約7割の人が正月太りを経験しているといいます。お正月の楽しい思い出と共に、少し増えてしまった体重に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
正月太りは見た目の問題だけでなく、糖尿病や心筋梗塞などの深刻な健康問題につながるリスクもあります。しかし、極端な食事制限や過度な運動は、かえって体に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこでここでは、2025年1月5日放送の『健康カプセル!ゲンキの時間』で紹介された、3人の専門医による正月太り改善法をご紹介します。肥満治療、消化器、運動器のそれぞれの専門医が、科学的根拠に基づいた効果的な改善方法を解説しています。
絶食系ダイエットの危険性と、正しい食事の取り方
運動の効果的なタイミングと、自宅でできる「ファシア伸ばし」
3人の専門医が推奨する食材と、具体的なレシピ
お正月明けの正しい生活リズムの整え方
これらの方法は、どれも無理なく続けられる健康的なアプローチばかり。専門医たちの監修による安心・安全な方法で、楽しい年末年始の思い出はそのままに、健康的な体づくりを始めてみませんか?
正月太り対策を『健康カプセル!ゲンキの時間』で3人の名医が徹底解説
番組調査では、約7割の人が正月太りを経験していることがわかり、その対策が急務となっています。
番組に出演した3人の名医
かたやま内科クリニック院長 医学博士 片山隆司先生(肥満治療の専門医)
東京医科大学病院 内視鏡センター部長 医学博士 河合隆先生(消化器の専門医)
北里大学大学院 医療系研究科 医学専攻主任 医学博士 高平尚伸先生(運動器の専門医)
3人の専門医がそれぞれの専門分野から、正月太りの改善方法についてアドバイスを行いました。一般的なダイエット方法の危険性や、効果的な運動方法、食事の取り方などについて、詳しく解説が行われています。
絶食系ダイエットの落とし穴と正しい食事法
街頭調査では、約14%の人が絶食系ダイエットを実践していることが判明しました。しかし、専門医たちは、この方法に警鐘を鳴らしています。空腹時間を長くすることで、かえって体に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
絶食系ダイエットの危険な点
体が飢餓状態となり、次の食事で脂肪を貯め込みやすくなる
胃酸が過剰に分泌され、胃炎や胃潰瘍のリスクが高まる
低血糖状態が続き、集中力が低下する可能性がある
これらの危険性から、3人の専門医は「無理な絶食」ではなく、「1食の量を調節して3食しっかり食べる」ことを推奨しています。極端な食事制限は、むしろリバウンドを引き起こす原因となるため避けるべきです。
専門医が教える正しい食事のとり方
朝・昼・夕の3食をバランスよく摂取
ひとつの食事の量を少しずつ減らす
食事の間隔を適切に保つ
これらの方法を実践することで、体に負担をかけずに、健康的な体重管理が期待できます。極端な制限は避け、継続可能な食生活を心がけることが大切です。
効果的な運動ダイエットのポイントと正しいタイミング
番組の街頭調査では、約20%の人が運動でダイエットを試みていることがわかりました。しかし、運動の種類や実施するタイミングによって、効果に大きな差が出ることが専門医から指摘されています。
運動をする際の最適なタイミング
食後1時間後:ウォーキングなどの軽い運動に最適
食後2時間後:ジョギングなどの激しい運動が可能
食直後の運動は胃酸の逆流を招く恐れあり
運動のタイミングが重要な理由は、食事で摂取した糖質の処理と関係があります。食後の適度な運動は、糖質が脂肪として蓄積されるのを防ぐ効果が期待できます。
一方で、食直後の激しい運動は逆流性食道炎を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
名医が推奨する「ファシア伸ばし」で代謝アップ
運動器の専門医・高平先生が提案する「ファシア伸ばし」は、自宅で手軽に実践できる効果的な運動法です。この運動は筋トレとストレッチの両方の効果が期待できます。
ファシア伸ばしの正しい方法
片足を前に出し、ひざを90度に曲げる
後ろ足は大きく引いて伸ばす
両手を頭上で合わせ、胸を張る
この姿勢を20秒間維持し、1日3セット行う
