孤独死と警察!発見からの流れ・費用・現場検証はどうなる?
検視は医者が死体を異状死と判断し、警察署に届け出た後に、警察官あるいは検察官によって行われる。届け出のあった死体とその周囲の状況を捜査し、犯罪性の有無の判断を行う。犯罪性が認められれば司法検視が行われ、犯罪性が無いと判断されれば行政検視が行われる。
検死(検屍)という言葉は医師が死体を外表面から検査すること、つまり検案と同じような意味をもつ。しかしながら、文脈によっては警察官による犯罪性の有無の調査(つまり検視)と同義として用いられることもある。法律的に「検死」という言葉は存在しないのでしばしば混乱を招き、現在では使われることはあまり無いようである。
引用元:つねぴーblog@内科専攻医
大都市圏では家で亡くなっている人が発見されると、その半分くらいは警察が現場検証や検視を行っています。理由は事件性の有無を調べるためです。
(通報受けて)「最初に行くのはどなたなんでしょう」
元警察官:「まずは交番のおまわりさんが現場に行くでしょ。その後、現場の強行犯係と鑑識係が一緒に行く。それで現場に入って、現場の状況と仏さんの具合を見るの。その後死体の衣類を取って、裸にさせる」
裸にするのは検死のためだろう。
元警察官:「だから孤独死にならないほうがいいよ。女性だろうがなんだろうが全部裸になるからね。服を脱がせて、その場で傷があるかどうか、事件性の有無を全部確認するんだよ。それで外傷もない、争った跡もないとわかれば、はじめて葬儀社を呼ぶか、警察の車両で移動になり、その後法医学者に視てもらって死因を判断してもらうという流れだね」
引用元:超孤独死社会
警察と警察医が現場に到着すると、警官による事情聴取と、警察医による検視が開始されます。
検視でシ亡確認がとられ、事件性がなければ「シ亡診断書」が発行されます。これがないと火葬の許可が下りません。逆に状況に不審な点があれば、イ体を警察が引き取っていきます。
検視がどんなに長引いたとしても、遺族は故人の家に入ることも、故人の金品を預かることもできませんし、警察からイ体が引き渡されるまでは何もできません。
生前に受けていた医療と犯罪性でその後の流れと費用が変わる
故人が在宅医療を受けていたかどうかで、今後の対応が変わります。
在宅医療を受けていた病死なら検視なし
亡くなった人の在宅医(看取りチーム)がついていれば、シ後24時間を経過していても診断を行えることになっています。
そこでシ因が生前にかかっていた病気やけがであると判断されれば、シ亡診断書を出してもらえます。また、かかりつけ医がシ因が持病によるものであることの診断を下しても検視はありません。
在宅医療を受けていない人が自宅で亡くなると「異常シ体」扱いになることも
故人が前述のような在宅医療を受けていない状況でイ体で発見された場合は「異常シ体」として扱われ、当然、警察の捜査(スクリーニング)対象となります。第一発見者の聞き取り、室内の状況確認、近隣住民の聞き取りが行われ、事件性の有無を捜査します。
一人暮らしではなく、家族と暮らしている人が 朝起きてこないから様子を見に行ってみたら亡くなっていた…というケースもあります。
犯罪性がない亡くなり方していても、在宅医療を継続して受けていた人でない限り やはり警察が介入することになります。
それはなぜか? 捜査してみなければ「家族による保険金目当ての〇人の疑い」が否定できないからです。
病シ(自然シ)か?事故シか?自〇か?犯罪か?異常シ体について、あらゆる可能性を視野に入れて検収しなければなりませんから当然のことです。
犯罪性があると判断されたら司法解剖
事件の可能性があったり、シ因が不明の場合は行政解剖に回されたり、大学病院などの法医学教室へ搬送して司法解剖が行われます。もちろん家宅捜索などの自宅の捜査も続行されます。
発見までの時間が長く イ体の損傷が大きければ、DNA鑑定しないと身元確認ができません。
事件性がなければ数日程度で戻ってきますが、シ因に疑わしい要素があれば検視が入るので2週間前後、DNA鑑定が必要なら1か月前後の時間がかかります。
その間に シ亡届を提出したり、葬儀を行うことはできません。
孤独死の警察への費用は?
事件性がないとされるまで 遺族でも故人の家に入ることはできません。そして家宅捜索までの間は 金品などを含めたすべてが、一時的にですが 警察に没収されます。
状況によりどれくらいの日数がかかるかは 上述の通り一概には言えません。
身元が確認されるまでの間 イ体は保管庫に預けられ、1泊2000円くらいの実費が 後日遺族に請求されます。
もしも孤独死の第一発見者になってしまったら…
もしあなたが孤独シの第一発見者になってしまったら…?
孤独シを発見すれば誰もが卒倒します。でも、できることなら そこで冷静に倒れている人をしっかりと観察しなければなりません。ほぼ無理めな話ですが…
よほど状態がひどくて ひと目見て亡くなっているのが分かれば別ですが、ほとんどの人がこの段階で「亡くなっている」ことを確認せずに救急車を呼ぶことが多いということです。
それ、わかります。おいそれと近づけませんよね。誰でもそうなると思いますよ。しかし本来、救急車は疾病者のためのものですから、シ者を乗せることはしません。
よって まだ息があるかどうかわからない場合は119番通報でOKですが、どう見ても亡くなっているなら110番通報…が正解なのです。
ほとんどの人は119番通報するのかもしれませんが、救急隊が駆けつけた後 亡くなっていることが確認されると警察に通報することになりますから、かなりの無駄足になります。
孤独シの第一発見者になることはトラウマになります。普通の神経の持ち主なら。
しかし、もしそんな場面に遭遇してしまったら…もうどうしようもありません。卒倒しつつも腹をくくって通報するしかありません。
テレビドラマでも第一発見者が通報するシーンをよく見ますが、あのとおり、警察が到着するまでの間、イ体や室内のものに触れてはいけません。事件性の有無を調べるまでは、現場をそのまま保持しなければいけないです。
通報すれば警察が駆けつけてきますが、この後に故人のシに警察が関与するか、深く介入するのかどうかはケースバイケースです。