オカメインコにおしゃべりや口笛を真似して歌うのを覚えさせるコツ
オカメインコは群れをなして生活している鳥なので、互いのコミュニケーションには声が使われています。
ペア同士では合い言葉のように同じ言葉を返して相手の存在を確かめ合っています。
つまり野生下のオカメインコは「話す」ことでコミュニケーションをとる鳥なのです。
では 雛時代から人間に育てられているオカメインコの個体はどうなるのか?
オカメインコの飼い鳥も同様に、鳥同士で普通にやっている言葉のやり取りを、飼い主との間で行っています。
オカメインコにとって飼い主は群れの仲間。
だからオカメインコがおしゃべりをしたり 口部屋などを真似て歌うことは、野生のオカメインコが群れの仲間が発する言葉をそのまま覚えて返していることとまったく同じです。
インコやオウムは厚みのある舌を持っていて、比較的自由に舌を動かせる構造になっています。
餌の皮をくちばしと舌で剥くために舌の筋肉が発達しているわけで、この分厚い舌が人間の舌と似ています。
鳥の発声は、肺の上にある鳴管(めいかん)を震わせて声を出しています。
そして話す鳥は鳴管の周りの筋肉が多いので,いろいろな声が出せるのだと考えられています。
ただし、おしゃべりがうまいかどうかは 鳥種によって違います。
おしゃべりが得意な種もいれば、口笛を真似て歌うのが得意な種もいます。
オカメインコの場合はどちらもできますが、どちらかというとおしゃべりよりも 口笛系の歌が得意です。
YouTubeなどにも トトロとかピタゴラスイッチなどを上手に歌いこなすオカメインコがたくさん登場していますね。
そもそもインコ・オウムならみんなしゃべるのか 歌うのか!?
一般的に、人間の言葉でも鳥の言葉でも、メスよりオスのほうがよく話すと言われています。
これはおしゃべりがオスの発情行動に関連しているからです。
さえずりやおしゃべりは、オスからメスへのアピールのひとつ。
だからといっておしゃべりするのがオスだけということはありません。
メスが全くしゃべらないというわけではなくて、自分の名前や簡単な言葉くらいならしゃべるようになるオカメ女子もいます。
その逆にオカメ男子だからと言って おしゃべりや歌を必ず覚えるというわけでもありません。
オカメインコの中には人間の言葉を覚えようと思わない子もいるし、覚えていても飼い主の前で披露しない子もいます。
しかし、それもまた その子の個性。
オカメインコ全てがおしゃべりや歌を歌うとは限らない点を 飼い主が割り切って「そういうものだ」と捉えておくしかありません。
オカメインコの歌やおしゃべりは芸ではない(きっぱり!)
オカメインコにとって人間と言葉を共有することは ちょっとしたお楽しみのひとつでしかありません。
つまり「芸当」ではないのです。芸当だと思っているのは人間だけです。
ここのところを勘違いしている飼い主は自分の鳥があまりしゃべらない・歌わないことに不服を持つことがあるかもしれませんが、それはその鳥の個性だと考えるしかありません。
とはいっても、オカメインコが自ら喜んでおしゃべりしたり 歌うように 飼い主の方が意識的に鳥を誘導していくことは可能です。
人間の子どもが遊び感覚でどんどん語彙を増やしていく様子と同じように、オカメインコにも「おしゃべりや歌を覚えるのが楽しくて仕方ない!」という時期があります。
やんちゃ盛りで言葉を覚えるのが楽しくて仕方がない時期が 学習の臨界期と重なっているということです。
オカメインコは私たち人間のことをしっかり観察しています。
オカメインコが言葉を覚えたことを喜んでいる人間を見て「大好きな飼い主を喜ばせた!」ということが伝われば、それがさらに鳥にとっての「楽しい遊び」になっていきます。
「楽しい遊び」のひとつだと鳥が認識すれば、オカメインコが日常的に歌ったりおしゃべりしたりするようになる可能性はあります。
飼い鳥として生きるオカメインコにとっては 人間の言葉を覚えることは楽しみであると同時に 飼い主との重要なコミュニケーションツールをゲットすることなのです。
オカメインコの歌やおしゃべりはコミュニケーションの道具のひとつであって 決して「芸」ではないことを 飼い主はしっかり認識してください。
