こういう考え方をする人は多いですが、それは大きな間違いです。
私の知人にもこういう人↑がいて、そのインコの健康状態までは詳しく知りませんが、少なくとも鳥がまったく飼い主になついていないです(もともと手乗りインコなのに完全なる手乗り崩れ、毛引きがひどくて胸のあたりがハゲハゲです)
日光浴不足はインコの生死に関わることもあるし、インコも人と同じでメンタルを病み、精神が不安定になると問題行動を起こします。
手乗り崩れなんて問題行動はまだ序の口で、毛引きや自咬に走るインコだってたくさんいます。この一因が日光浴不足です。
この機会に日光浴の効能をしっかり見直してみましょう。
インコのメンタルヘルスにも日光浴は重要な役割を担っています。
- インコに日光浴は必要!時間・やり方・毛引き防止のひなたぼっこの話
- 日光浴のやり方の頻度は?時間は?いつやる?最低どのくらいのペースでやるべき?
- インコの日光浴の日差しの程度は?曇り・雨・日陰では日光浴にならない?
- インコの日光浴、夏と冬では変えた方がいい?
- インコの日光浴はどこでやる?屋内のガラス越し?網戸越し?カーテン越し?ベランダ?
- インコの日光浴を屋外でやる時は外敵に注意!カラス・ネコ・ヘビ・イタチ その他
- インコの日光浴不足が原因の毛引きをやめさせるには?【インコのメンタルヘルス】
- インコの日光不足で病気になる!日光浴しないとどうなる?
- インコの毛引きは日光浴不足が関係している?
- 日光浴を兼ねた散歩なら毛引き防止のための一石四鳥のメリットも
インコに日光浴は必要!時間・やり方・毛引き防止のひなたぼっこの話
インコに日光浴が必要な理由と紫外線を浴びるメリット
鳥体に必要な栄養素を作る→ビタミンD3がカルシウムの吸収を助ける。
ストレス解消・メンタル安定→自咬や毛引きの予防・防止効果。飼い主と鳥の信頼関係アップ。
インコにとって気持ちのいい気分転換→好奇心旺盛なインコならそれが満たされる。
紫外線による殺菌効果
容姿が美しくなる→羽艶や美しくなりクチバシが良い色合いになる
代謝が良くなる→ドカ食いが減ってダイエット効果も期待できる。発情抑制効果も。
骨折の予防
【メス】丈夫な卵殻を作り、卵詰まり・卵管脱・軟卵の産出を予防する
低カルシウム血症の予防→体調不良の回避だけでなく、毛引きや自咬の予防につながる
インコのメンタルの安定→心が健全になるので、飼い主とのきずなが深まる。
日光浴のやり方の頻度は?時間は?いつやる?最低どのくらいのペースでやるべき?
一度に長く日光浴をすれば体に良いかと思いきや、寝だめ食いだめができないのと同じで、ビタミンD3もまとめて摂れるわけではありません。
日光浴の頻度は?
飼い主がたまに気が向いた時だけ「十分に日光浴させた」と思っても、インコの体内では知らず知らずのうちにビタミンD3が不足していることはよくあります。
日光浴は一週間に一度長時間まとめて日の光を浴びるよりも、毎日短時間の光を浴びさせる方が効果的です。
その理由は 骨を育てるのに必要なビタミンD3には一度に摂れる上限があるからです。
ですから毎日少しずつ継続して日光浴させた方が 継続的にビタミンD3を作り出せることから 当然健康に寄与します。
一回の時間が短くても紫外線を浴びられれば日光浴としては十分なので、毎日短時間の日光浴をさせてあげるのが理想的であり、インコの日光浴は最低でも週に1~2回は必要です。
日光浴の時間は何分?いつやるのがいい?
