オカメインコの餌のおすすめ!栄養バランスと楽しみの両立メニュー案
オカメインコは穀食性の粗食を基本とする鳥種ですが、野鳥と飼い鳥では食べている餌の質が大きく違います。
餌の種類やバリエーションを考えるとむしろ野鳥の方がおいしいものを食べている可能性が高いので、意識してそれに近づけていこうとする考え方が、この記事のコンセプトです。
シードの問題点 乾燥シードと活きているシードを両方提供する。
市販のシードは飼い鳥は寝ているか死んでいるタネを食べていることがほとんど。
「生きているタネ」(飼い主が発芽種子にして与えているもの)を日常的に食べている飼い鳥は少ないです。
野菜の問題点 1日の食餌量の1/4を目安に野菜を与える。
野菜はヒトの食生活でも不足がちですが、インコにもあまりたくさん提供されていないようです。
それは飼い主が何の野菜をインコに与えたらいいかわからないことももちろんですが、飼い主が野菜の味を幼鳥の頃から教えてあげる機会を設けない(食わず嫌いになる)ことも原因のひとつです。
特に食に対して保守的な傾向が高い成鳥のオカメインコは、新しい食べ物には近寄らないことが多いです。
それを見た飼い主が「うちの鳥は野菜嫌いだ」と決めつけて、インコの食卓に野菜が出なくなる…といった悪循環が少なくありません。
ペレットの問題点 食事内容をペレット100%にしない。
栄養学的に見たら、総合栄養食(つまりそれだけを食べていれば他に副食やサプリメントを必須にしない餌)であるペレットを食べていれば一応は栄養失調にはなりません。
反対にシード食だと確実に栄養失調に陥り病気になることが医学的にはっきりしていることから、獣医は予防の観点でペレットをすすめますし、健康維持にはそれが正解と思われます。
とはいえ、シード食の方がペレット食のインコより元気に長生きした…という愛鳥家が意外と少なくない事実もあります。
食べる楽しみと生きる張り合いはリンクしているのではないかと思います。
オカメインコに食べる楽しみを与える食餌のバランス5つのパターン
食にバリエーションを持たせることができたら、鳥たちももっと毎日が楽しくなるかもしれません。
オカメインコに食べる楽しみを与えるためには、私はこの食餌バランス が理想形だと私は思っています。
シード25%…少なくとも10種類以上のミックスシードにする
うちのシードは アワ・ヒエ・キビ・カナリーシードの4種混合を基本にしています。
これだけでは味気ないので、オーツ麦やオーチャードグラスをベースにその他の漢方系・ハーブ系の副食、スーパーフード系の副食を混ぜたものと、うちで食べた鶏卵の殻を砕いたものを、4種混合にミックスしています。
家庭で消費する卵の殻だけでは とうてい30羽以上のオカメインコには全然足りなくて、カルシウム源は卵の殻とカトルボーンとを交互に与えています。
まあ、こういうものは鳥自身が必要と思わなければ、それほど食べるものではないですが。
以前はボレー粉も与えていたのですが、最近は専らカトルボーンか卵の殻に決めています。
基本の4種混合にプラスするミックスシードは CAP!楽天市場店で その時に入手できるものを気分次第で選んでいます。
オーチャードグラス オーツ麦 テフ フォニオパディ 赤唐辛子 陳皮(みかんピール)デリチャ チアシード エゴマ ニガーシード パギマグリーン クコ アマニシード ハト麦 大麦 小麦 ライ麦 その他もろもろ、少なくとも12種以上のシードミックスにすることは決めています。
でも、バードチョップやペレットに含まれている内容物が重複することもあるので、なるべく同じものが被らないように工夫します。
たとえば、亜麻仁やチアシードはバードチョップに入れることが多いので乾燥シードの中には入れることが少ないとか、必要性を感じている乾燥ハーブはいつも使っているトップスペレットに入っているから、あえてハーブミックスをたくさん加える必要はないとか。
野生のオカメインコは29種類もの種子類を食べているとの調査結果があり、ここに挙げたシード類だけではそれにはまったく及びませんが、手に入るものをいろいろ入れています。
ペレット25%…何気に定まった嗜好性の決め手は硬さと食感だった
現在我が家ではトップスペレットを与えていますが、トップスかハリソンかラウディブッシュをローテーションで使ってます。
これまでにいろいろなメーカーのペレットをひととおり試してきたのですが、うちの子は固いペレットを好まない子が多数派だとわかってきました。
それでどうしてもやわらかめやホロホロ系の食感のペレットばかり選ぶことになるのですが、これら3メーカーのペレットはまさにそんな感じなので、好んで食べてくれてるようです。
ド定番のハリソンはオーガニックと嗜好性の高さがすごい
ハリソンはオーガニックなので安心して与えられますし、味がおいしいらしくて万人(鳥)向けという感じがします。

ラウディブッシュは療養食とシニア用ペレットがあるから安心
ラウディブッシュはオーガニックではないですが、病気をしたときの療養食ペレットはラウディブッシュ一択なので、これを食べられることは飼い主的に安心感が持てるのがメリットです。
あと、ラウディブッシュには高齢鳥用ペレットがあることも選んだポイントのひとつです。
老鳥用を謳っているものは少ないですし、オカメインコは20年以上長生きする子が多いですから。
トップスはオーガニック×アンチエイジングの最高峰だと思う

