前橋連続強盗殺人事件 (前橋連続高齢者殺傷) 土屋和也の裁判の行方

土屋和也 前橋連続強盗殺人事件

前橋連続強盗殺人事件 (前橋連続高齢者殺傷事件)

2014年12月に前橋市三俣町の高齢夫婦殺傷事件で強盗殺人などの罪で起訴された土屋和也被告(当時26歳)

2014年11月に前橋市市日吉町で93歳の高齢女性が殺害された事件についても、強盗殺人などの容疑で再逮捕となった。

土屋和也
家の人に見つかれば、殺してでもお金や食べ物が欲しかった。

土屋和也が犯行に及んだのは生活に困窮していたことも事件の背景にあるが、土屋が仕事に就かなかった理由は「人と接するのが嫌だから」

土屋和也はろくに働かず、消費者金融へのかさんだ借金数十万は 月4~5万円を費やしたスマートフォンの課金ゲームが招いた浪費だったことがわかっている。

土屋和也容疑者は2014年9月に警備会社の仕事を辞めてから無職だった。

スマホの課金ゲームは2011年ごろから始めたとみられ、2013年ごろから消費者金融で金を借り始めている。

仕事を辞めてからもスマホのゲームは続けていたが、2014年10月末には滞納を理由にスマホが止められた。

そして11月中旬に自宅のガスが、12月中旬には電気も止められた。

家の中は空のカップ麺やペットボトルなどのゴミが山積し、ゴミ屋敷状態だったという。

そこまで生活に困窮しながらも「人と接するのが嫌」で仕事には就かず、2014年11月上旬、土屋和也はついに強盗殺人事件に走ってしまった。
 
 

日吉町事件

前橋連続強盗事件 土屋和也

via:事件現場(大島てる)

2014年11月11日午前11時20分頃、群馬県前橋市日吉町1丁目の民家で一人暮らしをしている小島由枝さん(93歳)が頭から血を流し布団の上で死んでいるのを、訪ねてきた長女(67歳)が発見し、110番通報した。

司法解剖の結果、小島由枝さんの死因は刃物で頭部、顔、首を刺されたり切られたことによる失血死だと判明した。

両腕には抵抗の跡も見られた。

土屋和也容疑者と小島由枝さんに面識はなく、土屋容疑者は自宅にあったバールと刃物で、小島さんの頭や首などを殴ったり刺したりして殺害した。

土屋和也容疑者は犯行当日、小島さん宅の下見をした上で無施錠の掃き出し窓から侵入している。

そして小島由枝さんを殺害し、小島さん宅から現金5000円程度と食料品(パンと菓子)500円相当を奪い、自転車で逃走した。

小島さん宅を狙った理由については「高齢者が住んでいると思われる古い平屋建てで、無施錠の家を狙った」と供述していた。

土屋和也の自宅にあった刃物からは、小島由枝さんのDNA型が検出されている。
 
 

三俣町事件

前橋連続強盗事件 土屋和也

via:事件現場(大島てる)

2014年12月16日午前11時50分頃、群馬県前橋市三俣町2丁目の民家で、住人の80代の夫婦が殺傷された。

川浦種吉さん(81歳)が死亡し、川浦さんの妻・二美江さん(80歳)は全治2~3ヶ月の重傷を負った。

二美江さんは近所の女性に助けを求めて110番通報をし、首の周辺を複数ヵ所刺されて血を流して倒れている夫・種吉さんを発見した。

二美江さんは、侵入した男から「何も言わずに、突然刺された」と話しており、襲われながらも逃げ出したと説明していた。

ここでは現金とリンゴ2個が奪われた。

川浦さん宅に落ちていた土屋容疑者がかじったリンゴから採取した体液や付近の防犯カメラの映像などから容疑を固め 二美江さんに対する殺人未遂容疑で再逮捕、1月15日には種吉さんに対する殺人容疑で再々逮捕した。