体内時計をリセットするためには、午前中の日光浴が望ましいです。
午前中の日光浴の方がセロトニンを増やしやすいことが分かっています。
また午後は午前中よりも紫外線量が増しますので、日光浴を行う場所や時間への十分な配慮が必要です。
紫外線を浴びる時間は 季節や温度にもよりますが、10~30分程度で充分です。
だらだらと長時間紫外線を浴びていると人間と同様にインコも疲れますし(だから健康状態が良いインコ以外は日光浴はさせないこと)忙しい飼い主がケージの安全に目を光らせていられる時間が良いことも考えると、10分かそこらでもいいのです。
とにかく短時間でもいいのでこまめに紫外線を浴びさせることを意識することが大切です。
ビタミンDだけでなく、総合的にビタミンを補うのにお勧めなのがネクトンです。ペレットを70%以上食べている場合は、与えなくても大丈夫です。https://t.co/ymlrtsT9SU
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 15, 2021
インコの日光浴用ケージは必要?
日光浴は スペースが許せばインコをいつも使っている鳥かごに入れたままでOKですし、キャリーケースに移したければそれでもOK
金網のように 紫外線が鳥に直接届くものを使えば ケージやケースは何でも構いません。
ただしプラケースに入れたままとか、ケージをアクリルケースに入れたままでは紫外線が届きませんから 日光浴にはなりません。
ガラス水槽も同様にガラス越しでは紫外線を通さないので 日光浴効果がありません。
日光浴の時にいつも使っているケージを移動させるのが大変なら、動物病院への通院や災害避難用も兼ねて ケージ型キャリーをひとつ用意しておくといいでしょう。
インコ用キャリーケース選び!初めてのバードキャリーおすすめ21選
…という人が多いですが、日光浴にキャリートレーニングを利用すれば、問題なくキャリーを使えるようになりますのでおすすめです。
キャリートレーニング!インコが新しいケージに慣れない時のしつけ法
インコの日光浴の日差しの程度は?曇り・雨・日陰では日光浴にならない?
日光浴というと日差しがキラキラしている日にするもの…と想像しがちですが、曇りや雨の日でも紫外線は浴びられます。
インコの日光浴は曇りや雨の日ではできない?
天候に関わらず、紫外線は地上に届いているのです。
快晴の日の紫外線を100%とすると、 曇りは60% 雨は30% …程度の紫外線量となります。
インコの日光浴は日陰ではできない?
季節や緯度によって紫外線量は変わりますが、紫外線は地表面に当たって跳ね返るものです。
つまり屋外にいれば 地表面からの反射光を浴びているのですから、日陰にいてもまったく紫外線が当たらないわけではありません。
地表面の反射率は地表の状態によって変わりますが、新雪では80% 砂浜では25%です。
アスファルトや普通の草地では10%未満ですが、紫外線が強い季節にはこのくらいでも良いかもしれません。
オカメインコルチノーなどの赤目の鳥の場合は紫外線に弱いので 直射の日光浴をしない方がいいです。
上述の通り 天候が不順な日でも紫外線を浴びられること、反射光が当たることを知っていれば あまり気負わずにインコに日光浴させてあげることができます。
ルチノーなど赤目のインコは紫外線に弱いので注意が必要!
網戸越しでも良いですが、かなり紫外線をカットされますので長時間やらないと充分とは言えないかもしれません。赤目の仔は紫外線に弱いので、強い紫外線は避け、ビタミンDを補うしかないと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 22, 2021
インコの日光浴、夏と冬では変えた方がいい?
日本は四季があり寒暖の差も大きいですから、季節によって日光浴の時間帯や費やす時間、行う場所を変える必要があります。
インコの日光浴 夏はどうする?
夏は直射日光に当てないように風通しのいい日陰で10分程度の短時間の日光浴にとどめるのがいいでしょう。
あまり神経質にならず、網戸越しに日が差し込む部屋に鳥かごを置いておくだけでも十分日光浴になります。
日光を嫌がらないインコでも、カーテンや網戸越しでも十分効果があります。
インコが暑いと感じたときにいつでも日差しから逃げられるよう、鳥かごにタオルや新聞紙を部分的にかけて日陰を作ってあげると日射病や熱射病の対策になります。
あまりにも長時間の日光浴は季節や天候によっては日射病になる恐れもあるため、その時々で時間などを調節する必要があります。
インコが羽を持ち上げたり、口を開ける頻度が増えたら暑がっているサインですので、涼しい場所に移動してください。
インコの日光浴 冬はどうする?
