お墓は持たない!長男が墓を継がないのを一時保留にした体験
30代女性 これは義実家でお墓問題について揉めたエピソードです。
当時の私は第二子を出産したばかり。主人は35歳、義母と義父は63歳。もめ事の発端は、私たちの第二子が亡くなってしまったことにあります。
赤ちゃんが生まれてきたのに亡くなってしまう誕生〇の辛い経験でした。
私の出産を知らない人も多かったため、私たち夫婦はこのことをあまり大事にしたくないという思いがありました。
そのためお葬式は火葬式のみにして、私たち夫婦とお互いの両親のみで、火葬場でそのままひっそりと式をやるつもりでした。
子どもの火葬式が義父の怒りに触れ 墓の建立問題で対立し…
火葬式のみの簡素さが、義父の怒りを買ってしまいました。
夫から義両親に「お葬式はごく最小限でやる」と話していたのですが「長男の子どもの葬式を火葬式だけだなんて、かわいそうだ!」…と義父が大激怒。
間に入って取りなしていた義母から説得され、子どものお葬式は葬儀会場を借りて親戚中が集まる家族葬に変わりました。
次に頭を悩ませたのが子どもの遺骨の問題です。
うちは転勤族なので、もともとお墓を建てること自体に私たちは難色を示していたのですが、その「墓を建てない」に対しても、義父は激怒しました。
どうしても納得してくれない義両親に、私たちは手元供養のことを伝えました。
私は未だに子どもの〇から立ち直ることは出来ていませんから、お墓に遺骨が入れられてしまうよりも手元で感じていたい気持ちも強かったのです。
さらに先手を打って、こう伝えました。
長男がお墓を継がない!でも今は歩み寄り策を提示しておいた
時が経ち 夫や私が亡くなる年代になったら、もしかしたら「みんなと一緒にお墓に入りたい」気持ちになるかもしれませんし、逆に今よりも「墓はいらない!」と考えているかもしれません。
現時点での本音は…私たち夫婦は共にお墓を持たない海洋散骨派。お墓を建立して、それを子どもに継がせるつもりなど毛頭ありません。
そう考えると ゆくゆくは義実家のお墓は墓じまい(改葬)になる可能性が高いです。

将来出す結論が現状では不確定なこともあり、今は義両親と私たち双方の意見を取り入れて「歩み寄るための解決策」を出しておくことがベストだと考えました。
お墓問題は長男には特に深刻な問題です。年代が違うと考え方自体が大きくかけ離れているため、互いに衝突することが多いですが、お墓をどうするかは継承した人が決めるべき問題でもあると思います。
話せるうちに本音で話し合って、お互いの折り合いを付けられたらいいのですが。
今は「お墓を作らない」が世界の潮流になっている!
皆さんは「お墓を継げるのは長男だけ」と思っていませんか。自分の子どもが娘しかいなくて結婚したら、無縁墓になると思っている人も多いです。自分の父親が次男や三男だから、入るお墓がない。こういった考えは、全部“思い込み”です。
人が死んで残すものは、二つあります。お金や家や車などの「相続財産」と、お墓などの「祭祀財産」です。お金や家などの相続財産は、子どもが3人いたら3人で平等に分けることになりますが、墓や仏壇、お墓などの祭祀財産は分けてはダメで、慣習に従って誰か一人が継ぐようにしてください、と書いてあります。民法の規定です。
日本の問題は、家族の墓を、子ども、孫、ひ孫……と代々継承していくという枠組みにしたことです。このため少子高齢化などの変化に対応できず、無縁墓が増えていきます。ドイツでは、人が死んだら遺体は国家に帰属するという法律があり、無縁墓という概念がありません。子孫がいなくなったら、遺骨は国家が管理します。台湾や韓国も少子高齢化が進んでいるので、墓は自治体で面倒を見る「墓の社会化」が起きています。日本は、家族にお墓を任せるという仕組みが破綻しかかっています。今後、どうしていったらいいのか考えていかなければなりません。
今、お墓を作らないのが世界の流れです。「墓石をどうするか」と言っているのは日本くらいです。墓は山を切り崩して作りますし、火葬はダイオキシンが出るので環境に悪いのです。英国の「ナチュラルデス」は墓石を作らず、土葬にします。参道も作らず、どこにお墓があるのか一見すると分かりにくいです。台湾でも、環境に悪いからと墓石を立てない方向に進んでいて、花の下に納骨するほか、海への散骨も広がっています。欧州では遺骨を残さない方向で、遺体をどうやってきれいに全部なくすのか、冷凍したり液を入れたり、さまざまな開発が進んでいます。20年、30年後に、今の形の石のお墓を維持しようとする国が世界の中で珍しくなってくるかもしれません。
via:reライフ.net