コザクラインコ飼育は難しい?ラブバードの発情期の対策と考え方

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コザクラインコ飼育は難しい?ラブバードの発情期の対策と考え方

コザクラインコは飼育が難しい鳥種なのか?強い意思と豊かな感情、そして高い知能を持つコザクラインコの飼育は、ある意味「難しい」と言えなくもありません。

コザクラインコは社交的で賢い鳥であり、飼い主とのコミュニケーションや刺激を求めます。特に精神的な刺激を求める傾向がありますので、単調な環境やストレスが長期間続く状況に置かれると、不安や行動問題が生じることがあります(適切に対処すれば問題解決は可能です)

コザクラインコは多少ストレスに敏感な傾向があり、他のペットや環境の変化に適応するのが難しい場合があります。他のペットとの相互作用や新しい環境への適応に時間と注意が必要です。

コザクラインコは南アフリカに生息する小鳥なので、寒さに弱いイメージがありますが、実は暑さ、寒さともに比較的強い個体が多いです。ただし日本の夏の高温多湿の環境はあまり得意ではなく、エアコンによる温度と湿度の管理が必要です。

コザクラインコに限ったことではないですが、その飼育には十分な情報と準備が必要です。たとえば飼育には適切な栄養バランスの食事の提供や定期的な健康チェックなど。誤った食事や不適切な環境は健康問題を引き起こす可能性がありますし、性格や個性も千差万別なので、インコと過ごす日々は飼育の学習の連続です。

コザクラインコ飼育が難しい…などと言われる理由はこのようにいくつかありますが、総合的にみれば小鳥飼育初心者向きの鳥種だと思います。どんなペットでも、お世話に十分な愛情と意欲、ほんの少しの知識が必要なことは同じです。

この記事では「ラブバード」と呼ばれるコザクラインコとの激しくも愛に満ちた生活を送る飼い主らによる発情期問題の考え方や発情抑制対策について紹介していきます。

コザクラインコの発情期と発情抑制対策の考え方・向き合い方

コザクラインコは「ラブバード」と呼ばれる通り、極めて愛情深い鳥種として知られています。他の鳥種に比べて縄張り意識が強く、パートナーへの独占欲もひときわ強い傾向があります。

ベタ慣れのコザクラインコは飼い主をパートナー認定している場合が多く、その人がほかの人と会話しているのを見ただけでも、急に激しく鳴き始めることが珍しくありません。

コザクラインコが発情する原因

インコの発情する原因は「今、卵を産んで育てるに適した環境である」と鳥が判断することから始まりますが、どんな環境が発情に足る条件なのか?

365日餌に不自由しない環境

インコもヒトも食べることは生きることの基本であり、食べ物を得られなければ生き残ることも子孫を残すこともできません。

常に最低限の食物しか得ることができない野鳥には年に1~2回程度しか発情期が訪れませんが、食べ物に困ることのない飼い鳥はいつでも発情のチャンスがあります。

食べ物が十分にあり栄養を蓄えることができれば、繁殖行動が可能だからです。

1年じゅう温暖パラダイス!四季を感じることがない生活環境

常に温度や環境が快適であれば「卵を産んでも大丈夫!雛を育てられる」とインコが判断します。

真夏と真冬の冷暖房は最低限の健康を保つ上で必要ですが、健康な成鳥の発情を抑制するためには、インコが快適すぎない温度管理を模索する必要があります。

巣や巣材もどきの存在が発情スイッチをオンにする

インコに巣作りをさせないこと、巣材を与えないことも重要です。身近に巣材になるものがある、巣として代用できそうなものの存在が発情の起爆装置になります。

鳥は卵ができてから巣を作るのではなく、卵ができる前にまず巣を作ります。つまり巣を作れなければ、発情していても卵ができない(産まない)可能性もあるのです。

特にメスの発情は卵詰まりなど産卵に関するリスクが高くて深刻です。

パートナーの存在が危険因子!発情対象は鳥や人とは限らずモノの場合も

つがいなら発情対象は明確ですが、単羽飼育では、その発情対象はさまざまです。

最も多いのが飼い主が発情対象となるケース。いつも世話をしている飼い主がコザクラインコからパートナー認定されて、インコの脳内恋愛のお相手になっていることが多いです。

