新宿 渋谷エリートバラバラ殺人事件!カオリン(三橋歌織)の生い立ち

 
カオリン 三橋歌織 渋谷セレブ妻エリートバラバラ事件
 
新宿渋谷エリートバラバラ殺人事件とは、年収1000万円超えエリート会社員と、長身でブランド服を颯爽と着こなすセレブ妻。

そんな 人がうらやむような理想的な夫婦の間で、高級マンションの自宅を舞台に 2006年12月に起こったバラバラ殺人事件である。

カオリン(三橋歌織被告/川口歌織受刑者)の生い立ち

 


 

川口歌織(以下、カオリン)は1974年、新潟県生まれ。

父親は従業員二十名ほどのコピー機器会社(川口コピー工業)の元社長(後の倒産) 母親は専業主婦、そして弟との4人家族だった。

1982年 新潟市の中心部から西へ来るまで30分ほどの新興住宅地に 両親は新築建売住宅を購入した。

カオリンは小学2年生から白百合女子大に入学するまでをこの家で過ごしているが、実家の会社の倒産により 後にこの家は売りに出され、競売にかけられている。
 
カオリンの最初の記憶は、幼稚園に入る前、トイレで父親にたたかれているシーンだという。

便座の上に座り込み「ごめんなさい」と叫んでも、父親はたたくのをやめなかった。

だから、カオリンの記憶は恐怖から始まっていて、彼女の深層心理には支配的な父親へのおびえがあるという。

父親の体罰を止めない母親もカオリンにとっては共犯で、父から体罰を食らわないように嘘をつくことでしか、自分のみを守れなかった。

父親
子供の頃から相当厳しく、叩くこともあった。
家の中では私が決めたことが絶対なので、話を聞いてやることもなく、泣くのもかまわず歌織を責めて叱ってきた
 
 
カオリンは県内で五本の指に入る進学校県立新潟中央高校に進学した。

当時のカオリンはあまり目立つ生徒ではなく、カオリンのことをあまり覚えていないという同級生が多いが、それでも何人かが唯一 カオリンについて記憶していると指摘するのは持ち物だという。

ルイ・ヴィトン、ハンティングワールドなど、高校生のカオリンは高価なブランド品を持っていた。

高校の同級生
「お母さんが“いいものを持つべき”って言うから…って。
お父さんが会社社長で高級車に乗っているのも、さりげなく自慢してたかも。
家のことも「ロフトがあるんだ」と自慢げだった。
私たちのキャピキャピには加わってこなくて、醒めてて いつも上から目線でしたね。

 
カオリンは一浪して白百合女子大に進み、ここでやっと父親の支配から解放されることになるが、高校も大学も、志望先を決めたのはすべて父親だった。

父親
歌織は「神戸か岡山の大学に行きたい」と言ったが許さなかった。
男漁りをする気なのかと。
女は東京の女子大の英文科に行って、スチュワーデスになるものだと

娘に対して「男漁り」なんて表現を使うこと自体、この人は父親としてどうかしてるんじゃないかと思う。
 

カオリンは航空会社を何社か受けたがすべて落ちてしまい、大学卒業後は証券会社などの派遣社員として働いている。

それと同時に風俗でも働き、風俗店で知り合った会社社長と不倫関係になり、世田谷区野沢のマンションの家賃165,000円を 1998年12月から2003年3月(結婚半年後に新居に引っ越すまで) 肩代わりしてもらっていた。

不倫相手とは海外旅行にも出かけていて ずいぶん長い付き合いなのだが、2002年、不倫相手との関係はそのままに、カオリンは新潟の御曹司と見合いをし、婚約をした。

ところが結納まで交わしているのに「暴力を振るわれた」と父親に訴えて、これを破談にしている。

カオリン
婚約者がマザコンで、新居の寝室を見たときにこの人とここで暮らすのはありえない!と思って指輪を返した

・・・と同僚は聞いていたそうだ。

カオリンの元婚約者の母親によると「それは全部うそ。男の存在に気づいて質した息子に、歌織の方が逆ギレしたんです。彼女はお金がすべてなの。結納のときも一度も目を見て話すことがなかった。」
 
