身元引受人がいないと入院できない?おひとりさまと身元保証人の話
身元保証人は雇用契約の時に
よく使われる用語ですから
親戚の子どもが就職する時に
身元保証人を頼まれた人も多いでしょう。
「身元保証に関する法律」によると
身元保証人とは本人の行為により
相手方が損害を受けた場合で
本人が損害賠償を出来ない場合に
賠償責任を負う人をさします。
身元引受人は法的用語ではありません。
身元引受人は医療機関の入退院や
老人ホームを入退所する時、
警察に捕まった被疑者を監督する場合に
「身柄を引き受ける責任を持つ人」
…という意味で使われていますが
実際には 身元引受人と身元保証人は
一緒くたに使われていることが多いです。
身元引受人がいないおひとりさまは入院できないのか?
現在は身元引受人がいないことを理由に
入院を拒否することは医師法に抵触する
…とされているので
そういった問題があれば
その医療機関には行政指導が入りますから
入院拒否されることは
昔に比べたら少なくなっているはずですが、
医療機関の9割以上が入院時に
患者の保証人を求めている事実に
変わりはありません。
緊急連絡先の確保…治療方針や医療行為をめぐる相談など。
逝去後の対応…遺体と遺品の引き取りなど。
債務の連帯保証…本人が入院費や損害賠償を払えない時に支払いを肩代わりするため。
身元引受人を頼まれたけど拒否したい…は可能か?
病気で入院する時や
施設に入居するほとんどの場合は
身元引受人が必要です。
入院・手術が必要になり、病院から
身元引受人が必要と言われて
困る人がいる一方で
身元引受人を頼まれることで
不安を感じる人もたくさんいます。
それは身元引受人を引き受けると
費用を本人が支払えない場合
本人に代わって身元引受人が支払いを
肩代わりしなければいけない可能性があるからです。
費用の支払いのみならず
身元引受人は入院・入所・退院・退所から
転院に至るまでの責任を負うため、
多くの病院や施設が
患者や入居者を受け入れるときに
身元引受人を求めます。
保証人になる場合、
そのほとんどは金銭的な債務が生じると
記載されているでしょう。
債務はリスク…デメリットです。
それだけの責任を負う覚悟が
あなたにあるのかどうか?
親族から頼まれると断るに断れず、
身元引受人になるケースが多いですが、
保証人を引き受けるか否か?は
あなたの意思で決定でOK
特に身内ともなるとしがらみがありますが、
保証人を受けるも断るも
あなたの自由意志で決められます。
おひとりさまが入院の身元引受人と保証人を「誰に頼むか」問題
保証人と違って身元引受人は
「家族やごく身近な親族の中から選んでください」
…と言われることが多いですが、
それは万一の場合の対応を引き受けるのが
身元引受人だからです。
身元引受人は友人に頼んでもいい?
それぞれの事情から、
身寄りに頼めないとか頼りたくない
…ということもあるでしょう。
そういう場合は身元引受人を
友人に頼んでも問題はありません。
ほとんどの病院は
「家族や親せきはいないですか?」
…と聞いてきますが、
「緊急連絡先」「身柄の引受」「債務の連帯保証」
を担ってくれる成人なら、
誰でも身元引受人になれます。
入院時の身元引受人と保証人の違い
身元引受人は条件が「成人」としていますが、
保証人は債務を保証する立場ですから、
支払い能力があることに加えて
患者とは別の生計を営む成人を
条件にしていることが多いです。
保証人は立てずに
身元引受人に入院費用の債務を
お願いする医療機関もあります。
私の親が入院した病院では
入院申込書に身元引受人と連帯保証人で
別々の欄が設けられており
それぞれ別生計を営む人を
引受人・保証人に立てることが
条件とされていました。
身元の保証と金銭の支払いを
2人に分けている所が多いようですが
保証人(引受人)を1人に絞っていたり
クレジットカードを登録すれば
連帯保証人を立てなくてもよい所もあります。
かかりつけの病院がどんな制度なのか
あらかじめ調べておくと安心でしょう。
入院の身元引受人と保証人は同一人物でもいい?
医療機関によって違いますので
一概には言えませんが
患者と身元引受人は
同一世帯でも別世帯でも
どちらでもOKだけど
保証人は身元引受人とは別人で
独立して生計を営んでおり
支払い能力のある成人に限る
…とする場合が多くあります。
ですがこれらはその方の現況や
公的機関等との交渉次第だと思います。
人生100年時代 おひとりさまでも困らない制度を利用する
最近のおひとりさま人口は
右肩上がり傾向ですが、
これは生涯独身者の増加だけでなく、
配偶者との死別や離別による
おひとりさまの増加も原因です。
夫が先立つケースが多いので、
妻がおひとりさまになることが多いですが
子供はいるけど離れて暮らしているから
一人暮らしを余儀なくされるケースも多く
誰もがみんなおひとりさま予備軍、
「明日は我が身」とも言えます。
ですが社会もそれに順応して
様々なサービスが登場していますから
心配しすぎなくて大丈夫です。
身近に相談できる人がいない場合は
まず社会福祉協議会や
地域包括支援センターに相談すれば
親身になって対応してくれます。
おひとりさまの身元保証サービス以外に
生前事務委任業務、任意後見業務
死後事務委任業務をプロに依頼するなど
終活の選択肢もたくさんあります。
人生100年時代。
これらの活用も視野に入れて
前向きに歩んでいきましょう。