オカメインコが血だらけで出血が止まらない!動物病院に駆け込んだ話

オカメインコ

オカメインコの飼い主さんの寄稿です

小さな鳥に医療は必要なのだろうか…と考えている人は少なからずいるのではないでしょうか。

あの小さな体に注射を打つの?メスを入れるの?それだけで死んでしまうのではないか?

…など不安要素は考えればきりがありませんが、昨今の鳥類における医療技術は日進月歩。

さらに鳥類を含めたエキゾチックアニマルの専門医も増えてきているので、大きなトラブルに見舞われた愛鳥の命を救われた経験を持つ飼い主さんもたくさんいるでしょう。

私も一刻を争う状況下で動物病院に駆け込み、愛鳥の命を救ってもらう経験をした一人です。

オカメインコが血だらけで出血が止まらない!動物病院に駆け込んだ話

オカメインコが血だらけ

オカメインコ2羽、ウロコインコ、オオホンセイインコ、オオハナインコと大小さまざまの5羽のインコがいて、我が家の放鳥は、朝7時から9時、夕方17時から20時の合計5時間です。

朝の放鳥時の大惨事!オカメインコの足から大出血が…

オカメインコが血だらけ

鳥のための6畳ほどの部屋の雨戸を開け「おはよう」とインコたちに元気に挨拶して、1日が始まります。

野菜とフルーツが主食のオオハナインコは朝食をゆっくりこなし、他の4羽もいっしょに野菜やフルーツを食べています。

インコたちの食事がひととおり終わる頃に私の日課のテレビドラマが始まり、食後には皆思い思いの場所でくつろいで過ごします。

その日も私はいつも通りテレビを見ていたのですが、吟ちゃんのことが大好きなストーカーオカメのゆきちゃんが何やら大声をあげて騒いでいます。

どうしたんだろう?

ふと振り返ると、白い壁に一本の赤い線がすーっと入っている光景が目に飛び込んできました。

え?どういうこと??

その一本の線が血であることに気づき、ぞくっとしました。

そのまま視線を上に巡らせると、その先にはクーラーが。

そしてその上に吟ちゃんと、ウロコインコのもんちゃんがいました。

血は吟ちゃんの足を真っ赤に染めていて、血が出ている事を気にして足をいじったり、頭をかいたり。

何かと落ち着きがない吟ちゃんの全身に血がついているのが見えました。

口の中も血まみれだ…。口の中が切れたのだろうか?

卒倒しそうな心を抑えて、私は吟ちゃんの方に静かに近づいていきました。

ここで飛び立ってしまわれたらさらに出血するので、吟ちゃんを驚かさないように、そおっと脚立に乗って 吟ちゃんを手にのせました。

吟ちゃんの爪の間から血がにじみ出ていました。

血がぽたぽたと…吟ちゃんの足の爪から 3秒に1粒くらいのペースで 血の雫が生まれては伝ってしたたり落ちていました。

大急ぎでかかりつけの動物病院に駆けつけて…

オカメインコが血だらけ

私は吟ちゃんのかかりつけの動物病院に電話しました。

朝は9時始まりの病院ですが、8時20分でも電話に出てくれました。

「病院まで何分くらいですか?」と受付の方に聞かれ、10分か15分と答えると「すぐに連れてきてください」と言われ、そのまま家を娘に任せて 私は吟ちゃんと車に乗り込みました。

吟ちゃんの血は止まりません。

キャリーケージの中で暴れてさらに血だらけになって、はあはあと肩で息をしている吟ちゃん。

どうしよう…。でもどうしようもない。とにかく早く先生に診てもらおう。

獣医さんが神様みたいに思えました。

信号ひとつひとつが永遠であるかのような錯覚に陥りながら、ようやく動物病院へ辿り着きました。

「血は止まりました?」と受付の方の声に「いいえ」と返事を返すと「えっ!?」と驚かれ…。

それはそうですよね。

通常の出血はこんなに長く続けないことを、私は長い飼育経験から知っていました。

出血後20分は出血し続けた吟ちゃん。

ダメかもしれない…なんて、ちょっとでも思ったらおしまいだ!

受付の方に吟ちゃんのキャリーを手渡すと、すぐさまその女性は走り去って病院に入っていきました。

血だらけの飼い主も待合で注目の的…

オカメインコが血だらけ

吟ちゃんの血を服のあちこちに付けながら、私は動物病院の待合室に入って座りました。

早い時間から患畜を連れた方々がいて、明らかに皆の視線が私に注がれました。

オカメインコが血だらけ

そりゃあこれだけ血だらけの姿してたら 怖いわなぁ。

この動物病院は、先生がエギソチックアニマル(小動物)の専門知識を持つ方で、待合室も犬猫とエギソチックアニマルを別々に設ける気配りのある病院です。

私はこの先生を気に入っていて、吟ちゃんも含め、5羽中4羽のインコが既にこの病院にお世話になっています。

最初は吟ちゃんストーカーである白オカメのゆきちゃんがオカメパニックになった時にお世話になりました。

吟ちゃんに関しては「少し体が弱いな」と感じていたこともあって、健康診断をお願いしていました。

先生が頑張りすぎて体調を崩した逸話もあり「初見の急患はお断りせざるを得ない状況に…云々」とホームページに書いてあるほどの人気の動物病院でした。




すごい出血量でもう少し遅かったらどうなっていたか…

オカメインコが血だらけ

待合室で待っていると、突如吟ちゃんの痛そうな叫び声が、診察室から聞こえました。

ああ…吟ちゃん大丈夫だろうか。

すると先生が

吟ちゃんの出血、止まりましたよ!

