オカメインコの飼い主の寄稿です
これは一刻を争う状況下で動物病院に駆け込み、オカメインコの命を救ってもらった体験談です。
オカメインコが血だらけで出血が止まらない!血の気が引いた体験談
我が家には5羽のインコがいて、
朝夕2回の放鳥タイムがありますが、
それは朝の放鳥タイムに起こりました。
朝の放鳥時の大惨事!オカメインコの足から大出血が…
鳥のための6畳ほどの
部屋の雨戸を開け
「おはよう」と
インコたちに挨拶して
いつもの1日が始まります。
インコたちは朝食後には
皆思い思いの場所で
くつろいで過ごしますが
その日はオカメインコが
何やら大声をあげて
騒いでいます。
ふと振り返ると、
白い壁に一本の赤い線が
すーっと入っている光景が
目に飛び込んできました。
すぐにその一本の線が
血であることに気づき、
ぞくっとしました。
そのまま視線を上に巡らせると、
その先にはエアコンがあり
その上にオカメインコの吟ちゃんと、
ウロコインコのもんちゃんがいました。
血は吟ちゃんの足を
真っ赤に染めています。
血が出ている事を気にして
足をいじったり、
頭をかいたり、
何かと落ち着きがない
吟ちゃんの全身にも
血がついているのが
見えました。
卒倒しそうな心を抑えて、
私は吟ちゃんの方に
静かに近づいていきました。
ここで飛び立ってしまったら
さらに出血するので、
できるだけ驚かさないように、
そうっと脚立に乗って
吟ちゃんを手にのせました。
すると吟ちゃんの爪の間から
血がにじみ出ているのが
わかりました。
足の爪から血がぽたぽたと
3秒に1粒くらいのペースで
血の雫が生まれては伝って
下にしたたり落ちていました。
大急ぎでかかりつけの動物病院に駆けつけて…
私はすぐにかかりつけの
動物病院に電話しました。
朝は9時始まりの病院ですが、
8時20分でも電話に出てくれました。
「病院まで何分くらいですか?」
と受付の方に聞かれ、
10分か15分と答えると
「すぐに連れてきてください」と言われ、
私は急いで吟ちゃんを連れて
車に乗り込みました。
吟ちゃんの血は止まりません。
キャリーケージの中で暴れて
さらに血だらけになって、
はあはあと肩で息をしています。
信号ひとつひとつが
永遠であるかのような
錯覚に陥りながら、
ようやく動物病院へ
辿り着きました。
「血は止まりました?」
と受付の方の声に
「いいえ」と返事を返すと
「えっ!?」と驚かれ…。
それはそうですよね。
通常の出血は
こんなに長く続かないことを、
私は長い飼育経験から知っていました。
怪我に気づいてから
20分は出血し続けた吟ちゃん。
受付の方にキャリーを手渡すと、
すぐさまその女性は走り去って
病院に入っていきました。
血だらけの飼い主も待合で注目の的…
吟ちゃんの血を
服のあちこちに付けながら、
私は動物病院の待合室に入って
座りました。
待合には早い時間から
患畜を連れた方々がいて、
皆の視線が一斉に私に注がれ…

そりゃあ…これだけ血だらけの姿してたら びっくりするよね。
ここはエギソチックアニマルの
診療をする動物病院で
待合室を犬猫とエギソチックアニマルに
別々に設ける気配りのある病院です。
ここでは吟ちゃんの健康診断を
お願いしています。
先生が頑張りすぎて
体調を崩した逸話があり
「初見の急患はお断りせざるを得ない状況に…云々」
とHPに記載されている
人気の動物病院でした。
すごい出血量でもう少し遅かったらどうなっていたか…
待合室で待っていると、
突如吟ちゃんの
痛そうな叫び声が、
診察室から
聞こえてきました。
すると先生が
と笑顔で
診察室から
出てきました。
私は涙目になりながら、
先生のお話を伺いに
診察室に入りました。
