特にセキセイインコに多く見られるメガバクテリアは、正式にはマクロラブダス症といいます。
セキセイインコ以外にも、コザクラインコやマメルリハ、他の鳥種でも感染します。
病院に新しい仲間が増えました!
左がつくしちゃん、右がみつばちゃんです。
斉藤先生の目利きでお迎えして、遺伝子検査はすべて陰性でした。しかしメガバクテリアは持っていたので治療中です。ペットショップでお迎えしたセキセイインコの雛のメガバクテリア陽性率は70%位です。 pic.twitter.com/vdeCBwsABD— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 23, 2022
メガバクテリアは早期発見・早期治療が予後を大きく左右するたいへん厄介な病気であり、慢性化させると完治は困難になってきます。
メガバクテリア・マクロラブダス症を手遅れ・重症化させない治療の話
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)は胃に寄生する真菌(カビ)で、糞便や餌の口移しから感染します。
口移しでは親鳥から雛鳥に感染するケースが最も多く、求愛行動などによっても感染します。
鳥を複数飼ってる場合は複数羽に感染してる可能性がありますので注意してください。
メガバクテリア症が進行すると嘔吐、未消化便、黒色便が主な症状になります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 11, 2022
メガバクテリア症は慢性胃炎に進行すると完治は困難
メガバクテリア症は早期発見・早期治療ができれば胃腸障害を防ぐことが出来ますが、慢性胃炎に進行してからの治療・完治は困難になります。
治療開始が遅れたり治療を途中でやめてしまうと症状が進行し、高確率で落鳥してしまう恐ろしい病気です。
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)の症状は様々です。
胃腸障害からは食欲不振、嘔吐、軟便・下痢、元気がなくなる、痩せるなどの症状が現れます。

初期段階であれば無症状の場合もありますので、鳥をお迎えしたら必ず病院で糞便検査をしてもらいましょう。
メガバクテリアに関しては検便をすることですが、感染していても必ず便中に菌が出るわけではありません。さらに検出精度を上げるには遺伝子検査になります。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 11, 2022
再検査でメガバクテリアが検出された場合の治療法
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)は糞便検査によって真菌が発見されたら投薬が必要です。
抗真菌薬を水に入れて1週間飲ませた後、再度糞便検査を行います。
内服を継続しながら、1週間毎に注射(6週以上継続)します。
最後の注射から1週間後に糞便検査を行いますが、そこで糞便に真菌が検出されなければ1ヶ月内服のみを継続。
その後、休薬して1ヶ月後に再度糞便検査を行いますが、ここで真菌が検出されなければ完治です。
もし真菌が検出された場合は、再び内服と注射を再開となります。
この一連の流れが、真菌が検出されなくなるまで継続して続けられます。
再検査でメガバクテリアが検出されなかった場合
1ヶ月内服を継続し、その後休薬して1ヶ月後に再度糞便検査⇒真菌が検出されなければ完治です。
もし真菌が検出された場合は、再び内服を再開し、場合によっては注射も必要となります。
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)の治療は長期戦覚悟で!
メガバクテリアがいなくなって完治したと思われても再発する可能性があります。
油断は禁物!1年に1度はインコの糞便検査を!
一年に一度は糞便検査をしてください。
メガバクテリアの治療は長期にわたります。
鳥さんのためにも途中で通院や投薬をやめたりしないで、根気強く治療してあげましょう。
メガバクテリアの治療が治療薬の投薬から注射に切り替えるのはどんな時?
投薬は体に負担が少ない分、効果もゆっくりで 効き目が強くはありません。
それゆえに投薬しても改善が見込めない場合もあり、そんな場合は注射を行います。
また、進行度がひどい場合や薬入りの水が飲めない場合にも注射になります。
注射の頻度は週に一度。
この期間は薬が効いてるため 糞便検査をしても真菌がまだ残っているか判断できません。
注射の回数は病院によって判断が異なりますが、最低3回という病院もあれば6回以上という病院もあります。
獣医の経験則や薬の種類、鳥の状態によって対応が異なりますので、納得いくまで獣医の説明をしっかり聞いてください。
メガバクテリアのインコのケアと予防で飼い主が注意すべきことは?