 
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川口歌織と三橋祐輔の出会いから結婚まで

 
2002年11月に、カオリン(当時28歳)は 後に夫になる三橋祐輔さん(26歳)と合コンで出会っている。

合コン同席女性
わざとこけて男の関心を引いたり、バッグから物を出すのに「ジャーン」と効果音をつけたり。
行動全部が男性の目を意識してやってる感じだった

三橋祐輔さんは二浪して入った中央大学法学部を卒業して1年半、弁護士を目指して、法律事務所でアルバイトをしていた。

バイト料は12万円ほどで、友人の家を泊まり歩く生活をしていたという。

そんな祐輔さんは2002年末「3日だけ泊めてほしい」と強引にカオリンのマンションに転がり込んできた。

合コン同席女性
祐輔さんはあの日、カオリンをすごく気に入って、連絡先を教えてほしいと言ってきた。
カオリンに聞いたら「いいよ」というので、メールアドレスを教えて、1週間後には二人は付き合いだしていた。

そして祐輔さんはカオリンのマンションで暮らし始めた。

祐輔さんは歌織と合コンで出会った翌日、女友達にこういった。

三橋祐輔
運命の女と出会ったんだ。 
背が高くてきれいで、すごいお嬢様で、しかも丸紅に勤めている。

二人は出会って四ヵ月後に入籍したが、祐輔さんの両親への報告は葉書一枚だけだったという。

祐輔さんは当時月収15万円だったが「歌織が広い部屋でないとだめだと言うから」と家賃12万円の部屋を借りた。
 
歌織は結婚を機に退職した。

何もかもが幻想だったことは程なくして明らかになる。

歌織は丸紅の社員ではなく派遣社員として短期間働いていただけであった。

だが、直筆との履歴書には大学卒業後ずっと丸紅で働いていたという嘘を書いていた。

ブランド品の万引きの常習犯として逮捕され、祐輔さんに鼻の骨を折られたといってDV被害者保護のシェルターに逃げ込んだときも 施設から勝手に抜け出して 高価な靴を祐輔さんのカードで買った。

裕福そうだった独身時代の暮らしも、父親ほど年の離れた男と愛人関係になり、援助してもらったものだった。

学生時代は新潟で小さなコピーサービスの会社を営む実家から月40万円近くもの仕送りをもらっていたので生活には困らなかったにもかかわらず、ソー●ランドでアルバイトもしていた。

via:怪事件の真相47

2003年3月上旬 カオリンは妊娠したが、祐輔さんの給料が安いという経済的な理由で堕胎した。

二人が結婚したのはその後で、入籍したのが2003年3月29日、親の反対を押し切って。

そこで祐輔さんは弁護士の夢を捨てて、不動産関連会社に転職するが、カオリンの母親は新潟で「娘は弁護士と結婚した」と自慢していたという。
 
 




 
 

激しいDVの結婚生活

ところが カオリンの結婚生活は暴力と、監視と束縛の連続だったと彼女は言う。

1日に50回以上の電話やメールでの行動確認、匂いチェック、レシートチェック、身体的DVと 精神的DV

カオリンは3年9ヶ月の結婚生活の中で2回の脱出を図っているが、暴力を振るわれて早くから離婚の意思を持っていた。

夫・祐輔さんを憎みながらも結局元の暮らしに戻っていっていたのは おそらく転職後の夫・祐輔さんの経済的な魅力に惹かれたのだろう。
 
 

カオリン1度目の脱出

2004年5月に、カオリンは離婚を決意して、新潟の実家へ戻っているが 結局実家も父親が支配するDV家庭。

なので逃げ帰っても、まったく救いがなかった。

カオリン
夜11時から1時過ぎまで、父は一方的に怒鳴り続けた。
“お前みたいな女が、ああいうろくでもない男と結婚するからこうなるんだ”と。
実家は自分がいるべき場所ではないと、父から教えられました。
母は二人になったとき、ボロボロ泣くだけでした。