爪の血管を縦に分断し出血面積が大きくなったことが大出血につながった【痛々しい画像あり】
何があったのか。
どうしてこのような
大出血になったのか。
そしてどのように
止血したのか。
先生は絵を書いて
教えてくれました。
吟ちゃんの大出血は、
隣にいたウロコインコが
オカメインコの足の爪を
噛んだのが原因のようでした。
吟ちゃんはウロコインコのもんちゃんに
よく頭をカキカキしてもらっています。
今朝もいつものように
2羽で一緒にいたのですが、
何かの拍子に
イラっとしたもんちゃんが
吟ちゃんの足に
噛みついたのだと
思われました。
吟ちゃんは無事に帰宅し安静に過ごし…何とか事なきを得た
しばらくの間は
吟ちゃんは餌を食べず、
ずっと籠の隅でうずくまり、
貧血による体調不良に
耐えるしかありませんでした。
ほとんど籠に
体をもたれかけていました。
全身羽毛に覆われているので
顔色はわかりませんが、
もし羽が生えていなかったら
体が真っ青なのではないか
…と思うほど
ぐったりしていました。
吟ちゃんのケージまわりの温度を
28~29℃に保ち、
常に様子を伺いながら、
安静にして過ごさせました。
…と聞いたことがあったので、
心配はしましたが
無理やり食べさせることはせずに、
静かに寝かせてやりました。
吟ちゃんは
3日目の朝あたりから、
呼びかけると反応して
ちまちまと餌をつつく姿を
見せるようになりました。
…とホッとした瞬間でした。
インコライフにかかりつけ動物病院と主治医は絶対に欠かせない存在
あれから早2年。
吟ちゃんは無事爪も生えて、
元気に飛び回って
毎日を楽しく過ごしています。
あの時に動物病院を
探すところから始めていたら
…と思うとぞっとします。
もしそうだったなら吟ちゃんは
お星さまになっていたのでは。
小さな命を守るための
一つの心がけとして、
かかりつけ医を
決めておくことは
大切です。
以下は
私が動物病院選びで
心がけたポイントです。
鳥の専門知識がある獣医を選ぶ
これは絶対必要です。
獣医の学校では、
鳥類の知識をほとんど
教育されないそうです。
実際に私がこれまでに
受診した病院の中には
鳥を診られない獣医が
結構いました。
インコの専門知識を持ち、
医療の実践を積まれている
お医者さんを探しましょう。
現在はインコ医療も
進歩しており、
開腹手術を行う病院が
増えてきましたから、
病院探しが以前に比べたら
格段に簡単になりました。
鳥用の医療設備のある動物病院を選ぶ
これも絶対必要です。
犬や猫の手術道具では
インコは手術出来ません。
インコ専用の
医療設備がなければ
いざとなった時の対応は
限られます。
特に大型インコの場合は
血液検査を1年に1回、
健康診断でやる病院が
いいと思います。
定期的に肝機能、
腎機能をチェックしておくことを
お薦めします。
数値を参考に
食事を調整できるので、
病気の重篤化を
未然に防ぐことが出来ます。
自宅から比較的近い場所にある動物病院を選ぶ
インコのお医者さんは少ないので
病院選びは大変だとは思いますが、
やはり病院は近くにあったほうが良いです。
我が家はその後に転居しましたが、
動物病院から15分以内を条件に
物件を探しました。
急患扱いはあるか?休日やセカンドオピニオンに対応する病院を選ぶ
一刻を争う場合に
対応してもらえるかを
事前に確認しておきましょう。
夜間受付可の動物病院を
調べておくことをおすすめします。
あらかじめ休みの時には
他の動物病院を紹介して
もらえるかどうかや、
セカンドオピニオンに
対応している病院も安心できます。
病気やけがに
平日も休日も
夜間も昼間もないので、
いざという時に
早急に対応してもらえる
動物病院をチェックして
おくことがとても大切です。