるこの両者、「アルビノ」ではありませんし、品種も特徴も実はだいぶ違います。
生後5週の彼女 くちばしの周りがごはんまみれで、せっかくの美人が台無しですが、これはまだ挿し餌を卒業できてなかったころのうちの姫です。
オカメインコホワイトフェイスルチノーの女の子。
こちらが生まれたての姫
純白オカメインコ(ホワイトフェイスルチノー)はアルビノではない
右側の2羽はどちらもホワイトフェイスで、色柄が全然違いますが、同胞 どちらもメス。ちなみに左にいる小さな子はシナモンパールのメスです。
全身真っ白なオカメインコのホワイトフェイスルチノー。
真っ白い個体を一様に「アルビノ」とも呼ぶ人がいますが、厳密には「アルビノ」は突然変異個体。そのため、アルビノとホワイトフェイス・ルチノーとはまったくの別種とする考え方があり、真っ白な個体だからといってすべてを「アルビノ」と呼ぶのは正しくありません。
オカメインコホワイトフェイスルチノーはルチノー遺伝子(メラニン色素欠)とホワイトフェイス遺伝子(リボクローム色素欠)の両方を持つタイプです。
全身が純白のとても美しい個体で、赤目(成鳥ではブドウ色)くちばしと足はピンク色。爪は白です。
オカメインコホワイトフェイスルチノー=「ルチノー」 スノーホワイト=「パイド」
この真っ白なオカメインコのホワイトフェイスルチノーにも、全身純白でそっくりさんの別品種がいます。
それがパイドの完全な色抜けの「クリアパイド」
ホワイトフェイス遺伝子を持つ個体は「ホワイトフェイスクリアパイド」と呼ばれ、ホワイトフェイスルチノーとは似て非なる品種です。
ホワイトフェイスクリアパイドは黒目で、これがいわゆる「スノーホワイト」
真っ白なオカメインコがすべて「スノーホワイト」と思ってる人もいますが、スノーホワイトは「パイド」なので「ルチノー」ではありません。
ホワイトフェイスルチノーはほっぺの白い「ルチノー」ですから、おなじみのルチノー から色味をすべて抜いて真っ白にしたオカメインコです。
ホワイトフェイスルチノーは気品を感じる、シックで美しいオウムです。