60代女性の寄稿 私は未婚の一人暮らしの女性です。一人っ子できょうだいもおらず、一応身寄りはいますが、皆高齢で年々親族が減っていく一方です
…と考えた2023年のエピソードです。
おひとりさまの終活は死後事務委任が理想的なのだけれど…
生前整理は自分の手でできますが、死後事務処理は生きている誰かに依頼することになります。
家族がいない、兄弟もいない、身寄りがない場合は 死後の後始末をしてくれる誰かに頼まなければなりませんが、未婚おひとりさまの私には「それではいったい誰に頼んだら…?」問題が最後まで残ります。
ある日、夫婦二人暮らしの叔父のところに遊びに行く機会がありました。そこでたまたま終活関係の話が出たのです。
叔父は89歳で奥さんは75歳。叔父夫婦は遅い結婚をしていたので子供おらず、夫婦2人きりなので「どちらかに万一があった時にどうするか」が常日頃から話題になっていたようでした。叔父が言うには、
…と奥さんも言っていました。
2人とも高齢ですから、何かあっても一人では動けませんし、私達 姪や甥でさえ、すぐに動ける年ではなくなってきている現実があります。
さらに突っ込んで話を聞いたところ、夫婦共すでに老人施設に入っている叔父の妹(叔母)が、その弁護士を紹介してくれたとのこと。
叔母自身もその弁護士に死後事務委任をしているので「何かあっても問題ない」と言っていたそうです。

こりゃ相当かかったんだろうな。
そんな情報を手に入れたものの「じゃあ、私にもその弁護士を紹介して」とは言いませんでした。実は私には、その叔母から過去に迷惑をかけられたことへのしこりがまだ残っていたのです。
それに叔母自身は裕福な人なので、利用した弁護士費用も相当高かっただろうな…と推測できました。庶民の私に仕事を依頼できるような相手ではないだろう…と想像できましたしね。
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おひとりさまが終活協議会で終活のやり方を調べてみた
お金に関して不安だらけの私には、弁護士のような専門家に相談するのもためらわれました。ですがそこで止まってしまっては、先に進めません。幸い今はインターネットで情報はいくらでも検索できる時代です。
現代は終活ブームで、終活自体が世の中で大きく話題になっており、一般社団法人に「終活協議会」なる団体まであることを知りました。
まずはそこで情報を仕入れることにしたのですが、終活の方法としては「おひとりさま終活セミナー」のような終活イベントに参加するとか、相談センターに行ってみるとか、弁護士や司法書士に依頼するのがおすすめ…とありました。
相続に関する相談先一覧…司法書士・弁護士・税理士・行政書士
遺言状の相談先一覧…弁護士・行政書士・司法書士
不動産に関する相談先…弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー・不動産会社
お墓に関する相談先…菩提寺・霊園
おひとりさまの終活費用!弁護士から200万円以上かかると言われて
遺される人にとっては、故人自身が死後事務処理を専門家に依頼しておくことが最も喜ばれる方法です。最後まで間違いなくきちんと整理してくれるでしょう。
私はいくつかの弁護士事務所や司法書士に、電話でおひとりさまの終活のアウトラインを聞いてみたのですが、遺言書作成なども交えて死後事務まですべて扱う場合には、ほとんどがトータルで200万円以上の費用がかかると言われました。
死後事務委任の流れ
「これは自分には無理だわ」…が私の最初の感想でした。いくら周囲に迷惑をかけないように!と思っても、
相談した中のある弁護士事務所はかなり勧誘が激しくて、
…などとしつこく言われ、私の中で終活に対する気持ちが一気に萎えてしまいました。
とはいえ 何もせずに今まで通りにしておくわけにもいかないので、順番が逆になりましたが、無料相談できる終活相談会(終活相談センター)を利用してみることにしました。
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おひとりさまの終活サービスは終活相談会の費用無料窓口がおすすめ
自治体で開催された終活相談会では、現状や資産などを聞いた上で「それならこうした人に相談を」といったアドバイスを受けることが出来ました。
…と担当の方にちょっと笑われてしまいました。
終活相談会の窓口なら、金銭的にも限界のある相談者にも、それぞれに見合った終活の方法を教えてくれます。
こちらの疑問にもサクサク答えてくれますし、無料相談のメリットである「お金が絡まない」ことから 妙な誘導とか勧誘もなしというのもありがたかったです。
おひとりさまは終活支援サービスの有無を自治体で調べてみよう
一人暮らしの高齢者のための安否確認の緊急通報システムなどは、ずいぶん前から運用している自治体がありますが、最近はおひとりさまをターゲットにした終活支援サービスが登場しているところもあります。
葬儀を含めた死後事務関係をサポートしてくれたり、生前契約できる葬儀社を紹介したり、利用者が亡くなった時に契約通りの葬儀が行われるように手配したり、自治体が介入できる範囲の代行業務です。
一例としては、神奈川県横須賀市の「わたしの終活登録」は市内在住の全市民を対象に、死後事務の円滑化支援を行っています。ここでは緊急連絡先やエンディングノートの保管場所、葬儀から納骨までの生前契約先などを登録しておけます。
ただ自治体の介入は「仲介」がメインなので、故人の希望通りの葬送が執り行われたかなどの監視役割を担うまでです。個人的にかゆいところに手が届くわけではありません。
確かに行政ができることには限界がありますが、それを知った上で、現在住んでいる自治体にどんなサービスがあるかを把握しておくことはとても大切です。
コスト面をカットできる行政サービスを使い倒し、それで足りない部分は民間業者のサービスを利用して補うのが「できるだけお金をかけないで行う」おひとりさまの終活方法として、もっとも現実的でしょう。