普通の親であればは「今すぐ別れて帰って来い」と言うところだろうが、この父親が救いの手を差し伸べることはなかった。

それどころか この頃には経営していた会社が負債を抱えて倒産して生活が苦しかったせいもあり、慰謝料の話ばかりしていた。

カオリン
(2006年12月13日に父親から)「お前のほうから絶対離婚すると言うな。慰謝料が八百万円くらいもらえるんだから」と言われました。

・・・これはカオリンが夫を殺した翌日の話。

カオリンの2度目の脱出

2005年6月、夫が帰宅したときにカオリンがメールをしていたことが理由で、夫の妻に対する凄惨な暴力が始まったという。

容貌が変わるほど殴られ、鼻骨骨折の重傷を負ったカオリンは警察に保護されて、シェルターに送られた。

医師の診察ではDVによるPTSDを発症していると判断され、心理面接を受けて はじめて彼女は自分がDV被害者だと自覚したそうだ。

当然、医師は強く離婚を勧めたが、カオリンは再び家に戻っている。

カオリンによると 三橋祐輔さんはカオリンに暴力を振るったときに彼女を裸にして写真を撮り「俺から逃げたらこの写真をばらまく」と脅していたというのだ。

それが怖くて シェルターに送られた後に家に戻ったという。

カオリンはこの写真を家の中でずいぶん探し回ったというが、夫を殺害した後に、やっと見つけ出したと言っている。

そしてこれをそのままゴミ袋にポンと放り込んで捨ててしまったという。

※この話は死人に口なしで彼女の言い分が事実かどうかはわからない。
しかし単純に考えても、恥辱の写真をそのままゴミ袋にポンと放り込んで捨てるだろうか?
彼女のマンションはごみを管理人が分別チェックするのだ。
こういうものを捨てるときは破るか シュレッダーにかけるか 焼くかして処分するはず。

夫殺害の前にその写真を探したが見つからなかったのに、殺害後には写真が出てきたのでゴミ袋に入れて捨てたと供述しているが、それは話ができすぎてやしないか?
カオリンの言う「性的な写真」は一枚も押収されていないので、それが存在したと言う証拠もなく、真実かどうかは怪しい。

 
 
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妻から夫へ3つの提案

「絶対にあいつを許せない。離婚するにしてもできるだけのことをする!」

そう考えたカオリンは家に戻り、夫の3つの提案をする。

「離婚する」
「刑事事件化して離婚する」
「公正証書を作ってやり直す」

そして、離婚した場合は、夫が妻に3600万円の慰謝料を支払う旨を明記した公正証書を作った。

DV被害者でありながら 夫を公証人役場まで連れて行き、公正証書に判を押させた・・・カオリンの強さと欲は半端ないことを改めて実感する。

夫から鼻骨骨折するほど殴られるよりも、エリートサラリーマンがもたらす経済力のほうを選ぶなんて、普通は考えられないと思う。

自分がDV被害者だと自覚した人は「被害者の優位性」に立つために、加害者相手に勝利を収めようとするらしいが、そういう心理なのだろうか。

そしてカオリンは公正証書を作成することで、夫より優位な立場に立てると思った。

カオリンはDV被害を受けることで、夫・祐輔さんを離さない決断をしたのである。

彼女は夫には未練がなかったが、お金には未練があったのだ。

事件現場となった高級マンションにお引越し

2006年1月、三橋祐輔さんは弁護士の夢をあきらめて、外資系不動産投資信託会社「モルガン・スタンレー・プロパティーズ・ジャパン」に転職した。

渋谷エリートバラバラ殺人事件 三橋歌織

【渋谷エリートバラバラ殺人事件】via:事件現場(大島てる)

 
それに伴って三橋夫婦は、会社が借り上げている東京都渋谷区富ヶ谷の高級賃貸マンション「プレミアブラン代々木公園1004号室に引っ越した。

事故物件と怪異談!新宿渋谷セレブ妻エリート夫バラバラ殺人事件

会社の借り上げ物件とはいっても 家賃20万円は自腹負担だったらしい。
 
このマンションに移ってから カオリンが祐輔さんをどついたり、殴ったり、玄関から外に引きずり出すといった 妻から夫への暴力を知人が目撃している。

そしてカオリンも そのときの暴力行為については認めている。

確かにかつてはカオリンはDVシェルターに収容されるほどの暴行を夫から受けてはいたが、一方的にやられっぱなしだったのかどうかは怪しいような気がする。

2006年の夏(夫殺しの半年くらい前)に、カオリンの高校時代の友人が新宿のデパートでばったり彼女と出会っている。

高校の同級生
彼女はきれいだった。
シンプルなものをさらりと着こなし、時計はシャネルのスポーツタイプ。
いい生活をしているなと思った。
翌日にはメールで「今日は銀座にいます」って言ってきて、専業主婦の優雅な生活を感じた。

他人の目にも「いい暮らしをしている」と映る当時のカオリンには、DVの影が微塵も感じられない。

実際、夫のDVにおびえる妻が、こんな優雅な暮らしをしていられるだろうか!?

