この記事では、オカメインコを19歳まで看取った飼い主の実体験をもとに、老鳥の介護方法を具体的にご紹介します。老化のサインに早めに気づき、適切なケアを行うことで、大切な家族との穏やかな時間を過ごすことができます。
老鳥介護で特に重要なポイントは以下の3つです。
飛行困難や視力低下などの老化現象を見逃さない早期発見
スロープ設置や止まり木の位置調整など、バリアフリーを意識したケージ改善
エアコンとパネルヒーターを併用した確実な保温管理
これらの対策を適切に行うことで、老鳥の生活をより快適にすることができます。また、必要以上の通院を控えることで、ストレスを最小限に抑える介護方法についても解説していきます。スロープ設置や止まり木の位置調整など、バリアフリーを意識したケージ改善
エアコンとパネルヒーターを併用した確実な保温管理
もくじ
オカメインコの老化現象が目立ち始めた16歳当時の様子

私が最初に老化に気づいたのはピーちゃん16歳の時。彼女の老化現象を立て続けに3つ、目の当たりにすることになりました。
オカメインコの飛行困難…自力で飛び立たなくなった
最初に老化に気づいたのは、うまく飛べなくなってきたのに気づいたことがきっかけです。いつもは放鳥すると、カーテンレールやエアコンなど高いところに飛んでいきましたが、次第に上空に飛び立つことが困難になってきました。
滑空のような飛び方しかできず、ケージから飛び立ってはフローリングへスライディングしながら着地していくようになっていました。
17歳の誕生日を迎える頃には、自力で飛び立つことができなくなりました。
足が悪い?止まり木から落ちるようになった

その時の落下はたまたまかと思ったのですが、次の日にも同じように落ちてしまったので「これは足が悪いのか?」と気づきました。
脚力や足指で止まり木を掴む力がなくなってきていましたが、幸い神経症状は出ていませんでした。
オカメインコが寝てばかり…うとうとしている時間が長くなった

そこから今後の老鳥介護や生活のサポートを真剣に考えるようになりました。
病院受診で白内障が判明

いつも元気いつぱいで怪我や病気ひとつしなったピーちゃんは、これまでほとんど病院を受診したことがなかったので、この時はとてもストレスや緊張感が強く、

普段から定期的に健康診断に連れて行っていれば良かったんだ。

幸い、それ以外の病気はまったく見つからず、病院でくちばしと爪を整えてもらい、栄養剤のサプリメントを処方されました。
足の悪いインコのケージレイアウトを老鳥バリアフリー仕様にしてみた

まずは高い位置に置いていたケージを少し低い場所に移しました。そしてケージ入口の前には段ボールを使ってななめのスロープを作り、滑り止めマット(爪が引っかかりにくいもの)を切って貼り付けました。
ケージの中の止まり木も低い位置に付け替え、止まり木用の保護テープを巻いて滑らないようにしました。

インコのバンブルフット対策には止まり木保護テープと自然木のパーチ
老若に関係なく、足が悪い・止まり木に止まれなくなるインコは意外に多いです。その原因のひとつがバンブルフット(趾瘤症)インコのバンブルフットを予防・改善するための止まり木と保護テープの使い方を紹介します。

ケージ底はフンきり網の下に新聞紙を敷いていたのを、網を外して、新聞紙とキッチンペーパーを敷く方法に変更しました。
オカメインコの老鳥の保温をエアコンメインでぬかりなく対応

私は日中仕事をしていましたが実家暮らしをしており、昼間は自宅に祖母がいましたので、ぴーちゃんの様子を見てくれていて助かりました。

ピーちゃんを肩に乗せて、毎日スキンシップをたくさんとりました。晩年のピーちゃんは若い頃よりも甘えん坊になって、首をカキカキするととても嬉しそうに目を閉じていました。

ピーちゃん19歳の最期の冬はリビングのエアコンをつけっぱなしにし、さらに外付けのパネルヒーターを併用しましたから、保温に対しては万全でした。
老鳥の最晩年は寝てばかりだったけど最期まで穏やかに過ごせたから悔いはない

その様子について心配になった私が獣医さんに電話で相談すると、

病院に連れてきてもらってもいいけれど 老衰だから よほどのことがない限り受診しない方がいいと思う。お年寄りインコは受診がストレスになって死んでしまう可能性もあるからね…。

そうか。寿命を縮めてしまうかもしれないなら受診は必要ない。
日々大切に見守り続けたピーちゃんは、最期まで穏やかに過ごすことができていたと私は思っています。そして12月27日、まるで私の仕事が休みに入るまで待っていてくれたかのように…そして眠るように 私の目の前でぴーちゃんは19年の生涯を閉じました。
オカメインコの老化現象と介護 ~19歳で看取った飼い主の体験記~【総括】

飛行困難が最初の老化サイン
止まり木から落下するようになった脚力の衰え
睡眠時間の増加
白内障による視力低下
くちばしと爪のケア不足
ケージの高さを低く調整
スロープと滑り止めマットの設置
止まり木とブランコの位置を下げる工夫
エアコンとパネルヒーターによる確実な保温管理
必要最小限の通院でストレス軽減
晩年は甘えん坊に性格が変化
19歳まで穏やかに過ごせた終末期の介護
愛鳥の老いは誰もが直面する現実ですが、老化のサインに早めに気づき、適切な環境整備と介護を行うことで、大切な家族と穏やかな時間を過ごすことができます。この記事があなたの老鳥介護の参考になれば幸いです。