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)の症状が進行していると胃腸障害が起こるため、栄養がきちんと吸収できなくなることをしっかり認識しておく必要があります。
こちらはメガバクテリア治療歴のある5歳のセキセイインコのレントゲンです。上が1年2ヶ月前に感染が確認された時、下が現在です。発症時筋胃が拡張していましたが、完治した現在も筋胃は拡張したままです。鳥の胃は一度障害を受けると元に戻り難いです。症状がなくても定期的に検診を受けましょう。 pic.twitter.com/p8GdseJQwq
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 10, 2022
メガバクテリアのインコの食餌管理
エンバクやオーチャードグラスを主食にするのがお勧めです。エンバクを食べない場合は、ムキ餌をミルで砕いた物かフォニオパディのような小さいシードを使うこともできますが胃の負担はさほど取れません。どうしてもシードしか食べない場合はスプラウトにしたり、ムキ餌をお湯でふやかして与えます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 27, 2021
もしも自分で餌が食べられなくなったら強制給餌が必要
食べることすら出来ない状態の場合は強制給餌が必要となります。
強制給餌は一般の飼い主さんにはかなりハードルが高いです。
初めての方や慣れていない方、苦手な方は迷わず病院を頼ってください。
メガバクテリアにネクトンはNG(糖分フリーにする)
ネクトンS、BIOには、ブドウ糖が含まれていることをご存知ですか?ドイツではマクロラブダス症(メガバクテリア症)を患う鳥に、ブドウ糖を含むサプリを与えてはいけないとされています。間もなく、糖分を含まないドイツ製の総合ビタミン剤を販売します。
既に販売中のプライムも糖分フリーです。 https://t.co/w5NLDX5k6e— とりきち横丁🇩🇪11th❤Anniversary (@tyokochou) September 9, 2022
メガバクテリアの予防で飼い主が注意すべきことは?
このため気圧の乱高下で酔ってしまうのではないかと見ています。特に胃障害を持っている鳥は、吐き気が強くなり、食欲が低下します。低気圧や強風の時は、鳥たちの体調変化にも注意しましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 24, 2022
体調不良がメガバクテリアの薬の副作用かどうかの判断が難しいケースもある
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)の治療における副作用は必ず出るというものではありません。
薬の種類によって、また鳥の状態によって、出たり出なかったりします。
ただ、元々食欲不振など元気のない鳥の場合は それが本当に副作用なのかどうかの判断が難しいと思われます。
獣医からの説明をよく聞いて、気になる点があればすぐに問い合わせてください。
メガバクテリアは継続的な治療と経過観察が必要です。
投薬に関係なく急激に症状が変化することもありますので、毎日体重を測るなどして、様子をしっかりみることも大切です。
新しい鳥をお迎えしたら必ず病院でフン検査を受ける
メガバクテリアは糞便や餌の口移しなどで感染します。
ペットショップからお迎えするセキセイインコの7割がメガバクテリアを持っていると言われるほど多い病気ですから、初期症状がなくても感染している可能性は十分にあります。
最も多いのは親鳥からの垂直感染なので、新しい鳥をお迎えした時、特に雛鳥をお迎えした時は、必ず病院で糞便検査をしてもらいましょう。
メガバクテリア症(マクロラブダス感染症)は早期発見が最も大切で、それが早期治療につながり、回復も見込まれます。
同居鳥がいるならすべての鳥の検査が必要
感染鳥以外に同居鳥がいる場合は注意が必要です。
一羽に感染が確認された場合は、他の鳥に感染してないか全ての鳥を糞便検査してもらってください。
そして必ず感染鳥を隔離して、他の鳥に接触しないよう対策してください。
メガバクテリアの消毒は?感染鳥を触ったら消毒を徹底する!
感染鳥を触った後は必ず手指を消毒してから他の鳥を触るように注意が必要です。
突然ですが愛鳥家へオススメの消毒液はラビショットAです。ph調整でPBFDなどのノンエンベロープウイルスや、メガバクテリア等の真菌にもOK。数秒で乾燥して乾けば鳥に害もありません。次亜塩素酸水と違って濃度低下を気にする必要もなし 消毒液で迷ったらオススメです pic.twitter.com/OXvnxo8o6l
— とりっぴー -小鳥用品専門店- @仙台 (@bird_torippie) May 19, 2021
同居鳥に感染鳥がいる場合は、メガバクテリアが空気感染するわけではありませんので、さほど神経質になる必要は有りませんが、隔離し、接触を防ぎます。消毒剤としては研究データがありませんので不明ですが、 カビと考えるなら、塩素系(例えばキッチンハイターの100倍希釈)の消毒剤の使用が有効と考えられます。 感染鳥が接触した場所を、重点的にスプレーする事を薦めます。消毒剤が不明な病原体に対する最も大事な除菌方法は、洗い流す事です。中性洗剤で良く洗い流しましょう。
引用元:鳥と小動物の病院 リトル・バード
感染鳥が接触した場所・ケージなどはしっかり汚れを落とし、消毒しましょう。
そして消毒後は、消毒液が残らないようしっかり水洗いしてください。
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人です。
ここには鳥ブログあるあるな「うちの子自慢」や「かわいいでしょ♪アピール」はありません。鳥の飼育本を丸写ししただけの机上の空論解説や、繁殖した雛の販売目的の宣伝PRもありません。鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)が目的のコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新していきます。