我が家のオカメインコルチノーにはハゲの「ハ」の字もない個体もいます。
これは頭頂部の羽と冠羽との隙間もびっちり羽毛で覆いつくされていて頭皮が見える隙間もない…つまりハゲの「は」の字もないという意味です。
巷にはそういうオカメインコルチノーがいる一方で、頭頂の無毛面積が大きい子がいたりもしますが、ルチノーのおハゲは病気ではありません。
ルチノーと暮らしていくうちに それはかならず「あばたもえくぼ」になりますので「ハゲ!」って揶揄しないでね(笑)
実はこのおハゲには 厳密にいうと「質」の差があるのです。今回はそんなトリビアをご紹介。
オカメインコルチノーのハゲの差はオカメインコブームが関与してる話
オカメインコルチノーの頭頂部には大きな面積でだいぶ皮膚が見えているおハゲから、冠羽の根元が少し薄いだけの「これくらいではおハゲとは言えないかな?」レベルのおハゲ。おじさんのバーコード頭みたいな薄~いおハゲなど、いろいろなパターンがあります。
オカメインコルチノーのハゲにはブームが関与している!?
オカメインコルチノーだからといって必ずおハゲがあるわけではないですが、それでも多くのルチノーは大なり小なりのハゲを持っています。
一説では、大量繁殖個体ではハゲの面積が大きいともいわれています。
大量繁殖個体というのは、オカメインコブームが到来した1990年代に 東南アジアの繁殖場から輸入されたオカメインコだけを指すのではなく、

オカメインコブームの到来で「産めや増やせや!売れるで~♪」的ノリで むちゃな繁殖を繰り返したブリーダーの個体系統も この「大量繁殖個体」に含まれます。
オカメインコブームからすでに30年が経過していますが、遺伝的にはその子孫がそのずーっとおハゲを引き継いでいる可能性があります。
はげの発現は遺伝子レベルの話なので いまいち釈然としない部分も多いですが、オカメインコルチノーのおハゲは遺伝性なので、オカメインコブームの弊害がハゲの一因である可能性は否めません。
オカメインコルチノーのおハゲには血統による「質」の差がある…
実は、オカメインコルチノーのおハゲにも「質」の差があります。
きちんと血統管理されてブリーディングされた繁殖個体なら「ハゲ」といっても「丸ハゲ」状態でではなくて、すだれ状に薄くなる程度の「うっすらおハゲ」です。
まあ、うっすらもおハゲには違いないのですが「産めや増やせや」でブリーディングを繰り返された大量繁殖個体のひどいおハゲちゃんとは一線を画している個体が多いと考えられます。
遺伝であれば鳥には何ら罪はなし(責任の所在はブリーダーにあり・爆)
本音を言わせたら、鳥だってできればもっと美しく生まれてきたかったかもしれないけれど…「親ガチャ」なんて言葉が登場するように 親や環境や容姿を選んで生まれてこられないのはヒトと同じで仕方がないこと。
ルチノーのハゲが病的なものだったら見て見ぬふりはできませんが、
…といった認識を持って、オカメインコルチノーのおハゲを嫌わず、ありのままを受け入れてほしいと切に願います。
だって、おハゲがあってもなくても、かわいいことに変わりはないでしょう。
もう、そこにいてくれるだけでいいんですよ。
それだけで癒される…オカメインコってそんな存在じゃないですか。
オカメインコファンが増えるのは嬉しいがオカメインコブームの再来はご免だ!
これは30年くらい前、オカメインコブームと同じころ、ゴールデンレトリーバーが大人気犬種だった頃の話です。
ゴールデンレトリーバーに「遺伝性」の股関節形成不全がたくさん出て、立ち上がることも歩くこともできない大量繁殖個体が続出!が社会問題になりました。
ゴールデンレトリーバーの股関節形成不全問題が続出し…
当時は「愛犬ブーム」真っ只中で、大型犬が人気の中心。
そのブームに乗った悪徳ドッグブリーダーが金儲けのために無謀な繁殖を繰り返したことが招いた必然の結果が「五体不満足」な大型犬の続出です。
その少し前にはシベリアンハスキーが大人気になった時代があり「ハスキー犬は言うことを聞かないバカ犬だ!」という扱いをされて捨てられる個体が続出!なんてこともありました。
ハスキーがそり犬だという事実を考えずに 見た目のエキゾチックさと流行に惹かれて飛びついて飼って、挙句の果てに「手に負えない⇒それは犬がバカだから!」…という単純明快な図式から起こった悲劇ですが、当時の私は
…と何度思ったことか。
オカメインコルチノーのおハゲも、ある意味それと共通している部分があるような気がしないでもありません。1990年代にはオカメインコにもブームがありましたからね。
日本人はブームに弱い国民性です。
ブームの波が来ると猫も杓子もそれに飛びつく(そして飽きたら捨てる)…そこが日本人の悪い癖!
愛犬ブームに乗った飼い主が偉そうなことを言えないけれど…
実は愛犬ブーム当時、私もゴールデン・レトリーバーを飼ってたのですよ。
幸いにしてうちの子は健康体だったけれども…
えぇ、人のことはつべこべ言えませんとも(恥) 私も当時の愛犬ブームに乗った一人です。
ちょっとでも人気に火がつくと産めや殖やせやでこういうブームが起こって、不幸な動物が増える。
最近ではコロナ禍の影響からペットを飼うのがプチブームになったことが記憶に新しく、捨て鳥・捨てインコの続出は現在でも続いています。

捨て鳥・捨てインコだけでなく「鳥の里親募集」にもモヤッとする件
犬猫に限らず、鳥の里親募集だって絶えませんよね。
「飼えなくなった」理由はそれぞれにいろいろな事情を抱えていて、確かにどうしようもないこともあるでしょう。
その事自体の良し悪しをどうこう言う以前に、私が思うのは
特にオカメインコのような繊細なハートの鳥は、飼い主や環境が変わっただけで餌を食べなくなって 落鳥する子がいっぱいいます。
繊細な個体にとっては…これはほんとにねぇ…命にかかわる問題なんですよ。
映え目的で鳥を飼うとか…「ふざけるな!」レベルの話
こんなコロナ禍のプチブームレベルでも「映え」目的に連れてこられて捨てられたオカメインコがどれだけいることか…
本来20年くらいの寿命がある子が数年で亡くなってしまうなんて、なんか許せないモヤッとした気持ちになってしまうんですよね。
オカメインコファンが増えるのはとてもうれしいし、きっと幸せなオカメインコも増えるでしょう。
でもオカメインコブームの再来は絶対に御免です!不幸せなオカメインコが続出するのは確実だから。
人も動物も植物も、今生のご縁を大切にして、楽しい時間をたくさん共有していければいいな…と思います。