当時のカオリンは財布の紐を握ってお金を使いたい放題で、家事は放棄し、浮気相手もいてやりたい放題の生活を送っていたのだ。

それらのことを考えると、過去のDVという既成事実はあっても、三橋祐輔さんが常にカオリンが言うほどのひどいDV夫だったとは考えにくい。

たびたび喧嘩の仲裁に呼び出された夫婦共通の友人によると、祐輔さんの暴力はカオリンが言うような一方的な暴力ではなかったようだ。

カオリンは友人たちの前で祐輔さんを足で蹴り、ビンタを食わせ、あざが残るほど突き飛ばしたり、彼の時計や財布、キャッシュカードなどを取り上げて、家の外に祐輔さんをほうり出したこともあるという。

しっかり目には目を…で、やり返していたのでは!?と思われる証言…さすがに男性が本気で手を上げたら、女性には太刀打ちはつかないけれど。

やっぱりカオリンは「法廷の女優」だったんだと思うし、虚言癖があるから どこまで本当のことを言っているのかも、かなり怪しいと思う。

2006年12月(犯行直前)カオリンは祐輔さんを連れて、物件めぐりをしている。

ところがここにも夫妻の交わらない欲望が。

妻は億ションを望んでいたが、夫のほうは投資用マンションの購入を考えていたと見られている。

そしてこの頃、カオリンの実家の会社は倒産し 約2500万円の借金を背負い、両親は家も何もかもを手放すことになり細々とした生活に入っていた。

それに伴いカオリンの父親が娘のところに介入する姿が この頃頻繁にみられている。

前述のとおり、この父親は、祐輔さん殺害の翌日にカオリンに「慰謝料を800万円くらい取れるから絶対離婚するな」などと耳打ちしていたくらいなので、娘を金づるとしてみていた節がある。
 
 
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カオリンの精神決壊

夫の三橋祐輔さんは2006年11月から不倫をしていた。

離婚して3600万円を払いたくないがために離婚を拒否していた夫が 不倫により態度を変え始めたのがこの頃だ。

2006年12月9日土曜日、不倫に気づいていたカオリンは夫と浮気相手の女性との電話の録音に成功した。

出かける前にICレコーダーをセットしていたのだ。

そして12月11日月曜日、再生して音声を確かめた。

カオリン
これでやっと別れられると思った。
祐輔さんに浮気を知ったことをほのめかして「話し合いたいから、早く帰ってきて」と電話した

カオリンは 渋谷で会うはずだった友人を自宅に呼び、音声を聞かせた。

友人が帰った後には母親に電話し、浮気の証拠の音声の存在を話している。

なぜカオリンはこんなことをしたのか?

自分を捨て、結婚を前提で付き合っている浮気相手と夫の会話音声を聞いたとき、カオリンの中で何かがはじけたのだ。

今までは「被害者の優位性」で保ってきたバランスが そこで一気に崩れてしまったのだろう。

これが弁護人の言葉を借りれば「短期精神病性障害を発症」した状態である。

それまで何とか均衡を保っていた精神の決壊が崩れて、カオリンは急性錯乱状態になっていた。

午前4時、祐輔さんは女性宅から帰宅し、カオリンに「浮気なんてお前の妄想だよ」と罵りの言葉をぶつけたとき、カオリンはワインボトルを手にし、リビングに向かった。

カオリン
わーっと地球上のすべてのエネルギーが体からこみ上げてくる感じがした。
私の生活状況すべてが面倒くさくて。もういいやって。
でもその瞬間のことは覚えていない。
彼が生きているときは天気がよくても暗く見えていた代々木公園が明るくきれいに見えた。
そのときは笑っていたと思う。