ただ奇妙なことに発情対象は、必ずしもインコやヒトとは限りません。

お気に入りのおもちゃ、お気に入りのタオル、お気に入りの止まり木など、「物」に対して発情するケースや、そもそも対象がヒトなのかモノなのか判然としない場合もあります。

発情抑制対策に絶対的な正解なし

その性格から発情抑制が難しく、発情対策に悩む飼い主が少なくないコザクラインコ。ただ、発情するのは愛鳥が現在の生活に満足し、卵を産み育てても大丈夫だ…と判断するくらい安心して暮らしている証拠でもあります。

そう考えると必ずしも発情=悪…と断じる必要はありませんが、発情は健康上の様々な問題の原因となりうることから、可能な限り避けたいもの…しかし完全にコントロールするのは難しいです。

インコの発情抑制対策に頭を悩ませている方は少なくないですが、個々の性格、飼い主との関係性やライフスタイルなど事情がさまざまであることから、発情抑制対策には絶対的な正解はありません。

それぞれの事情に合わせた発情抑制対策を、飼い主自身が判断しなければなりません。

私が試したコザクラインコの発情抑制対策と手を出さなかった方法【体験談】

コザクラインコの飼い主の体験談

私のコザクラインコ(メス)は、実は一年中発情しています。8歳をすぎた現在は少し落ち着いていますが、4歳頃までは心配の連続でした。

発情原因が明らかになれば、それぞれに対策を打つことで問題は解決する…となるなら話は簡単ですが、そううまくはいきません。

ここでは私が試したコザクラインコの発情抑制対策と手を出さなかった方法、発情期問題の考え方を紹介します。

インコの食事のコントロールで発情を抑制する【不履行】

インコの食事のコントロールは、発情抑制における最重要課題と言われます。ケージの中に一日中餌を入れっぱなしにしている場合、この点を見直すことで大きく改善されるケースがあります。

具体的なやり方としては、朝と晩などの1日2回に、時間を決めて餌の1日量を半分ずつ与えることで「いつでも餌が豊富にある訳ではない」状況を作り出すことができます。つまり「卵を産む余裕はないかもしれない」…との軽い危機感を抱かせることができるのです。

また、獣医師に適正体重を確認した上でインコの体重管理を併せて行い、それにより現状の餌の量が多過ぎないかを見極めることも大切です。

とはいっても、わが家の場合、この対策がうまくできていません。夫婦共働きで夜の帰宅が遅くなるため、1日2回以上の給餌ができないことが多いからです。

東日本大震災の夜に会社泊になってしまった経験をふまえ、いざという場合に備えて餌はケージに入れっぱなしにしています。

適切な温度管理で発情を抑制する【実行】

温度管理で重要なのは自分のインコが「健康に過ごすことができ、かつ 快適過ぎない温度」を知ることです。これは鳥種によっても異なりますので、「本来はどんな気候で暮らしているインコなのか」を確認してください。

コザクラインコに限らず、特に雛や病鳥にとって「保温」は重要なので、わが家では幼鳥時代までは、部屋のエアコンの他に、ケージにヒーターをつけていました。サーモスタットを使えば、急に冷え込んだ時も安心です。

しかし成鳥になってある程度の寒さに耐えられるようになったら、ヒーターは取り外してしまいました。現在は夏も冬も飼い主がエアコンで管理する室温とほぼ同じ温度で暮らしています。

インコにとってはもう少し暖かい方が嬉しいかもしれませんが、「もう少し暖かかったらなぁ」といった不足があれば、発情への一歩が遠のく可能性が高いです。

ケージに温度計をつけておき、常に室温を確認する習慣をつけましょう。

巣と巣材を「なるべく」遠ざける【ぼちぼち実行】

巣を作らせないためには巣材になるものを避けるしかありません。

コザクラインコにはシュレッダーのように紙を細長くかみちぎる性質があります。壁にカレンダーをかけている場合、「まだ1月なのにもう5月が犠牲になった(かじられた)」といったエピソードをよく耳にします。

しかしこれは単なる遊びではなく巣材集めです。巣作りの準備の一環ですから、発情抑制の観点からは好ましくありません。

では、カレンダーをはじめとして全ての紙類を隠してしまえばいいかというと…事はそう単純ではないのです。紙がなければ木の皮を、木綿の生地を、ビニールを、ありとあらゆるものを巣材にしてしまうので「なるべく」避けるよう、気をつけるしかありません。

