おひとりさまの老後の住まいと最期まで在宅で過ごす方法
おひとりさまの老後を考える時にまず問題になるのが「お金の管理」です。
年を重ねて体の自由が利きづらくなってくるとお金の管理も思うようにできなくなってきます。
要支援や要介護状態になると一人での外出が難しくなってくるので生活面での支障が増えてきますし、頭がしっかりしていて判断能力がある人でも、いろいろな手続きを自分一人でこなすのは困難です。
おひとりさまの財産管理は任意後見人選びが安心
そんな場合は、任意後見人との間に任意代理契約(生前事務委任契約)を結んでおくと安心です。
これは支援してくれる後見人を選んで任意代理契約を結び、自分に変わって必要な手続きを代行してもらうシステムです。
すでに任意後見人と契約しているなら、その後見人と任意代理契約を結んでもいいですし、別の人と契約しても大丈夫です。
任意後見人は複数でもいいのです。複数いる場合には各自の権限まで決めておきます。
任意代理契約は公正証書にすることが必須ではないですが、トラブらないためにはきちんと公証役場で契約書を作っておく方が安全です。
広告
おひとりさまの老後の住まい選び!身内に迷惑をかけたくない終の住処選び
引用元:おひとりさまの終活まるわかり読本
そんな場合、おひとりさまの終の住処として高齢者施設への入所を検討するのもひとつの方法です。
いろいろと条件を調べて、気に入った施設があったら見学に行くのがベストです。ネットの口コミも参考になりますが、現実問題として自分に合うか合わないかは人それぞれなので、可能なら施設の体験入居をしてみるのがいちばんいいです。
どうしても決められない場合は、地域包括支援センターに相談にのってもらうといいでしょう。
高齢者向け施設の種類
高齢者向け施設にはざっくり分けると公的施設と民間施設。
状態で分けると 自立できる人向けと要介護状態の人向け。さらにこれらの混合タイプがあります。
※上の表は2021年現在の情報です。
注意! 以下で挙げている施設について記載した入所条件は一般的な原則です。施設によって異なることがありますので あらかじめご了承ください。
経費老人ホーム(ケアハウス)…自立者が対象の公的高齢者施設
生活に不安が出始めたものの、家族からの支援が受けられない人がまだ自立状態にあるなら、経費老人ホーム(ケアハウス)という選択肢もあります。
費用は比較的安めですが、収入により利用料金に変動があるのが特徴です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)…自立者が対象の民間高齢者施設
自立者が対象となっていますが、要介護3までの人が入所できるところが多いようです。
つまり軽度の要介護者向けなのですが、介護サービスは提供せず、安否確認や相談などのサービスが提供されます。
健康型有料老人ホーム…自立者が対象の民間高齢者施設
バリアフリー施設にトレーニングルームなどの健康増進の設備が充実しています。
特別養護老人ホーム(特養)…要介護者が対象の公的高齢者施設
公的施設で要介護者向けなのが特別養護老人ホーム、通称「特養」です。
特養は要介護3以上の人が入所できる施設で、寝たきりのように自宅での日常生活が困難になった人が利用します。
特養は費用が安いので特に人気があり、待機者(入所待ち)が多いことでも知られますが、入所の緊急度が高い場合は優先的に入れてもらえます。
個室と相部屋があり、特養は看取りに対応しているところも多いです。
介護老人保健施設…要介護者が対象の公的高齢者施設
65歳以上の要介護1以上の人が入所できる施設です。
介護老人保健施設には医師や看護師が常駐しており、医療サービスが受けられ、在宅復帰ができるようにリハビリもやっていきます。
介護療養型医療施設…要介護者が対象の公的高齢者施設
介護療養型医療施設も65歳以上の要介護1以上の人が入所できますが、こちらは介護度が高めの人向けです。
医師や看護師によるケアが受けられます。
グループホーム…要介護者が対象の民間高齢者施設
民間の認知症患者向けの施設「グループホーム」は 認知症と診断された高齢者が対象です。
入所は要支援2からOKですが、長期入居は要介護1以上でないといけません。
ただし医療的なケアが必要になれはグループホームでは無理です。
介助を受ければある程度の自立した生活ができる認知症患者なら、グループホームに入所できます。
介護付き有料老人ホーム…要介護者が対象の民間高齢者施設
65歳以上の人が入所でき、食事や入浴などはもちろん 本格的な生活支援や介護などの広範なサービスを、入居者の状態に合わせて提供する施設です。
資産に余裕がある人にはおすすめの選択肢ですが、サービスはおおむね費用に比例しますので、金額だけで選ぶと後悔することもあると思います。
施設によりサービスと費用に幅があるため、事前にしっかりと調べる必要があります。
最期まで在宅は可能?自宅でずっと過ごすための3ステップ
今はおひとりさまでも、認知症になっていなければ 自宅で最期を迎えることが可能です。自宅で最期を迎える方法は「在宅医療」の利用です。
在宅医療なら住み慣れた我が家で療養できるので心の平安が保てますし

多くの人が「できれは最期まで在宅で過ごしたい!」と思っています。
団塊の世代が75歳以上になる2025年問題が目前ですが…
高齢者人口が爆発的に増えて医療費が追い付かない状況を見据えて、国が病院から在宅医療への流れを推進する方向で動いていて、そんな現状を踏まえると、近い将来「在宅で看取る」が一般的になると考えられます。
年々、在宅医療のニーズの高まりから介護保険システムもどんどん改正されつつあるご時世。自宅で最期を迎える覚悟を持っているなら「最期まで在宅で過ごせる」可能性は高いです。
では最期まで在宅で過ごすにはどうしたらよいのか。
①信頼できるケアマネージャーを見つける
②在宅医を見つける
③ケアマネージャー+在宅医 ⇒在宅医療チームを作る
信頼できるケアマネージャーを見つける
病院医療から在宅医療に切り替えるタイミングは、一人で通院することができなくなったり、継続的な健康管理が必要になった場合などですが、いざそうなってから行動を起こすのでは遅すぎます。
在宅医療を希望するのであれば、出来るだけ早めの情報収集と事前準備が必要になってきます。そこでまず初めに取り掛かることは、信頼できるケアマネージャーをみつけること。
ケアマネは今後の介護のアドバイスやケアプランを考えるなど、必須かつ心強い味方になります。
ケアマネは地域包括支援センターや自治体の介護保険課、居宅介護支援事務所で探せますが、選ぶときのポイントは、看護師の資格を持っていて終末期の在宅医療に詳しい女性がベストです。
ただ、資格だけでケアマネを選ぶわけにはいきませんよね。
人と人との相性が重要ですから、現在のケアマネがあまり合わないと感じた場合は別の人に変えることもできますので、納得できるまで多方面を当たってみるのがいいと思います。
ケアマネとは一生のお付き合いになりますし、契約後でも無料で変更できますから、できる限り信頼できる人を見つける努力も必要です。
「ケアマネを変えたら悪いかも」なんて遠慮は要りません。そういうものだという暗黙の了解がありますから、大丈夫です。
在宅医を見つける
次に取り掛かることは、在宅ケアになりますから、訪問診療を担ってくれる在宅医を見つけることです。
かかりつけ医に尋ねたり、地域包括支援センターに問い合わせるなどすれば見つかるでしょう。
在宅医もケアマネと同様に「合わないかも」と思ったら変えてもらうことができます。
ケアマネージャー+在宅医 ⇒在宅医療チームを作る
とにかく在宅医療での最重要ポイントは「連携」です。
あなたが選んだケアマネと在宅医の2人が中心となって在宅医療チームを作り、あなたを支えてくれますから、信頼してお任せしましょう。
広告