孤独死の後始末費用と遺品整理!発見から納骨まで怒涛の体験談
40代女性 これは母が孤独4した時の私達3兄妹の立ち回りのエピソードです。当時私は48歳、姉は53歳、兄は57歳でした。母は80歳でした。
離れた土地で生活保護を受給しながら一人暮らししていた母は 自分のやりたいように自由に生き、時として突拍子もないことをする人で、私とはあまり仲が良くなくて疎遠状態でした。
1月のある日、母の住む地の福祉課から私の元に電話がかかってきました。
私は遠く離れて暮らしていたため、連絡を受けてもすぐに飛んで行けませんが、その後の手続きに進むためには身内の承諾が必要だったらしく、
そう言われたので、私は今できることをお願いしました。
母は、どれだけ私達が心配した時でも、人の心配をよそに呑気な返事が返ってくる人だったので「今回もそうであって欲しい」と思っていたところに、再び福祉課から連絡が入りました。
警察からの連絡と身元確認のためDNA鑑定
その後は、昼から夕方まで怒涛の展開の連続でした。
まずは警察から電話が入り、一連の事情の説明と、部屋に踏み込むための書類が必要だと言われました。
さらに私達親子のこれまでのことから母の人となりまで、あらゆることを尋ねられたのでひとつひとつ説明しました。
警察(刑事課強行犯係)による安否確認はその後でした。そしてその夕方 再び警察から連絡がきました。
家族(子供たち)のDNAが必要とのことを告げられ、私たちは翌日 それぞれ最寄りの警察署でDNAを採取しました。
孤独死の火葬と葬儀
本人確認が出来てからは、福祉課の方から「火葬をどうするか?」の連絡が来ました。
生活保護を受給している人は、家族が遺体の引き取りを拒否するのがほとんどだそうです。
今後の展開としては 遺体は病院からそのまま市が引き継ぎ、火葬したあと マンションの後始末を行うとのこと。つまり福祉課にお願いすると直葬となるので、私達に母のお骨は届きません。
そんな思いから 葬儀と火葬は私たち3人で取り仕切ることにしました。
福祉課の方に葬儀社と遺品整理会社を知らせてもらい、どちらからも丁寧で誠意のある対応をしていただきました。
数日後、姉が母の火葬に立ち会いました。
…と懇願したようですが 葬儀会社の方に
…ときっぱり、頑なに言われたそうです。
孤独死した母の部屋の遺品整理と特殊清掃費用は20万円
私はというと、母の最期の暮らしぶりが見たいと思ったので 一度はマンションの遺品整理にも立ち会おうと考えました。
そんな気がした私は、遺品整理の立ち合いを断念しました。
母の遺体を引き取ったことで 警察に没収されていた通帳は そのまま私たち子供へ渡されました。
奇しくも発見されるまで母がその予算を目標に貯金していたかのように、葬儀までの費用でそのお金を使い切りました。
葬儀社の方が警察へ遺体を引き取りに行ってくださり、火葬の段取り、遺体の保管、火葬と葬儀を含め20万円程でした。
遺品整理会社の方とは何度か話し、母の部屋からお仏壇と形見となるような母のアクセサリーや着物、写真などを送ってもらいました。遺品整理と特殊清掃で20万円ほどでした。
遺品整理や特殊清掃の相場はわかりません。この額はあくまでも母のワンルームマンションでの額で、広さや処分するものの多さ、またシミや臭いなど特殊清掃の内容次第で値段も変わってくると聞きました。
身内の孤独死は今振り返っても現実離れした経験だった…
そしてその後に新型コロナウィルスのパンデミックが起こり、母の暮らしていた遠い土地まで行けない状況になりました。
しばらく母のお骨は姉の家に預けられていましたが、2020年の秋のコロナが少し収まったタイミングで兄妹三人集まって母の住んでいた地に行き、納骨を済ませました。母は自分の母親と母の最後の旦那さんと共に納骨堂に入りました。
身内の孤独4は 今振り返ってみてもあまりに急展開かつ現実離れした経験でした。
ショックのせいで記憶もところどころ曖昧だったりしますが、自分たちにできるベストは尽くしたと後悔はありません。
母の死亡連絡が来た時のよく晴れた冬の空を 未だに私は切なく思い出します。
生活保護受給者死亡時の葬儀はどうなる?【葬祭扶助制度】
今回紹介したケースでは故人の子どもたちが母親の遺体を引き取り葬儀まで一切を取り仕切っていますが、生活保護受給者には身寄りがない人が多いです。
生活保護受給者が亡くなった場合、数十万円以上かかる一般的な葬儀を行うのは難しいですが、そういった場合には自治体では葬祭扶助制度を設けています。
葬祭扶助制度を利用するには、葬儀を行う前に所轄の自治体に申請することが必要です。また、申請が可能となるのは下記のどちらかの条件を満たす必要があります。
■葬儀を執り行う施主(扶養義務者)が生活保護受給者で生活に困窮している場合。
■故人が生活保護受給者で遺族以外が葬儀の手配をする場合。生活保護世帯の方が亡くなり、同居の親族が葬儀を行う場合は1の条件に当てはまります。管轄の役所の福祉課や保険課が、故人や親族の収入、困窮状態を判断して支給額が決定されます。
亡くなった方に親族がいない、または親族が別居していて葬儀を行う意志がない場合は2となり、親族以外の方の手によって葬儀が行われます。
この場合、故人の遺品から費用を受け取れる可能性もあり、支給額は不足分のみとなります。 支給額は自治体により多少差はありますが、大人206,000円以内、子供164,800円以内です。
葬祭扶助を利用する場合は、「直葬」と呼ばれる形式の葬儀になります。直葬では、一般的な葬儀のような通夜、告別式は行わず、親しい方数名のみでお別れをした後、火葬場で火葬が行われます。必要となる費用は、遺体の搬送料、安置費用、棺、ドライアイス、火葬料、骨壷程度です。
引用元:安心葬儀