30代男性の寄稿 これは当時高校生だった私と友人の身に起きた恐怖体験です。
東京都青梅市には東京でも1、2を争う自〇の名所である奥多摩橋がありますが、そこは私の家から近く、最寄り駅までの通学路の途中に位置していました。
亡くなった人からのサインを受けた!?奥多摩橋での恐怖体験談
この橋については近所で様々な気味の悪い噂を聞いていましたが、私は特に何も経験したことがないので、通学中に怖いと感じることはありませんでした。
君は奥多摩橋を見たか…!
青梅市なのに奥多摩橋。個人的意見だけど、青梅奥多摩辺りで最も美しい橋だと思う。#奥多摩橋 #青梅 #アーチ橋 pic.twitter.com/wgYcHLAcev— かつてE2ringと呼ばれた者 (@e2ring2) April 28, 2021
下を覗き込むとクラッとする高さ。先日の多摩川。画像曲がってるけど、何だかお気に入り。( ・ิω・ิ) #多摩川 #奥多摩橋 #二俣尾 pic.twitter.com/XX9QU57mj2
— レイキ・ヒーラー (@attakaikimochi) August 8, 2020
ある雨の日に、私は下校中に地元駅で仲の良い友人と出会い、一緒に奥多摩橋を通る帰路に着きました。
時間帯は16:00くらいでまだ暗くはなく、友人が一緒でしたから 奥多摩橋を通る時も何とも感じていませんでした。
2人で橋の中央に差し掛かった時に、片隅に花束が添えられているのを見つけましたが、この橋ではそれは当たり前の光景ですから驚きはしませんでした。
しかし友人がその後に驚きの行動を取ったのです。
友人は添えられた花束に近づくと、その花束をわしづかみ、突然橋の下に投げ落としたのです。
そして橋の下に向かって唾を吐きました。
さらに彼は私に向かって強がった態度を見せました。
祖父が寺の住職だろうがなんだろうが、私は内心
と思っていましたが、黙ってそのまま橋を渡りきろうとしていました。
その時突然、怪音が私達を襲いました。
その音の発信源は、私がカバンにつけていた「ヘェ〜ボタン」というキーホルダーでした。
このキーホルダーは当時人気のテレビ番組だった「トリビアの泉」のグッズで ボタンを押すと「ヘェ〜」と鳴るものでした。
ふつうは「へぇ」と1~2秒くらい鳴る短いものですが、その時は橋を渡り終わっても1分以上鳴り続け、途中で「ヘェ〜」が「ベェッべ」のように雑音混じりの不気味な音もしていました。
その時に雨が降っていたので友人は
と言うので、私も「そうかもしれないな…」と思っていました。
その日は、そのヘェ~ボタンの怪音以外にはおかしなことは私の身には起きませんでしたが、翌朝 家族の驚く声で目が覚めました。
どうしたのかな?と様子を見に行くと 外はからっと晴れ上がっていて周囲は乾いているのに、なぜかうちの家の玄関前だけがびしょ濡れになっています。
「なに、これ?」と家族は不思議そうにしていましたが、私は昨日の一件があったので不安な思いに駆られました。
私に起きた怪異はこれだけでしたが、2日後に友人から電話がかかってきました。
「お前もか?」って・・・?
友人にそう言われて 私は背筋に冷たいものが走るのを感じました。
…と言われ、私は友人と待ち合わせして彼の祖父の家に行くことになり、すぐに友人の母親が運転する車が迎えに来てくれました。
お寺に向かう道中で、友人はあの日の夜に自分の身に起きたことを話してくれました。
友人宅では、誰もいないのに呼び鈴が鳴ったり、窓ガラスがガシガシ揺れたり、人影が外の窓を動くのを頻繁に目撃したりしていたそうです。
怪奇現象に困り果てた友人家族は 母方の祖父に視てもらうことになりました。
その祖父は寺の住職をしており、霊感が強い人ということでした。
私は直接お寺に行くとばかり思っていたのですが、私たちが実際に訪れた場所はお寺の横の祖父の自宅でした。
住職は怪異現象のことはすでに電話で聞いていたようです。
私たちが到着するや否や、住職は何も言わずにしばらくじっと孫(=友人)を凝視していましたが、しばらくしてこう言いました。
私達は言われるがままに車で待ってると助手席に住職が乗り込み、あの橋に向かって出発しました。
車内では誰も口を開かず静まり返り、緊張感に包まれていました。私は内心
…などと考えていると、住職が孫(友人)にぽつりとひと言たずねました。
友人はうつむいたまま黙っていました。
友人はうつむきながらぽつりと答えました。
すかさず友人の母親が聞き返してきたので、すべての事の経緯を母親にも祖父にも説明していない友人に気がつきました。
そしてこの住職の霊感の鋭さに気づきました。
友人の背後に憑いているものを住職は一瞥で見抜いていたのです。
友人はそれから事の経緯を話し始めました。
…とあの時の出来事を説明しました。
一連の説明を聞き終えると母親は怒り心頭な様子を見せましたが、それよりも声を荒げて怒ったのは住職である祖父でした。
橋についた一同は、車を降りてあの現場に行きました。
私と友人で途中で花屋で買った花を添え、友人と私は謝罪しました。
そのあと、住職はその場で読経を始めましたが、それにあわせるかのように友人の母親の様子がおかしくなり、突然涙を流し始め、繰り返し同じことを言い続けていました。
私と友人は母親の急変に驚いていましたが、祖父はそれに構わず読経を続けていました。
しばらくすると母親は静かになり、手を合わせて涙だけを流していました。
そこで祖父は読経をやめ、私たちに向かって
友人はコクリと頷きました。
それから祖父は自分の娘(友人母)に近づき、肩に手を添えてなだめていました。
そのときの私には友人の母親や住職が言っている言葉の意味がわかりませんでしたが、後日聞いた話では あの場所でお亡くなりになった方も母親だったそうです。
あの霊の思いが一時的に友人の母親の口を借りて出たものであり
…という意味合いだったということです。
謝罪以降、友人宅での怪異はぴたりとおさまりました。
私も運悪く怖い経験をしましたが、この体験を機に 亡くなった方に対する敬意を持つことの大切さに気づきましたから、いい人生勉強になったと感じています。