冬場は寒暖の差に気を付けつつ、ひだまりでの短時間の日光浴をしたいところですが、昨今の冬季は鳥インフルエンザウィルスの感染が気になります。
野鳥に接触させたり、そばに近寄るのも避けておいた方が良いので、基本的にケージを外に出すことはおすすめできません。

そういう場合は鳥用日光浴ライト(uvライト)を利用することで 室内で安全に日光浴をさせることをおすすめします。
紫外線ライトは フルスペクトラムのUVライト 小鳥用のもの …を用意しましょう。
フルスペクトラムは太陽光に近い紫外線を出してくれるので、インコに必要なビタミンD3も摂取できます。
またUVライトはインコに必要な紫外線量を摂取するため必ず小鳥用を購入しましょう。爬虫類用を代用することは絶対に避けてください。
インコの日光浴はどこでやる?屋内のガラス越し?網戸越し?カーテン越し?ベランダ?
日光浴というと直射日光を浴びるイメージがある方もいると思いますが、直射の日差しである必要はありません。
そもそも赤目の個体は日差しが苦手ですし、日に当たらなくても紫外線は床や地面に乱反射してインコに届くので、直接日の光に当たらないと日光浴にならないわけではありません。
弱くても一定量の紫外線が当たれば日光浴としてはOKなのですが、自分では気が付かないうちに紫外線がしっかり遮られていて「なんちゃって日光浴」になっているケースが多くあります。
インコの日光浴はガラス越しにするのはNG
「なんちゃって日光浴」…日光浴してるつもりだけど日光浴になってない「日光浴もどき」はガラス越しの日光浴です。
ガラスで紫外線がカットされているので、明るい光に当たっていても 鳥体内ではビタミンD3が作られません。
つまりガラス越しの日光浴は実質的な日光浴にはなっていないことを押さえておいてください。
これはプラケース越しでもアクリルケース越しでも同じです。
プラスチックやアクリルもガラスと同様に紫外線をカットしてしまうので、日光浴としての効果はほとんどなくなってしまい、こちらも「明るいだけ」の「なんちゃって日光浴」です。
日光浴をする時には ガラス窓を開けて、光が差し込む状態で行うことが必要です。
インコの日光浴を網戸越しにするのはおすすめ!外敵を遮るので安全性も高い
網戸越しに日が差し込む部屋に鳥かごを置いておくだけでも十分日光浴になります。
外にケージを出してしまうとロストや外敵に狙われる…などの心配事が多いですが、窓を開けられる季節なら、室内の網戸越しでの日光浴が安全でいいと思います。
日光浴を嫌がるインコも室内の網戸越しなら抵抗がないでしょう。
インコの日光浴はカーテン越しでもOK
カーテンにもいろいろな素材のものがありますが、遮光カーテンでなければほとんど光を通すので、日光浴としてはまずまずの効果があります。
コチョウランのような強い日差しを嫌う植物もレースのカーテン越しの光を当てれば育つように、光を通すタイプのカーテンであれば問題なく日光浴ができます。
普通のカーテンでは明るさが不十分なことが多いので、やはりレースのカーテン越しがいいと思います。
屋外での日光浴で忘れてはいけないロスト対策
愛鳥に季節感を感じさせることは健康に育てるために大切なことなので、季節や天気によって時間や場所を変えて できるだけ毎日日光浴させるのが理想です。
日光浴を屋外で行う場合、誤ってケージやキャリーケースを落下させて本体が分解して鳥が逃げてしまう事故を防ぐために、ベルトでしっかりと固定しておくことをおすすめします。
また扉にナスカンを付けて 扉を開けられないようにしましょう。
ナスカンはステンレス製のものをおすすめします。
亜鉛合金製のナスカンを使ったらセキセイインコが吐いて下痢をしたとのことで来院しました。このナスカンはしばらく使っておらず古いもので、腐食が見られました。扉に使ったらずっと舐めていたとのことでした。レントゲン検査で金属片は見られませんでしたが金属中毒の可能性が高いです。 pic.twitter.com/hp5WTORIIm
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 19, 2022
インコの日光浴を屋外でやる時は外敵に注意!カラス・ネコ・ヘビ・イタチ その他
ガラス窓を開けたり網戸越しの日光浴は自宅の中ですが、屋外やベランダで日光浴をすることも多いです。
ケージを屋外に出す場合は 目を離さずにいることをおすすめします。
野良猫がインコを襲うケースは多い!地域猫なら大丈夫?
