コザクラインコの飼い主の寄稿です
我が家には鳥が大好きな父が定年後に飼いはじめたコザクラインコのサクラちゃんがいます。
サクラちゃんは餌やフンの世話をしている母や私を差し置いて 溺愛している父以外にはなつかない子でした。
父以外の家族には大きな声で威嚇したり、時に嚙みついたり、そんな元気でちょっとおてんばでやきもち焼きなサクラちゃんが ある日突然元気がなくなり ご飯を食べなくなりました。
コザクラインコの卵詰まり体験談!無精卵を産ませない発情抑制大作戦
ある日、サクラちゃんに近づいてもいつもの元気は声なく、水は飲んでも餌は食べていない様子です。
…と思い返して見てみるも、排泄もあまりうまくできていないようでした。
サクラちゃんにはうずくまるしぐさや 羽を上に上げて苦しむ様子も見られましたから
私はサクラちゃんを連れて すぐに動物病院に駆け込みました。
診察を受けると、なんと!卵が詰まっているとのことでした。
…と獣医から説明を受けました。
無事に無精卵を取り出してもらったとたんに みるみるに元気になったサクラちゃんでしたが、
…と私はとても心配になりました。
コザクラインコに無精卵を産ませないための作戦を考えて実行してみた
…ということで、獣医からいくつかのアドバイスをもらい、それを実行すべく家族で話し合いと申し合わせをしました。
コザクラインコの睡眠時間・日照時間をきちんと調整する
まず初めに取りかかったことは、コザクラインコの睡眠時間の調整…つまり日照時間をコントロールすることです。
春・秋に発情期を迎える鳥類は日照時間が長いことも無精卵を産んでしまう原因になるということです。
そこで夜は決まった時間に鳥かごに大きなブランケットをかけました。
うちの鳥かごは縦が1メートル以上あり、すべてを覆える大きさの布を探すのに苦労しました。
夜でも明るいままの状態で 人間がいて遊んでもらえるとなると常に興奮状態になってしまいます。
きちんと夜に時間通りに休ませるのは健康に良いですし、鳥でも体内時計が狂うのがいいはずはありません。
昼夜の感覚や日照時間の調整はとても大事だと考えました。
コザクラインコの餌の量のコントロール…我が家では未決行
…と獣医さんから言われたのですが、これは外からは判断しにくいし、餌を少なくするのはかわいそうだということで、そのままにすることにしました。
たくさん食べているのは健康状態が良い目安でもあります。
それになんといってもサクラちゃんが餌を食べている姿はとても癒されると思ったからです。
コザクラインコのケージレイアウトの変更と鏡の撤去
さらに「退屈しのぎにになれば」とケージ内に取りつけていた小さな手鏡を外しました。
サクラちゃんは鏡に向かって威嚇したり 時にすり寄ったりしていて、その姿はとてもかわいかったのですが、
…との指摘を受けたので省きました。
その代わりに ケージ内に飛び移れる足場を増やすことにしました。
またサクラちゃんは段ボールやチラシをビリビリに破いたりかじったりすることが好きなので、かじれる系のおもちゃを買いました。
ケージ内で遊ぶおもちゃと放鳥時に遊ぶものを色々と選びつつ、手を変え品を変えて設置しました。
コザクラインコの発情抑制対策の最難関は恋人への愛と執着を弱めることだった!
そして、コザクラインコの発情抑制対策として最後にいちばん苦労したのが、サクラちゃんから父に向けられる愛情と執着を弱めるようにすることでした。
普段私や母に対しての威嚇するような態度を見ていても、父がサクラちゃんをかわいがり過ぎて
…ことは明らかでした。
…と父を説得するところから始めました。
具体的には鳥の体をできるだけ触れないように気を付けてもらうことにしました。
父が普段からやっている「サクラちゃんを片手に乗せ、もう片方の手で羽や体をさする」行為が鳥の求愛行動にあたる…ということをネットで知った私は、それをやめてもらう必要があるとわかりました。
家族の中で彼女を手に乗せたり触ったりできたのが父だけだったのです。
そのことは父的には
…と自慢げだっただけに、それがサクラちゃんの健康を損なうことにつながっているまさかの行為…と聞いたときはショックだったようです。
それがわかっていても、羽を触ったりするのをやめるのは いちばんサクラちゃんを可愛がっていた父にとってはある種の苦渋の決断だったようで、そこに至るまでなかなかの時間がかかりました。
「コザクラインコがなつかない」が解決!思わぬ副次的効果までゲットした
これまでは父が家にいる時以外は サクラちゃんを鳥かごから出して自由にすることはなかったのですが、私や母にももう少し慣れてもらおうと思い、父が不在の時でも窓を閉め切って同じ空間で過ごすようにしてみました。
そんな風にしてサクラちゃんが部屋を自由に飛び回れるようにしたところ、1年ほどかかりましたが 私や母の頭の上に乗ってくるようになったり、威嚇そのものをしなくなりました。
2年たった今では私や母の手に自分から乗ってきたり、台所で水仕事をしていると 水浴びさせてほしそうに近寄ってきたりするようにまでなりました。
夜はケージにブランケットをかけて休ませ、父と過ごす時間が減ったことや 私や母との一対一、または二対一で過ごす時間が増えたことで、特定の人間一人(我が家の場合は父)をパートナーとして執着・発情することがなくなりました。
あれ以降の2年間 無精卵を産んでいませんから、我が家のコザクラインコ発情抑制作戦は成功したのだと思います。
私たちが鳥を飼うのはサクラちゃんが初めてでしたが、ここまで鳥が愛情深い生き物だったとは知りませんでした。
動物にもたくさんの感情があることは頭ではわかっていましたが、
…とあらためて痛感した出来事でした。
これからもかわいいサクラちゃんの気持ちに寄り添って、長く一緒に健康に暮らしていきたいと思っています。