逮捕

土屋和也容疑者は2014年12月23日、前橋市内のラーメン店に侵入し 店内のものを盗んだ窃盗の容疑で逮捕されていた。

その取り調べの中で、県警が公開した容疑者の似顔絵に似ていることを指摘した結果、土屋和也は犯行をほのめかす供述をはじめた。

その後、土屋容疑者の指紋と殺害現場に残された遺留品に付着した指紋が一致したことから、殺人未遂の容疑で彼を逮捕し、取り調べが行われていた。

土屋和也容疑者は一連の夫婦殺傷事件への関与を認め、動機については「金が目的だった」と供述した。
 
 
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土屋和也の生い立ち

土屋和也容疑者は1988年生まれ、栃木県足利市の出身。

4歳のときに両親が離婚し、土屋和也は一時 児童養護施設に預けられていた。

太田市内の小・中学校に通っていたが、中学卒業までの長い間いじめを受け続けたという。

いじめについては先生に相談したが、「真摯に対応してくれなかった」

中学卒業後、母方の実家がある福島に身を寄せ、福島県内の高校に進学したが、ここでも同居していた叔母からまち針で刺されるなどのいじめを受けたという。

学校では孤立しがちで、2007年に高校卒業後、福島県内の塗装会社に就職したが、「いざこざがあった」と早々と辞めてしまった。

2010年10月からは前橋市内のラーメン店に勤務した。

男性店主によると、土屋和也は正社員希望だったが、能力的に仕事を任せることはできなかったという。

店主
ほとんどしゃべらず、コミュニケーション下手。怒られたりすると、ぶつぶつ言って、仕事がいっぱいいっぱいになるとパニックになって皿を割ったこともあった。

ラーメン店勤務当時、スマートフォンの課金ゲームと出合い、ゲームのチャットを介して「愚痴や趣味」についてネットの仲間と言葉を交わし楽しんでいたが、土屋和也の実生活には そんな風に会話ができる友人はいなかった。

そのラーメン店を2014年6月に辞めた後、土屋和也は警備会社に勤務した。

しかし警備会社も9月ごろには出社しなくなり、10月に解雇されている。

それ以降は無職のままだった。

ゲームにのめり込み、課金した総額は約133万円まで膨らみ、犯行を思い立つひと月前の時点での借金は70万円。

ところが10月8日時点の預金残高は329円。

そんな状況の中、ハンマー、バール、「鍵開けマニュアル」という文庫本を購入した。

そして土屋和也が最後に行き着いたのは 高齢者宅を狙った強盗だった。
 
 
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一審…前橋地裁・裁判員裁判

弁護側
(日吉町事件の)小島由枝さんの枕元に立ったとき、何を考えていたのか?
土屋和也
いろいろ。逃げようかとか、殺そうかとか、物色しようかとか、帰っても家には食べ物も何もないなとかいうことが頭をかけめぐった。

持っていたバールは「窓ガラスを割るため」であって、凶器として使うつもりはなかったとも陳述した。

三俣町事件の川浦種吉さん宅に侵入するときには「日吉町の事件を思い出してしまうから」とバールは持って行かなかったという。

小島由枝さんや川浦種吉さんを殺害したときの状況については沈黙して答えなかったり、「覚えていません」と繰り返した。
 
 

そして土屋和也被告(27歳)の裁判員裁判の判決公判が2016年7月20日、前橋地裁で開かれた。

そこで鈴木秀行裁判長は 土屋和也に求刑通り死刑を言い渡した。

裁判長
小柄で非力な高齢者に対する一方的な凶行は、卑劣かつ冷酷である。
 
犯した罪を悔い改めることなく人命軽視の強盗殺人を2回行った。厳しい非難は免れない。
 
稚拙だが計画的で、強固な殺意に基づく執拗で残虐な殺害方法である。
 
高齢者の多い住宅街での無差別犯行で、社会的影響も大きかった。

弁護側は 土屋和也被告の不遇な生い立ちや広汎性発達障害などが犯行に影響を与え、死亡した2人への「殺意は弱かった」と主張していた。

しかし鈴木裁判長は「自らの行為を認識し、確定的な殺意があったと強く推認できる」と退け、土屋和也被告に死刑を言い渡した。

9/6 二審・東京高等裁判所で開始【前橋連続強盗殺人事件】

一審で死刑を言い渡された土屋和也被告の二審が、9月6日、東京高等裁判所で始まった。

弁護側
犯行にはパーソナリティ障害などの影響があり、死刑は重すぎる。
 
殺害は計画的ではなく、パーソナリティ障害などの影響で、パニックになってしまったことによるもの。

・・・などとして被告側は無期懲役が妥当だと主張したが、一審の前橋地裁では求刑どおり死刑を言い渡されたため、不服として被告側が控訴。

二審でも被告側はこう主張する。

弁護側
土屋和也被告は被害者に見つかるなどの突然の状況の変化に動揺し、障害の影響で衝動的に犯行に及んでしまった。死刑は重すぎる!
土屋和也被告
当時の状況はよくわからない。けれど、できるかぎり償っていきたい。

相変わらず土屋和也被告は、「申し訳ない気持ちでいっぱいです」と謝罪しつつも、殺害状況については「覚えていない」「よくわからない」を繰り返す。

こんな状態で果たして量刑が減刑されるのかどうか…個人的には疑問に感じる。

一方で検察側は控訴を退けるよう求め、遺族は「被告を許すことはできず、死刑を強く願っています」と訴えている。
 
 
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