言うまでもなく屋外には危険がいっぱいで、ベランダだと野良猫に襲われるケースが少なくありません。
最近の飼い猫は飼い主が全うな人なら室内飼育されているので 外を自由にうろつきまわっているのはほぼ野良でしょう。
一部には地域猫もいるかもしれませんが、地域猫ならインコを襲う可能性は低いかも…とは限らないので注意は必要です。
ちなみに地域猫とは…
「地域猫」とは、一言でいうと「地域で管理されている野良猫」のことです。特定の飼い主がおらずお外で生活するという点では野良猫と同じですが、地域住民の方々の合意のもと特定のごはん場やトイレを設置し皆で適切に面倒を見ていくという点で大きく異なります。地域猫は不妊手術を受け、目印のために耳先をカットしたりピアスをつけたりしています。
引用元:JAMC
猫は本能的にハンターですから要注意です。
それに食べるつもりはなくても 猫パンチとかでインコにちょっかい出されたりしたら インコが怪我をする可能性もあります。
負傷だけでなく、その後に外に出ることに対するトラウマが植え付けられてしまうかもしれません。
外敵に襲われるということは、繊細なインコのメンタルに大きな傷をつけてしまうことにもなります。
カラスの襲来でインコが大けがをするケースが意外と多い
カラスの襲来も多くて怖いです。
インコがケージ越しにカラスからつつかれたり噛みつかれたりして負傷するケースがとても多いですから、要注意です。
インコを襲うのはほとんどが「ハシブトガラス」で、よく生ごみをあさってる輩です。
カラスは肉食性が強い鳥なので1年じゅう気を付けたい天敵ですが、特に危険なのはカラスの繁殖・育雛期の4月から6月くらいにかけてです。
親鳥が餌探しに奔走しているこの時期がもっとも危険といえます。
またもやカラスに襲われる事例が発生してしまいました。サンルームのように囲われているベランダにセキセイインコさんが入ったケージを出していたところ、気付いたら足を齧られてなくなっていました。出血は中等度で済んだため、命に別状はありませんでしたが、大怪我となってしまいました。カラスは獲物の目星を点けた場合、近くで待機し、人気がなくなったところを狙って襲ってきます。ほんの5分ほど目を離しただけでも襲われることがありますので、十分注意してください。
引用元:横浜小鳥の病院ブログ
インコの日光浴時間は10~15分程度でも大丈夫なので、ほんの短時間ですから 絶対にケージから目を離さないようにしましょう。
ヘビも要注意!ケージに入り込まれたら結末が怖すぎる
夏はヘビも出るので注意してください。
私の知人は3羽のジュウシマツをヘビに呑まれたことがありました。
ヘビは金網の隙間に頭が入れば、中に侵入します。そしてお腹いっぱいになったヘビがケージから抜け出せなくなって、中でとぐろを巻いていた…と(汗)
2階のベランダにヘビが登ってケージに侵入した事例もありますので、上の階だからといって油断してはダメですね。
ヘビ対策としては、日光浴の時にケージを高さのある所に吊り下げておくことが有効です。
田舎ならイタチや野良アライグマも要注意
田舎に住んでいるとイタチが出ることもあるでしょう。野良アライグマもあるかも。
私が子どもの頃、実家で飼っていたウズラがイタチに襲われたことがあります。
親が後始末をしたので私はそれを見ていませんが、かなりの惨状だった…とあとから聞きました。
緑豊かな地域ではこのほかにもいろんな動物が出没するでしょうし、油断は禁物ですよね。
外敵ではないが冬の野鳥の飛来にも要注意