ファシアとは、筋肉や臓器を包む膜のことで、この膜が硬くなると代謝が低下しやすくなります。このエクササイズは、朝・昼・晩に分けて行うこともでき、無理なく続けられるのが特徴です。ただし、体の状態に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。
食事制限ダイエットの正しい方法と注意点
街頭調査では半数以上の人が糖質制限などの食事制限を実践していることがわかりました。しかし、過度な制限は逆効果になる可能性があります。専門医たちは、緩やかな制限と継続性を重視した方法を提案しています。
夜の緩やかな糖質制限のすすめ
片山先生によると、夜は体が脂肪を蓄えやすい時間帯です。その理由は以下の通りです。
日中は交感神経が優位で、脂肪が付きにくい
夜は副交感神経が優位になり、内臓脂肪が付きやすい
極端な制限は避け、夜だけ緩やかに糖質を減らす
ただし、極端な糖質制限は様々な問題を引き起こす可能性があります。体重減少は1ヵ月で3~5%程度を目安に、無理のない範囲で進めることが推奨されています。
正月太り改善レシピ「豆腐つくねの野菜たっぷりスープ」の作り方
3人の専門医がおすすめする食材を使用した、栄養バランスの良いダイエットレシピを紹介します。1人分約220kcalで、寒い季節にぴったりの温かいメニューです。
名医おすすめの食材とその特徴
鶏むね肉:高タンパク低カロリーで筋肉維持に効果的
キノコ類:低カロリー・低糖質で食物繊維が豊富
キャベツ:食物繊維が豊富で腸内環境を整える効果が期待できる
豆腐つくねの野菜たっぷりスープのレシピ
材料と分量:1人前
- 鶏むねひき肉:100g
- 木綿豆腐:50g
- キャベツ:50g
- ゴボウ:25g
- ダイコン:50g
- ニンジン:40g
- マイタケ:50g
- 水:250mL
- おろし生姜:小さじ1
- 顆粒だし:小さじ1
- めんつゆ:大さじ1
- 塩:ひとつまみ
- STEP1つくねの材料を混ぜる豆腐、鶏むねひき肉、塩、おろし生姜を合わせてよく練り混ぜます
- STEP2一口大に丸める混ぜ合わせた材料を一口大に丸めていきます
- STEP1野菜の下準備キャベツはざく切り、ニンジン・ダイコンはいちょう切り、ゴボウはささがきにします
- STEP2だしを取る鍋に水と顆粒だしを入れ、ダイコン、ニンジン、ゴボウを入れて火にかけます
- STEP3つくねを加える作っておいたつくねを鍋に入れていきます
- STEP4仕上げつくねに火が通ったらマイタケ、キャベツ、めんつゆを加えます
- STEP5完成5分ほど煮込んで完成です
美味しく作るポイント
つくねは豆腐を使うことでカロリーを抑え、ふんわりと仕上がります
野菜は歯ごたえを残すことで満足感が得られます
煮込み時間は5分程度が目安です
3人の名医が伝授!お正月明けの生活リズム調整法
お正月休みから普段の生活に戻る際には、急激な生活リズムの変更は避けたほうが良いと専門医たちは指摘します。徐々に体を慣らしていくことで、健康的な生活リズムを取り戻すことができます。
各専門分野からのアドバイス
肥満治療の専門医:完璧を目指さず、できることから始める
消化器の専門医:七草粥など胃腸に優しい食事を心がける
運動器の専門医:運動は徐々に強度を上げていく
専門医たちは、一度にすべてを改善しようとするのではなく、段階的に生活習慣を整えていくことを推奨しています。特に七草粥を食べる習慣には、正月で疲れた胃腸を休める効果が期待できます。
『健康カプセル!ゲンキの時間』が提案する正月太り解消法で健康的な新年をスタート【総括】
絶食は逆効果で、3食バランスよく食べることが重要
運動は食後1~2時間後が最適なタイミング
ファシア伸ばしで代謝アップが期待できる
夜だけの緩やかな糖質制限が効果的
鶏むね肉、キノコ類、キャベツが推奨食材
極端な制限は避け、継続できる方法を選ぶ
豆腐つくねスープは220kcalの低カロリーメニュー
お正月明けは徐々に生活リズムを整える
七草粥で胃腸を休ませることが大切
完璧を目指さず、できることから始める
正月太りの改善は、一朝一夕には進みません。極端な方法に走らず、今回紹介した専門医たちのアドバイスを参考に、ご自身の生活スタイルに合った方法を見つけていきましょう。継続できる範囲で少しずつ改善することが、健康的な体づくりの近道となります。