これはセキセイインコの飼い主さんの寄稿です
こちらの記事の続きです

私の心配事のひとつだったレモンの食生活の悩みが無事解消されると共に、メガバクテリア症の投薬も進んでいきました。
疥癬が完治してセキセイインコの足踏みバタバタがやっと解消された
その後 動物病院は2週間に1度の通院になり、その度に糞検査をしてメガバクテリアがいないかをチェックしていましたが、真菌は完全に消滅していて 治療は順調そのもの。
レモンの体調も良かったことから、いよいよ疥癬症の治療をメガバクテリア治療と併行することになりました。
疥癬症の治療は一定間隔で合計3回 獣医師が直接投薬を行うというもので、私自身が何かすることはありませんでした。
また投薬を行っている時には私は待合室で待機するように言われていたので、奥から聞こえるレモンの「キー!キー!」という鳴き声にハラハラするのみでした。
疥癬症の治療の効果はすぐに発揮されて足のバタつきは次第に治まり、昼夜に繰り返される足踏みがまるで嘘だったかのように レモンは従来の落ち着きを取り戻したのです。
メガバクテリア症と疥癬症の併行治療は順調に進み、無事最後の通院日になりました。
長かった通院を終え、私は病院を後にしました。
レモンの足踏みに最初に気が付いたのは夏でしたが、全ての治療が終わる頃には 季節は秋へと移り変わっていました。
1回目のメガバクテリアと疥癬症の治療費は4万円!ここまで通算で5万円強を捻出
セカンドオピニオンで訪れた現在の動物病院で メガバクテリア症と疥癬症の治療にかかった費用は、全部で約4万円ほど。大きな出費となりました。
いつもの診察や糞検査、薬の処方にプラスして皮膚検査をした日は会計は特に高くなり、1回の支払いが1万円以上になることもありました。
この動物病院の前に通った病院では、誤診された上に治療の進展はゼロでしたが(誤診×通院3回)それでも13,000円もの治療費がかかっていましたから、ここまでで5万円以上の病院代を捻出したことになります。
セキセイインコの足踏みバタバタは病気のサイン?脚気と誤診された話【レモンの闘病記①】
犬や猫に比べると比較的安い金額で飼うことができるセキセイインコですが、病気になると治療費はバカになりません。
…と改めて感じました。
セキセイインコのメガバクテリアが治療後2ヶ月で再発し重症化した話
通院が終わってからは、私もレモンも穏やかな時を過ごしていました。
レモンは毎日元気いっぱいで、食生活も完全にペレット食へと切り替わり、栄養面の心配もなくなりました。
インコペレットを食べない鳥がお試し切り替えでハリソンを完食した話【レモンの闘病記④】
そんなこんなしているうちに、あっという間に最後の診察から2ヶ月の月日が過ぎていきました。
セキセイインコがぐったり…ケージ内が吐しゃ物まみれでぐちゃぐちゃに…
最後の診察から2ヶ月後は、ちょうどお正月明けのタイミングでした。

今日、レモンを連れて動物病院に行こう。
その朝、私はいつものようにレモンのケージのカバーを外してみると、信じられない光景が目に飛び込んできたのです。
ケージ内は嘔吐物が飛び散り、ぐちゃぐちゃ状態。レモンの口周りや頭にも嘔吐したものが付着していて、顔もぐちゃぐちゃ。そして肝心のレモンは、全く元気がありません。
なんとか止まり木の上にはいましたが、時折目を閉じて前後に体を揺らし、今にも落ちてしまいそうなほど不安定な状態です。
パニックになった私は、急いで支度をして動物病院へと向かいました。
もはや嫌な予感しか頭をよぎりません。