冬は餌が不足するので、周囲にこぼれたりしたインコの餌を目当てに 鳥インフルエンザウィルスに感染した野鳥が集まってくることもあります。
これは外敵ではなく防疫の話ですが、別の意味での「脅威」にも気を付けましょう。
いかなる場合も、インコケージを外に出す時は注意を怠らないことが大切です。
インコの日光浴不足が原因の毛引きをやめさせるには?【インコのメンタルヘルス】
言わずもがな、日光浴はインコの健康のために欠かせないものです。
日光浴をするとインコの体でビタミンD3が作られます。
ビタミンD3は カルシウムの吸収を促進する インコの骨格形成に必要 病気やストレスの予防になる …など、さまざまな働きやメリットがあります。
日光浴のその他の効果としては 体内時計の調整…生活リズムの安定と免疫力の向上 代謝をあげ、健全な発情を促し、ホルモンバランスを調整する 太陽光による殺菌効果…などがあります。
インコに日光浴が必要ないちばんの理由はビタミンD3の生成に関わる病気の予防ですが、ストレス解消や気分転換などによる「精神を安定させる効果」も見逃せないところです。
不安定なメンタルが様々な病気や問題行動を引き起こすことは 鳥も人間もまったく同様です。
インコの日光不足で病気になる!日光浴しないとどうなる?
インコも日光浴で紫外線を浴びることにより体内でビタミンD3を生成してカルシウムの吸収をサポートしていますから、日光浴不足は骨や卵に異常が出る疾病と直結しています。
インコの日光浴はカルシウムの吸収に必須→骨折・卵詰まり・骨粗鬆症…
インコが日光浴不足になると クル病 骨折 骨粗しょう症 骨軟化症 …など、骨格形成に影響を及ぼす病気になることが多いです。
鳥は飛ぶために元々骨が軽くスカスカしているもの。パニックや誤って衝突するだけでも簡単に骨折してしまうものですが、骨格がしっかりしていなければなおさらそのリスクが上がります。
また、メスは 卵秘(卵詰まり)や 卵管脱、卵が軟卵になることも多いです。

過発情で産卵が多いメスが日光浴不足になると、卵を作るカルシウムはおろか、自分用のカルシウムも全く足りていないという状況に陥ることがあります。
インコが立ち上がったり動くこともできなくなってぐったりし、慌てて飼い主さんが動物病院に駆け込んで低カルシウム血症が発覚することは珍しくありません。
インコのシンボルである強く丈夫なくちばしを作るためにも日光浴は欠かせません。
日光浴しないとセロトニンが安定しない→精神が不安定で自咬・毛引きも
人間は日光を浴びないとセロトニンが分泌されません。
セロトニンが不足すると精神的に不安定になったり、いつも以上にストレスを感じるようになりますし、メンタルが疲弊傾向になって 心を病むことがあります。
さらにセロトニンが不足するとメラトニンも減ってしまうため、眠気を感じづらくなったり、不眠症になることがあます。
つまり日光浴と健康は切っても切れない関係にあるわけですが、これはインコもまったく同じことです。
日光浴のメリットとデメリットは人と同じだと思います。ビタミンDだけではなくメンタルの向上のメリットは大きいと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 16, 2021
ビタミンD3はセロトニンを安定させる働きを持つため、しっかり日光浴をさせてもらっているインコはセロトニンが安定し、情緒不安定になりづらい…つまりそれは毛引きや自咬に陥るリスクが低くなるということです。
インコの毛引きは日光浴不足が関係している?