つまりビタミン・ミネラルなどの栄養剤を添加してないので、本来はネクトンSとかのマルチビタミン剤が必要という、ちょっと毛色が違うペレットなのです。
ハリソンはトウモロコシやヒマワリやミレットが主体なのでわりと万人向けに好まれる感じですが、トップスはアルファルファが主体なので 一般的には好みが分かれるペレットです。
トップスペレットには大豆やトウモロコシが使われておらず、かなり青臭い(ハーブの香り)のですが、うちのオカメインコたちは嫌がらずに最初からポリポリ食べてました。
私がトップスペレットを選んだのは、いろいろなハーブが含まれていて抗酸化作用が高いのも理由のひとつです。
トップスは低温圧縮で作られるペレット製法を採用しているため、栄養価の損失が少なくて「生」に近いオーガニックペレットであり、砂糖・ショ糖が使われていないことも 他のペレットと比べてポイントが高いです。
上述の通りトップスペレットだけを与える場合はネクトンSなどの鳥用マルチビタミン剤を与える必要がありますが、他のペレットと併用する場合はトップスを3割以下にすればマルチビタミンは必要ありません。
トップスは私の中のペレットの概念を変えさせたな…と思うんですが、それは「ペレットを与えている」よりも「ハーブを食べさせている」と感覚に近いからです。
最近はインコ用のドライハーブがたくさん販売されていて もちろん喜んで食べる鳥もいるでしょうけど、うちの鳥は食べません。
だから鳥に有効なハーブが確実に口に入るトップスペレットはとても重宝しています。
野菜と果物25%…濃い緑とオレンジ色を中心にカラフルを目指す
野菜 オカメインコに必要なのは、ビタミンA(βカロテン)を豊富に供給できる緑黄色野菜です。
緑が濃いものやオレンジ色・黄色が強いものがおすすめで、カラフルに3種類以上の野菜が揃えられたら理想的です。
野菜をあまり好んで食べない鳥には菜さしを使わずに、上から野菜を吊るす形で提供する方が、インコが喜んで食べたりつついたりするケースがあります。
また、チョップサラダ風に数種類の野菜を刻んで与える時に、お気に入りのシードやおやつをトッピングすると、それにつられて野菜まで食べ始めることがあります。
これらの工夫が活きることもありますので、野菜を食べないインコには試しに一度やってみてください。
ここにはホウレンソウも挙げていますが、鳥はシュウ酸を食べてもわりとすぐに排出することや、シュウ酸結石の原因にはなり得ないこともあるので、大量に与えない限り目くじらを立てて神経質になる必要はないです。
キャベツやブロッコリーなどアブラナ科の野菜のゴイトロゲンも、一度に大量に与えたり、連日与え続けることがなければ、問題ありません。
果物 オカメインコに果物は、ほんの少量をたまにお楽しみで与える程度がいいです。
穀食性の鳥の消化管は果糖に慣れていないので、腸内細菌叢が乱れたり下痢をしますのでほどほどに。

果物代わりのおやつ
うちでは生の果物をあげることはあまりないのですが、おやつとして与えているラフィーバのニュートリベリーにプラムやクランベリー、デーツなどのドライフルーツが入ってるので、これが生の果物の代用です。
うちのオカメインコたちは全員がシニア世代なので、おやつもシニア用をチョイス。
シニアバード・ニュートリベリーは飼い鳥の健康な老後をサポートするための、バランスが良く、低カロリーで科学的に栄養強化されたフードです。
抗炎症と抗関節炎のためにオオアザミ、丈夫な骨と肝機能向上のためにタンポポをプラス。アキレス腱炎を抑え、コレステロールと血圧を下げ、血栓の予防を助けるために強力な抗炎症効果のある生姜、変形性関節症に有効であるグルコサミン、関節痛や関節の腫れを抑えるコンドロイチンも入っています。
繊維、ビタミンA、C、K、カリウム、フッ化物、ベータカロチンを豊富に含むプラムが入っています。体内から有害物質を排出して免疫組織を強化してくれる抗酸化物質はクランベリーに沢山含まれています。デイツは高鉄分フルーツで抗感染、抗炎症、抗出血作用があるタンニンが入っています。
via:ラフィーバー シニアバード ニュートリベリー
脂質5%…オメガ3を含むもっともすぐれた脂質のみ
主に亜麻仁(フラックスシード)とチアシードを1日の食餌量の5%程度与えています。
穀類・擬穀類・豆20%…発芽シードは絶対!いろいろなバリエーションを少しずつ
豆のスプラウトでオウムにおすすめなのは 緑豆 小豆 ひよこ豆 とされていて、これ以外の豆は十分浸して調理する必要があるとする文献もあります(via:What the flock do I feed my parrot?)
The safest beans to be offered raw(sprouted or soaked )are mung and adzuki beans.
生(スプラウトや浸漬)で提供するもっとも安全な豆は緑豆と小豆です。
via:Go raw!
これ を読んでから、私は緑豆と小豆以外の豆スプラウトは一度加熱したものを与えています。
発芽シードは休眠中か仮死状態にあるシードを目覚めさせたり命を吹き込んだりして「生きた餌」として鳥に与える高栄養食品です。
種子がそれぞれ蓄えているデンプン・タンパク質・脂質は植物の種類によって異なりますが、それらが発芽の過程で分解され、新たな栄養素に生まれ変わって植物の生長を促進します。
それだけ爆発的なエネルギーが弾けている「その時」をピンポイントで狙い撃ちして食べられるので、発芽シードはまさしく栄養爆弾と呼ぶにふさわしい優秀な餌です。

スプラウトにすることでタネが自己防衛のために備えている反栄養素が取り除かれます。
さらに発芽の過程で生み出されるビタミン・ミネラル・アミノ酸などのエッセンスを、ダイレクトかつ効率的にオカメインコに与えることができます。
我が家のオカメインコは全員が狂喜乱舞するほど発芽シードが大好きなので、かなりおいしいのだと思います。
準備するのに時間と手間かかりますが、これほどの栄養の宝庫をインコに与えないのは本当にもったいない!
手軽に手に入る人工サプリメントよりも生きたサプリメントの方が超絶おすすめです。