わが家では巣材にしづらいプラスチックやコルクのおもちゃを採用しています。

全てを取り上げるのではなく、何なら与えてもいいか?安全か?ひとつずつ模索していきましょう。

発情対象との距離・兼ね合いを見極める【ぼちぼち実行】

インコの発情対象がおもちゃや何か特定の「物」であれば、それをなるべく遠ざける、接する機会を少なくすることが可能です。

発情対象がヒトの場合、該当者を遠ざけることがいちばんの発情抑制対策ですが、お世話する都合もありますから難しいです。それに発情を恐れるあまり、最低限のスキンシップすら取り上げてしまっては、インコも飼い主も不幸です。

群れで生活するインコにとって仲間とのコミュニケーションは、生きる上で必要かつ喜びでもあります。鳥の幸せとは何か?を見失うような結果にしないこと。うまく兼ね合いを見つけた発情抑制対策を講じることが大切です。

発情抑制対策の結論!いちばん大切なのは「インコがしあわせかどうか」

インコの発情の原因と対策を考えることはもちろん重要ですが、考えている通りになるとは限りませんし、それが全てでもありません。

もっとも大切なことは「鳥自身がしあわせかどうか」

わが家の場合、細かいものも含めて発情原因の洗い出しはできているのですが、先述の通り、あまり厳密な発情抑制対策をとってはいません。今のところは幸いにして発情を原因とする健康上の問題が起きていないからです。

わが家の発情抑制対策がゆるいのは  インコにとっても飼い主にとっても無理のない範囲で行いたい  どんな対策もインコファーストでなければいけない …と私自身が考えているからです。

8歳という年齢のせいもありますが、現況では「緩やかな発情期が一年中続く」状態で落ち着いています。これがいいことなのか悪いことなのかは別として…(※ぶっちゃけ、医学的に言えばよくないです)

愛鳥の自信に満ちあふれた幸福そうな表情からは、飼い主としての及第点をもらえている気がします。

インコの発情抑制に正解なし!飼い主自身が気持ちの折り合いをつけることが大切

そんなわが家で日常的に気をつけていることは、温度管理と、体重の記録と、「適度なストレス」です。

「適度なストレス」とは一緒に外出したり、見慣れないおもちゃを見せたり、にぎやかな音の出る動画を見せるなど、インコへの軽微な刺激を与えることです。

見慣れないおもちゃは警戒心が強くためになかなか打ち解けませんが、時間をかけると少しずつ慣れ、最終的には全く動じなくなります。

コザクラインコにとっては苦手を克服し、選択肢が増えると同時に、慣れるまでの間に適度なストレスにさらされることで、緩やかな発情抑制対策ともなるのです。

発情は「鳥が幸せに暮らしている(満足している)」ことの証明ですから、発情抑制に悩む飼い主さんが、自分を責めたり追い詰めたりするのはいけません。鳥育ても子育てと同じで正解がない…と割り切って向かい合うのがいちばん大切だと思います。

コザクラインコの卵詰まり【体験談】無精卵を産ませないわが家の発情抑制大作戦

コザクラインコの飼い主の体験談

我が家には鳥が大好きな父が定年後に飼いはじめたコザクラインコのサクラちゃんがいます。

サクラちゃんは餌やフンの世話をしている母や私を差し置いて、彼女を溺愛している父以外にはなつかない子でした。

父以外の家族には大きな声で威嚇したり、時に嚙みついたり。そんなやきもち焼きなサクラちゃんがある日突然元気がなくなり、エサを食べなくなりました。

水は飲んでいても餌は食べていない様子。ケージ底の敷き紙にフンが少なく、うずくまるしぐさや羽を上げて苦しむ様子が見られたので、私はサクラちゃんを連れて動物病院に駆け込みました。

病院で診察を受けると、なんと!卵が詰まっているとのこと。

健康な鳥はパートナーがいなくても条件が整えば無精卵を産むんですよ。初産卵でうまく卵が出せなかったようですね。詰まってしまって排泄もできなくなってしまった。それに伴って食欲がなくなったのでしょう。

無事に無精卵を取り出してもらったとたんにみるみるに元気になったサクラちゃんでしたが、私は不安になりました。

これからも無精卵をたくさん産むようなことがあっては、良くないのでは?

コザクラインコに無精卵を産ませないための作戦を考えて実行してみた

サクラちゃんに健康で長生きしてもらうために、無精卵を産ませない生活をしよう!