もちろん個体差はありますが、日光浴不足はインコの毛引き行動の一因となります。
日光浴で得られるはずのビタミンD3不足は低カルシウム血症を誘発する可能性があって 神経症状が現れやすくなります。
そしてこの神経症状のひとつが毛引きです。
毛引きの理由は、低カルシウム血症のように病気が原因のこともありますが、ストレスが引き金となることも多いのです。
インコは孤独のストレスから毛引き行動に走る
インコのストレスの要因は 孤独 退屈 発情 …の3つといわれています。
インコを一羽飼いしている方も多いですが、オカメインコやセキセイインコに関しては群れで生活する習性なので 単独で飼うと孤独を感じやすいもの。これは本能だから仕方がないことですが。
毛引きの診察を受けた時に、鳥は好きで抜いたり、おしゃれと言われることがあるようです。毛引きは好きやおしゃれで抜いているわけではなく、辛い気分を紛らわすために始めるものです。一度気分が紛れることを学習するとやめられなくなるので、変な見解に惑わされず現在の飼育環境に向き合いましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 1, 2022
色々な見方があると思いますが、抜くこと自体は報酬系が関与していますので、抜いていると気分良くやっているように見えるかもしれませんね。問題は、それを起こした環境に飼い主さんが目を向けなくなることだと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 2, 2022
そんなインコの孤独を和らげるためにできることは
おもちゃ(バードトイ)をいくつか用意する
インコに定期的な気分転換の機会を与える
…などです。
この気分転換にもっとも効果的なのが「日光浴」です。
インコは発情によるストレスから毛引き行動に走る
インコの不定期な発情にも要注意で、頻繁な発情(過発情)はインコの体に負担となります。
定期的な発情を迎える方法のひとつはインコに四季の移り変わりを体感させることで、そのために日頃からできる簡単な毛引き対策がずばり日光浴です。
日光浴は体内時計をリセットしてくれますし、それは代謝をあげることにも通じているため、だらだらと発情が続く傾向にある=発情ストレスが原因で毛引きをしてしまうインコには 特に定期的な日光浴をおすすめします。
インコは退屈によるストレスから毛引き行動に走る
どんな鳥でも毛引きをするのかと言ったらそうではなく、野鳥が毛引きをすることはまずありません。
野鳥が毛引きをしないのは野生下で生き抜くために必死だからで、「しない」のではなくて毛引きしている時間がないだけですが。
野鳥は日々過酷な環境下で暮らしていて、餌も寝床もすべて自分で用意をしなければ手に入らないサバイバル生活。毛引きをしている暇などあるはずがなく、毛引きは暇を持て余す飼い鳥特有の行為です。
インコの毛引き防止のおもちゃが発情をエスカレートさせることも
飼い鳥は暇で退屈なのです。エサには不自由しませんが、単調な生活の繰り返しに飽き飽きしています。
そんなあなたのインコ、実はただの毛づくろいが 少しずつ毛引きに発展してしまったのかもしれません。
毛引きしている期間が長いと癖になります。癖とはストレス対処で毛引きしていたものが、いつしか毛引きしないと落ち着かなくなることです。抜けている期間が長いと羽が生えると違和感を感じるようになります。癖になっているかの見分け方は、放鳥して人と一緒にいるにも関わらず羽を気にすることです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 11, 2021
たまたま毛を抜いてみたら何となく面白くなってしまったり、ハマって「癖」になってしまった。
毛引きを続けていてその部分に羽毛がないのが「当たり前」になってそれに慣れきってしまった…逆に生えてきてるのが気になってまた抜いてしまう…。
病的な原因がなければ毛引きの根本原因は精神的なもので、飼い鳥の毛引きの大部分はこれでしょう。
これを解消する方法のひとつとしてたくさんのバードトイが登場しているのですが、それがすべて良いとは限らないところが また話を複雑にしています。
以前に紙を取りあげられたコザクラインコが自分の羽を抜いて齧り、それを自分の腰に刺すことを始めたことがありました。意識は自分ではなく、なるべく外に向かせることが退屈の対処であり毛引きの改善法です。それは人や鳥とのコミュニケーション、フォージング、チュワブルトーイ、紙などになります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) November 1, 2021