夫をワインボトルで殴るカオリンにはまったく容赦はなかった。

夫の頭には8ヵ所の挫創と亀裂骨折が残っていた。死因は脳挫傷である。

死体遺棄

夫・祐輔さんを殺害した当日、カオリンは園芸用の土を買うことを思いついた。

クローゼットを横倒しにして中に土を敷き詰めて、夫の遺体を横たえれば、土が血を吸ってくれる。

本当は遺体を早く部屋の外に運び出したかったが、このままでは大きくて重くて台車で運べない。

のこぎり、台車、ブルーシート、ゴミ袋、キャリーケース…必要なものは全部用意した。

音楽を聴きながら、何も考えないで切ってしまおう。

解体の所要時間はカオリンの感覚で2~3時間といったところだった。

そしてカオリンは日記にこう記した。

「フット、ハンド、ボディー、バラバラ完了。外に置く」

12月15日深夜から16日にかけて遺棄に出かけた。

二枚重ねにした都指定のゴミ袋に上半身を入れ、キャリーケースに詰め込み、翌日の深夜、タクシーに乗った。

タクシー運転手から「においますね」と言われたカオリンは慌てて車を止めて降り 10分ほどの西部新宿駅そばの植え込みに上半身を遺棄。

下半身はゴミ袋に入れて台車に乗せ、近所の空き家の玄関先に放置した。

頭部はバッグに入れて、小田急線の急行に30分揺られて町田へ行き、公園の樹木が生い茂るエリアにシャベルで35センチの穴を掘り、埋めた。

指紋から身元が特定される左右の腕は家庭用ごみとして、自宅マンションとは別のゴミ捨て場に捨てた。
 
 
後にカオリンは法廷で、殺した夫と会話をしていたと証言した。

カオリン
あたしは土仕事が大嫌いなのに、何でこんなことをやらなきゃいけないの!
亡夫
だって、そのままにしておくわけにはいかないだろ
 
 
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事件発覚

2006年12月16日、東京都新宿区西新宿の路上で、ビニール袋に入った上半身だけの切断死体が見つかった。

通行人男性が「白いポリ袋に入ったマネキンのようなものがある。死体かもしれない」と110番通報している。

歌舞伎町などに近い土地柄から、暴力団関係者やマフィアなどの犯行が疑われ、被害者は外国人なのではないかという憶測も飛び交った。

12月28日、渋谷区内の空き家で、下半身だけの切断死体が発見された。

犬の散歩をしていた通行人の女性が、最初にその異変に気付いた。

犬がこの家の門のあたりで立ち止まったので、ふと中をのぞくと、門から約7メートルの所に男性の下半身遺体がうつぶせに横たわっていた。

驚いた女性は近くの交番に駆け込んだ。

敷地内のブロック塀にさえぎられていたので、下半身の発見は12日も遅れた。

セレブ妻・カオリンの逮捕

カオリンは新宿で上半身の遺体が発見される前日に「主人が12月11日に会社に出たまま帰宅しない」と三橋祐輔さんの捜索願を出していた。

そのときには上半身の胴体の長さから この遺体は捜索願が出ている男性よりも身長が低いとみられていたため、捜査本部はリストから外していた。

しかし後に渋谷で下半身が見つかったことで身長が判明し、長身で足が長かった祐輔さんもリストに新たに含まれた。

そのときに決定打となったのがカオリンが捜索願で書いた「胸に手術痕あり」の記載だった。

捜査員が三橋祐輔さんの周辺者に胸の手術痕を聞くと「彼にはそんなものはない」という。

これが決定打となり、カオリンの虚偽の捜索願が明らかとなった。

そして上半身と下半身のDNA型が一致し、この遺体は外資系不動産投資会社に勤めるエリートサラリーマン、三橋祐輔(みはしゆうすけ・当時30歳)さんだと判明した。

そして2007年1月10日、警察は死体遺棄の容疑で三橋祐輔さんの妻・三橋歌織(みはしかおり・32歳)を逮捕した。

三橋歌織の供述どおり、町田市の芹が谷公園で三橋祐輔さんの頭部が発見されたが、手首はゴミと一緒に捨てたとされ、とうとう見つからなかった。

女優カオリンの舞台は法廷

三橋祐輔さんの母親はこういう。

「被告は裁判ではいつも言いたい放題。法廷を自分の舞台と考えているかのようだ。」

三橋祐輔さんの母は、裁判所に提出した手記で怒りをあらわにした。