獣医から発情抑制対策のアドバイスをもらい、それを実行すべく、家族で話し合いと申し合わせをしました。

コザクラインコの睡眠時間・日照時間のコントロール

初めに取りかかったことは、コザクラインコの睡眠時間の調整…つまり日照時間をコントロールすることです。

春・秋に発情期を迎える鳥類は日照時間が長いことも無精卵を産む原因になります。

そこで夜は決まった時間に鳥かごにブランケットをかけました。うちの鳥かごは高さが1メートル以上あり、すべてを覆える大きさの布を探すのに苦労しました。

夜でも明るいままの状態で遊んでもらえるとなると、常に興奮状態になってしまいます。鳥もヒトと同じように体内時計が狂うのはよくありません。

昼夜の感覚や日照時間の調整はとても大事だと考えました。

コザクラインコの餌の量のコントロール【うちでは不履行】

栄養状態が良すぎることも過発情や過剰産卵の原因の1つです。

…と獣医さんから言われたのですが、これは外からは判断しにくいし、餌を少なくするのはかわいそうだということで、そのままにすることにしました。

食欲は健康のバロメータですし、なんといってもサクラちゃんが餌を食べている姿はかわいくて、とても癒されると思ったからです。

コザクラインコのケージレイアウトの変更と鏡の撤去

「退屈しのぎにになれば」とケージ内に取りつけていた小さな手鏡を外しました。

サクラちゃんは鏡に向かって威嚇したりすり寄ったりしていて、その姿はとてもかわいかったのですが、

鏡の中の自分をパートナーと勘違いしてしまうから良くないです。

…との指摘を受けたので省きました。

その代わりにケージ内に飛び移れる足場を増やしたり、かじれる系のおもちゃを購入。ケージ内で遊ぶおもちゃと放鳥時に遊ぶものを色々と選びつつ、手を変え品を変えて設置しました。

コザクラインコの発情抑制の最難関は恋人への愛と執着を弱めることだった!

コザクラインコの発情抑制対策として最後の最後まで苦労したのが、サクラちゃんから父に向けられる愛情と執着を弱めることでした。

父がサクラちゃんをかわいがり過ぎて、コザクラインコが人間に発情して無精卵が産まれてしまったことは明らかでしたから

発情抑制なんだから、この部分を改めなければ意味がない!サクラちゃんの健康に関わることだから。

…と父を説得するところから始め、鳥の体をできるだけ触れないように気を付けてもらうことにしました。

父が普段からやっている「サクラちゃんを片手に乗せ、もう片方の手で羽や体をさする」行為が鳥の求愛行動にあたることを知った私は、「それをやめてもらわなければ始まらないから!」と父に説明しました。

家族の中でインコを手に乗せたり触ったりできたのが父だけでした。

「ほ~ら、こんなにさわっても僕は噛まれないよ」と自慢げだっただけに、それがサクラちゃんの健康を損なうことにつながっているまさかの行為だった…と知った時にはショックだったようです。

頭ではそれがわかっていても、羽を触ったりするのをやめるのは、いちばんサクラちゃんを可愛がっていた父にとって苦渋の決断だったようです。

それを完璧に守るまでなかなかの時間がかかりましたが、少しずつ実行していきました。

「コザクラインコがなつかない」オンリーワンが解決して予期せぬメリットもゲット

これまでは父が家にいる時以外はサクラちゃんを鳥かごから出して自由にすることはなかったのです。

しかし、お世話している私や母にももう少し慣れてもらおうと思い、父が不在の時でも放鳥して同じ空間で過ごすようにしていたら、1年でサクラちゃんの私たちに対する威嚇行為がまったくなくなりました。

2年たった今では私や母の手に自分から乗ってきたり、台所で水仕事をしていると水浴びさせてほしそうに近寄ってきたりするようになりました。

結果的にいろいろな取り組みが発情抑制だけでなく、オンリーワン(特定の一人だけになつく)も改善してくれたのです。

あれ以降の2年間、まったく無精卵を産んでいませんから、我が家のコザクラインコ発情抑制大作戦は成功したといえます。

私たちが鳥を飼うのはサクラちゃんが初めてでしたが、実際に飼ってみるまで、鳥がこんなにも愛情深い生き物だったとは知りませんでした。

これからもサクラちゃんの気持ちに寄り添って、一緒に健康に暮らしていきたいと思っています。

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