おもちゃもやはりずっと同じものばかりでは飽きてくるような気がしますし、飽きるだけならいいですが、そのおもちゃがインコの「仇」になることさえあります。
それはおもちゃがインコの「性」の対象になり得るからで、ますます発情をエスカレートさせてしまう可能性があります。
鏡のおもちゃに映る自分を見てパートナーだと勘違いしたり、人気のバードテントはインコに巣ごもりを連想させ、発情を促す可能性があります。
また発情ではないですが、オカメパニックが起こりやすいオカメインコの場合は、ケージ内におもちゃを取り付けることがパニック時の惨事を招く可能性があるので、ケージの中におもちゃを取り付けたり置いておくことはおすすめしませんが(放鳥時に遊ぶ分には問題なし)
そうなるとケージ内の退屈をどうしたらいいのか?と別の意味で悩みが付きません。
どんなおもちゃがそのインコの好みなのか?合っているかは千差万別ですが、かえって発情を促してしまうケースもありますので、おもちゃ選びと発情抑制の見極めには注意が必要です。
一方で羽は巣材に利用されるので、必ずしも汚いと感じるものではなく、羽を嫌がるのは個体差なのかもしれません。また中には抜けた羽を齧って遊ぶ鳥もいます。羽を遊ぶ対象となることは、毛引きに繋がるリスクがあるため辞めさせて、他の齧るものを与えましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 26, 2021
日光浴を兼ねた散歩なら毛引き防止のための一石四鳥のメリットも
一方で日光浴を兼ねたお散歩は、鳥インフルエンザが蔓延する冬季以外は ①紫外線を浴びる ②気分転換 ③ストレス解消 ④インコが好奇心旺盛な子でそれが満たせるなら…と 一石四鳥のメリットがあります。
日光浴の目的で飼い主さんがインコを散歩に連れ出せば、心地よいそよ風を感じたり、緑豊かな景色を見たり、川のせせらぎの音に耳を傾けたりと、好奇心旺盛なインコにはこの上ない気分転換になります。
季節にもよりますが、日光浴の時間帯は午前中、時間としては10~30分程度がよいと 個人的には思っています。
また、日光浴をして紫外線を浴びることでそこそこ心地よい疲労感が生まれます(だから日光浴させられるのは体調が良いインコに限ります)
帰宅してからのんびりまったりと昼寝する子も多く、そうなるとますます毛引きしている時間などなくなる…それもある意味メリットです。
その他にも 気分がリフレッシュしてインコのメンタルが安定する 飼い主さんへの信頼や絆が深まる…などの副産物ももれなくついてきます。
飼い主さんは「愛鳥を連れてちょっとそこまで新鮮な空気を吸いに行く」くらいの軽いノリでやってみることが 日光浴を続けるコツです。


インコを健康に育てたければ日光浴させて季節の移り変わりを感じさせてあげよう
散歩はインコに紫外線を浴びさせたり、毛引きをやめさせる目的だけでなく、自然な四季の移り変わりを愛鳥に感じさせるいちばん簡単な方法でもあります。
健康な成鳥であれば 日光浴はインコの代謝と免疫力をあげるチャンス!と考えてみてください。
毛引きを始めたら早く対処しないといけないのは、この様な理由があります。毛引きの原因はストレスですが、何がストレスになるかと言うと寂しい、交流不足、退屈、嫉妬などなかなか改善が難しいことばかりです。毛引きは医療で治すものではなく、生活の改善が必要です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 19, 2022
冬季の日光浴は鳥インフルエンザを厳重警戒すべし!
日光浴は鳥インフルエンザの心配が少ない季節限定で、野鳥や外敵との接触がないように十分な注意を払うことが大前提です。
特に今年の冬は例年以上に 世界的にも鳥インフルエンザがヤバいことになっています。

インコを外に出せないとなると、どうしても日光浴不足になります。
そんな時には鳥用uvライトの利用を日光浴代わりにするのがおすすめです。

子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人で、これは鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)に役立つ情報や体験談を集めたコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新します。