と笑顔で診察室から出てきました。

いやあ、すごい出血でした。もう少し遅かったらどうなっていたか。ラッキーでした!よかったですね!!

私は涙目になりながら、先生のお話を伺いに 診察室に入りました。

爪の血管を縦に分断し出血面積が大きくなったことが大出血につながった【痛々しい画像あり】

オカメインコが血だらけ

何があったのか。どうしてこのような大出血になったのか。そしてどのように止血したのか。

先生は絵を書いて教えてくれました。

吟ちゃんの大出血は、隣にいたウロコインコのもんちゃんが吟ちゃんの足の爪を噛んだのが原因のようでした。

吟ちゃんはもんちゃんによく頭をカキカキしてもらっているので その時にも2羽で一緒にいたのですが、何かの拍子にイラっとしたもんちゃんが吟ちゃんの足の爪に噛みついたのだと思われました。

ウロコインコのクチバシがオカメインコの足の爪を縦に割いたため、血管を縦に分断し出血面積が大きくなり大出血になりました。それを止血するために今度は爪の根本付近を横にハサミで切り、そこに止血パウダーを塗って止血しました。

吟ちゃんは無事に帰宅し安静に過ごし…何とか事なきを得た

オカメインコが血だらけ

無事止血できたとはいえ、体重90グラムの吟ちゃんの耐えられる出血量であったかどうか。

しばらくの間は餌を食べず、ずっと籠の隅でうずくまり、吟ちゃんは貧血による体調不良に耐えているしかありませんでした。

ほとんど籠に体をもたれかけていました。

全身羽毛に覆われていてわかりませんが、もし羽が生えていなかったら体が真っ青なのではないか…と思いました。

吟ちゃんの籠を28度に保ち、常に様子を伺いながら、安静にして過ごさせました。

鳥は餌を摂ることや消化させることにも体力を奪うと判断すると、何も食べずに回復を待つ。

…と聞いたことがあったので、心配はしましたが 無理やり食べさせることはせずに、静かに寝かせてやりました。

吟ちゃんは3日目の朝あたりから、呼びかけると籠から出てきて、ちまちまと餌をつつく姿を見せるようになりました。

ああよかった。これで助かった。

…とホッとした瞬間でした。




インコライフにかかりつけ動物病院と主治医は絶対に欠かせない存在

オカメインコが血だらけ

あれから早2年。吟ちゃんは無事爪も生えて、元気に飛び回って過ごしています。

あの時、動物病院を探すところから始めていたら…と思うとぞっとします。

多分吟ちゃんはお星さまになっていたことでしょう。

小さな命を守るための一つの心がけとして、かかりつけの医者を決めておくことを 私はお薦めします。

以下は私が動物病院選びについて心がけたポイントです。

鳥の専門知識がある獣医を選ぶ

オカメインコが血だらけ

これは絶対必要です。獣医の学校では、鳥類の知識をほとんど教育されないそうです。

実際に私がこれまでに受診した中には 鳥を診られない医者が結構いました。

愛鳥のためにインコの専門知識を持ち、医療の実践を積まれているお医者さんを探しましょう。

現在はインコ医療も進歩しており、開腹手術を行う病院も増えてきました。

鳥用の医療設備のある動物病院を選ぶ

オカメインコが血だらけ

これも絶対必要です。犬や猫の手術道具ではインコは手術出来ません。

インコ専用の医療設備がなければ いざとなった時の対応は限られます。

特に大型インコの場合は 血液検査を1年に1回、健康診断として採血してくれる病院がいいと思います。

定期的に肝機能、腎機能をチェックしておくことをお薦めします。

数値を参考に食事を変えることが出来るので、病気を未然に防ぐことが出来ます。

自宅から比較的近い場所にある動物病院を選ぶ

オカメインコが血だらけ

インコのお医者さんは少ないので病院選びは大変だとは思いますが、やはり病院は近くにあったほうが良いと思います。

我が家はその後に転居しましたが、動物病院から15分以内を条件に物件を探しました。

急患扱いはあるか?休日やセカンドオピニオンに対応する病院を選ぶ

オカメインコが血だらけ

一刻を争う場合に対応してもらえるかを事前に確認しておきましょう。

夜間受付可の動物病院を調べておくことをおすすめします。

あらかじめ休みの時には他の動物病院を紹介してもらえるかどうかや、セカンドオピニオンに対応している病院も安心できます。

病気やけがに平日も休日も夜間も昼間もないので、いざという時に早急に対応してもらえる動物病院をチェックしておくことがとても大切です。