2024年12月25日の「きょうの料理」で紹介された「かぶら蒸し」は、京料理の老舗「瓢亭」15代目・髙橋義弘さんが教える冬の風物詩的な一品です。
すりおろした雪のようなかぶの中から、柔らかな鱈、ホクホクのさつまいも、風味豊かなぎんなんが顔を出す、見た目にも味わいにも楽しい京料理。
かぶと具材を混ぜ合わせながら、上品な味わいをご家庭でお楽しみいただける一品です。
かぶら蒸しの作り方
雪のような白いかぶの中から、柔らかい鱈、ホクホクのさつまいも、風味豊かなぎんなんが顔を出す、見た目にも楽しい一品です。
かぶら蒸しのレシピ
材料と分量:2人前
- かぶ(小):2個(240g)
- 生だら(切り身・小):2切れ(100g)
- さつまいも:20g
- ぎんなん(水煮):6個
- 卵白:1/3個分
- しょうが(すりおろす):適量
- 塩:少々+2つまみ
- サラダ油:少々
- 片栗粉:小さじ1/2
▶あんの材料
- 葛粉(片栗粉で代用可):10g
- だし:大さじ1と1/3
- だし:120ml
- かぶのおろし汁:40ml
- 薄口しょうゆ:小さじ1と1/2
- みりん:小さじ1/2
- 塩:2つまみ
- STEP1たらの下処理たらは骨と皮を除き、長さを2等分に切ります。塩少々を全体にふって約15分間おき、水気を拭きます。
- STEP2たらを焼くフライパンにサラダ油少々を中火で熱し、たらを並べ入れて両面をこんがりと焼きます。
- STEP3さつまいもの下処理さつまいもはよく洗い、皮付きのまま5mm厚さの半月形に切り、柔らかくゆでます。
- STEP4かぶの準備かぶは皮をむき、すりおろします(200gを目安)。ざるに上げてゴムベラで軽く押さえて汁気を絞り、ボウルに入れます。おろし汁はあんに使うのでとっておきます。
- STEP5卵白を泡立てる別のボウルに卵白、片栗粉(小さじ1/2)、塩(2つまみ)を入れ、泡立て器で細かい泡状になるまで泡立てます。すりおろしたかぶと同じような細かい泡になるまで泡立てるのがポイントです。
- STEP6かぶと卵白を合わせる泡立てた卵白を汁気を絞ったかぶに加え、ゴムベラでよく混ぜ合わせます。
- STEP7器に詰める耐熱の器にたらを食べやすくほぐして入れ、さつまいもとぎんなんをのせます。その上にかぶと卵白を混ぜた物をふんわりとのせ、アルミ箔をかぶせます。
- STEP8蒸す蒸気の上がった蒸し器に入れ、ふたをして中火にし、約8分間蒸します。
- STEP9あんを作るAの葛粉とだしは混ぜ合わせます。小鍋にBのだし、かぶのおろし汁、薄口しょうゆ、みりん、塩を入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせたらAを再び混ぜながら加えてとろみをつけます。
- STEP10仕上げアルミ箔を取ってあんをかけ、しょうがをのせれば完成です。
かぶら蒸しをおいしく作るコツ
かぶは水気をしっかり切ることで、よりふんわりとした雪のような食感が生まれます。絞る時はやさしく扱うのがポイントです。
たらは焼き過ぎないように注意します。表面はこんがり、中はふんわりとした状態が理想です。
卵白は必ずすりおろしたかぶと同じような細かい泡になるまで丁寧に泡立てましょう。これがふんわりとした食感の決め手になります。
さつまいもは皮付きのまま調理することで、ホクホク感が増し、形も崩れにくくなります。
蒸し時間は目安ですが、竹串を刺してみて、スッと通れば完成です。蒸し過ぎると水っぽくなるので注意しましょう。
あんは最後にかけることで、見た目も美しく、かぶの風味も損なわれません。器の縁までしっかりとかけるのがプロの仕上げです。
最後にのせるしょうがは、香りと辛みのアクセントになるほか、消化を助ける効果もあります。
季節に応じて、春は筍、秋は銀杏を多めにするなど、具材をアレンジすることで、一年を通して楽しむことができます。
かぶら蒸しによくある質問
かぶら蒸しの由来は?
かぶら蒸しは、雪のように白いすりおろしたかぶの下から具材が顔を出す様子が美しい、京都の伝統的な冬の料理です。見た目の美しさと味わいの両方を楽しめる一品として親しまれています。
かぶはどのように選べばいいですか?
葉付きの場合は葉が生き生きとしているもの、重みがあり、肌がなめらかで張りのあるものを選びましょう。小かぶの方が柔らかく、すりおろしに適しています。
たら以外の魚でも代用できますか?
はい、白身魚であれば代用可能です。鯛や甘鯛なども相性が良く、季節や好みに応じて変更できます。ただし、魚の厚みや火の通りやすさに応じて、蒸し時間を調整する必要があります。
蒸し器がない場合はどうすればよいですか?
大きめの鍋に2~3cmの水を入れ、耐熱皿を置いた上に器を載せて代用できます。蒸気が逃げないよう、しっかりとふたをすることがポイントです。
あんはどのくらいとろみをつければよいですか?
とろみは好みにもよりますが、箸でつまんで落とした時に、ゆっくりと糸を引くくらいが目安です。熱いうちは緩めに感じても、冷めるとトロミが増すので、少し緩めに調整するのがコツです。
かぶのすりおろしはフードプロセッサーで代用できますか?
手作業でのすりおろしを推奨しますが、時間がない場合はフードプロセッサーも使用できます。ただし、繊維が細かく切れすぎないよう、短時間で撹拌することが重要です。
作り置きは可能ですか?
かぶら蒸しは作りたての状態が最も美味しく、風味も最高です。作り置きは推奨されません。ただし、具材の下準備は前日に済ませておくことができます。
1人分の栄養価は?
1人分あたり約110kcalで、塩分は3.1gです。かぶに含まれるビタミンC、たらのタンパク質、さつまいものβカロテンなど、栄養バランスの良い一品です。