レモンがこのまま衰弱したらどうしよう…。一体なぜこんなことに?何が起こっているの?
レモンは重症なの!?
受付で事情を話すと、レモンはすぐに糞検査のために連れて行かれました。
この病院ではいつも順番を待っている間に糞検査をして、検査が終わるとすぐにレモンを私の元へ戻してくれていたのですが、今日はレモンは戻ってきません。
病院の受付の親切な対応に感謝しながらも、その言葉からはレモンの容態が重症であることが伺えました。
鳥類により症状が異なることがメガバクテリア症(マクロラブダス症)の特徴です。セキセイインコ、オカメインコ、カナリア、キンカチョウ、マメリルリハインコは感受性が強く、生死にかかわる状態になり訪れることもあります。ボタンインコ、小桜インコ、文鳥は重症な症状は出さない場合が多いです。
引用元:オダガワ動物病院
「メガバクテリア、再発です」
待つこと約30分。あの日はいつもより待ち時間が長く感じたのを覚えています。
呼ばれて診察室に入ると、レモンの糞検査の結果がモニターに映し出されており、獣医はきっぱりとこう言いました。
この時の私の感情は、とてもじゃないけれど簡単に言葉にできるものではありませんでした。

たったの2ヶ月でのメガバクテリアが再発って…!?完治したんだよね、あの時!どういうこと!?
頭の中が混乱し、いろんな思いが錯綜し、私はその事実をすぐに受け入れることができませんでした。
メガバクテリア再発で投薬と注射の治療が始まって

なんで?どうして?何が悪かったの?
ショックのあまり 私はひたすら頭の中で自問自答を繰り返していました。
絞りだした言葉が微かに震えているのが自分でも分かりました。
獣医師は優しく言いました。
病院に新しい仲間が増えました!
左がつくしちゃん、右がみつばちゃんです。
斉藤先生の目利きでお迎えして、遺伝子検査はすべて陰性でした。しかしメガバクテリアは持っていたので治療中です。ペットショップでお迎えしたセキセイインコの雛のメガバクテリア陽性率は70%位です。 pic.twitter.com/vdeCBwsABD— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 23, 2022
レモンを購入したペットショップは繁殖なども行っている鳥専門の老舗ですが、確かに生後2ヶ月のレモンはたくさんのセキセイインコと一緒のケージに入っていました。
感染源はどうであれ、たった2ヶ月でのメガバクテリアの再発はレモン自身の体質にも関係しているようでした。
まさかこんなことになるなんて、2ヶ月前は想像もしていませんでした。
2か月前のレモンには嘔吐・食欲不振・下痢・口パクパクといったメガバクテリアの初期症状が何ひとつなく、まったくの無症状で感染が判明して 投薬治療していたのです。
メガバクテリア症の恐ろしさは色々な情報を通じてなんとなく分かっていたものの、無症状からの治療を行っていたことで 私自身がメガバクを甘くみていた部分があったのだと思います。

どうか元気になって…
弱りきったレモンを家に連れて帰った私は ひたすら祈り続けることしかできませんでした。
セキセイインコのメガバクテリアと疥癬の治療費で11万円かかった話【レモンの闘病記⑥】
メガバクテリアは薬用量や投薬期間が不足すると再発しやすいです。最近鳥の病院にて治療したにも関わらず再発する症例が増えています。1週間の内服でメガバクが消えない場合、通院で注射のみの治療するやり方では再発率が高くなります。また薬剤耐性と考えられる難治性のメガバクも存在するので、投薬で消えなかったり、再発を繰り返す場合には、セカンドオピニオンを検討してください。胃の障害が大きいと後遺症で慢性胃炎やセキセイインコでは胃腫瘍に発展することがあるので要注意です。若鳥に多い感染症なので、お迎えしたら早めに健康診断を受けましょう。
引用元:海老沢和荘@kazuebisawa
子どもの頃に実家にいたオカメインコとの出会いからすでに40年超。未だ彼らへの愛と興味が尽きず「オカメインコ愛好家」の立ち位置から情報発信するyamaki がこのブログの中の人です。
ここには鳥ブログあるあるな「うちの子自慢」や「かわいいでしょ♪アピール」はありません。鳥の飼育本を丸写ししただけの机上の空論解説や、繁殖した雛の販売目的の宣伝PRもありません。鳥と飼い主のQOL向上(健康に楽しく)が目的のコンパニオンバードブログです。
フィンチとインコでは飼育に異なる点がありますが 小型~中型インコには共通項が多いことから、オカメインコだけに限らず中型までのインコ・オウム飼育に役立つ内容を更新していきます。