そう考えておかないと「うちのオカメインコはあまり喋ってくれない」とがっかりしてしまうこともありますから。
おしゃべりも歌も口笛を真似ることにも 鳥によって向き・不向きの個体差があるものです。
一方的に鳥に期待しすぎるのも無理強いするのもいけません。
オカメインコにおしゃべりや口笛・歌を覚えさせるコツ
ここでは一般的な、インコ・オウムにおしゃべりを覚えさせるコツを紹介します。
■初めて覚餌せる言葉は 破裂音(ぱぴぷぺぽ)が入った言葉が覚えやすい。
■学習には臨界期がある(基本的に大人のオカメインコには言葉を仕込むのは難しい) 言葉を覚えさせるなら、雛のうちに始めるのがいい。※成鳥になっても全く覚えられないわけではない。
■一度にたくさんの言葉を覚えるのは難しい。一つの単語を覚えたら次、というように ゆっくりとひとつずつ教えていくことが大切。
大切なことなのでもう一度繰り返しますが、オカメインコにとっての言葉はコミュニケーションの手段です。
人の側から見ると「芸」のように思えるかもしれませんが、言葉(おしゃべり)はインコにとっては「芸」ではありません。
ココをきちんと押さえておかないと、愛鳥に無理を強いたり、ストレスをかけてしまうことになる恐れもありますので注意してください。
日常的に「おはよう」とあいさつをしたり、名前を呼んだり、言葉をかけたり。
そういう基本的なコミュニケーションを楽しむところから始める方が、鳥にストレスがかからないですから、その点はきちんと配慮してあげましょう。
実際に飼い主がどんなにがんばって働きかけても あまりおしゃべりしない子もいるんですよ、中には。
うちの子達を見ていてもそうです。1歳くらいまではよく歌っていたのに、成鳥になったらほとんどしゃべらなくなった子も結構います。
それでも ふとしたときに喋ったり歌ったりが出ますから 完全に忘れてしまっているわけではないようです。
気が乗らないと喋らないだけみたいです。
10歳過ぎのオカメインコが新しい言葉を覚えてびっくりした話
逆に最近驚いたことがあるんですが、うちの10歳を過ぎた長老組のご隠居オカメのオスが 新しい言葉を次々に3つも覚えたのです。
この子が新しい言葉を覚えるきっかけとなったのが、パートナーオカメとの死別です。
長年連れ添ってたくさんの子どもたちを育て上げた伴侶と死別してシングルになった時、元々べた慣れオカメだったこの子は再び飼い主(私)に寄り添ってくるようになったんですね。
つまり次のパートナーに私を選んだわけで、それによって私が話しかける言葉を新規に覚えてしゃべり始めたのだと思います。
これにはこちらがびっくりです。もうすぐ11歳という年齢を考えると 一般的な学習の臨界期は10年も前だったはずですし、おじいちゃんオカメが新しい言葉を覚えるなんて 考えたこともなかったからです。
連れ合いを亡くした寂しさもあって、一生懸命飼い主に寄り添って「こっちを向いて!」と訴えていたのかもしれませんね。
ご縁があってお迎えしたオカメインコのオスがあまりおしゃべりや歌を覚えないことを残念に思う気持ちはわかります。
でも、それはそれでその子の個性だから仕方がないこと。個体差もあります。
「オカメインコだってそういうものだ」と割り切ることが必要です。
人間の子育てと全く同じです。
そもそも無理に言葉を教え込むことを強いて叱ったり怒ったりすれば信頼関係が壊れますし、そうなってしまっては本末転倒です。
特にオカメインコが大好きで 念願のオカメを初めて飼い始めた飼い主さんなら きっと「この子がそばにいてくれるだけで幸せ」と感じるのではないでしょうか。
そう、それが大正解ですから。
オカメインコにはご長寿さんが多いのです。18歳とか20歳越えはザラにいます。
人生は長いです。お互いに無理なく、ストレスをかけずに 楽しみながら 心地よい楽しい時間を共有していきましょう。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人で、これは鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)に役立つ情報や体験談を集めたコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新します。