確かにそうだ。法廷を注目した誰もがそんな風に感じたかもしれない。

三橋歌織は法廷に立つとき、いつも隙がなく品のよいファッションで登場した。

そして、思わず「どうしたの?」と男性が心配して声をかけたくなるような、ちょっとブルーな表情をして入廷する。

さらに刑務官から手錠をはずしてもらうと、自由になった左手でサラサラの長い髪をかき上げる。

まるでシャンプーのCMを見ているかのようなワンシーンは「私は女優よ!」と言っているかのように見えた。

でもこの裁判が一気に注目を集めたのは こんな猿芝居ではなく、2008年3月に行われたカオリンの精神鑑定で、検察側・弁護側ともに「犯行時、心神喪失の可能性があった」と言う結果が出たときだ。

これを機に法廷での争点が一変した。

ここで争点が「夫を殺した理由やいきさつ」から「カオリンには刑事責任能力はあるのか?」にがらりと変わったのだ。

さらにカオリンは自分が経験した幻聴や幻覚を法廷でとうとうと語り、法廷は異様な雰囲気に包まれた。

つまり 法廷は完全にカオリンの独壇場と化していたということである。

「右肩に死んだ夫がいて、会話していた」

「映像がどんどん切り替わり、キラキラ感があった」

「遺体を捨てたとき、夫の声が聞こえた」

「警察署で、鏡に映った彼の姿を見た」

「血を流す裸の女の“助けて”という声がした」

「火の見やぐらに登る八百屋お七の姿」
 
 
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一審・東京地裁~懲役15年

裁判長は精神鑑定から導かれたカオリンの犯行時の「短期精神病性障害」を認めたが、責任能力も認めた。

「殺害時や遺棄したときの行動は、被告の意思や判断に基づいて行われた」と。

そして求刑懲役20年だったところを5年引いた懲役15年とした。

振り返れば カオリンと弁護側は精神鑑定の結果を受けてからは、法廷での演出を明らかに変えてきていた。

はじめは「ワインボトルで夫の頭めがけて殴った」の証言が「ボトルが重くて振り下ろしただけ。後は覚えていない」と殺意を完全に否定した。

幻覚については「頭のおかしい女だと思われたくないから、鑑定医にしか言えなかった」としつつ、死んだ夫と会話しながら遺体処理や遺棄をしたと語る。

個人的にはカオリンははじめから夫殺害を視野に入れていたと思うし。

夫の捜索願を出したり、自宅をリフォームして隠蔽工作をするのは、やはり何もかも承知して 半分は計画的にやったとしか思えないのだけれど…懲役15年って軽くない?

2008年4月28日、一審の判決公判に、カオリンのファッションが白一色だったのは「潔白」を象徴したかったのか!?

裁判長
あなたが受けた暴行は認定しました。 
ただそれが刑事責任に影響を与えるものではないということで、懲役15年としました。 
自分がしたことについて、じっくりと考え直してください。

二審・東京高裁~懲役15年

一審判決から2年後の2010年(平成22年)6月22日、東京高裁において、カオリンの二審判決が言い渡された。

裁判長
被告は不出廷です。 
本件控訴を棄却する。未決拘留日数中六百日をその啓に参入する。

裁判長の言うとおり、目の前の証言台は無人。

傍聴席の最前列には祐輔さんの遺影を抱いた両親の姿があった。

二審の初公判から、カオリンは出廷を拒否し続けたまま、判決の日を迎えることになった。

控訴審には被告に出廷の義務はないが、被告が法廷で罪と向かい合う姿を見せたり、意見を述べる最後の機会となるかもしれない「チャンス」のはずなので、出廷しないほうが珍しいはず。

この事件では十中八九ないとは思われるが、一般論からいえば 控訴審で逆転無罪という確率だってゼロではないはず・・・なのに、カオリンは出廷を拒絶した。

二審では裁判所が精神鑑定を実施し、一審鑑定とは真逆の「精神障害は認められない」という結論が出されていた。

よって「責任能力に問題なし」

さらに一審鑑定での信用性の低さが指摘され、「短期精神病性傷害」は否定された。

懲役15年という同じ量刑ではあるが、判決内容はまったく異なるものとなった。

ただし二審でもDVについてはきちんと認定されている。

しかし裁判長は、DVがあったとしても犯行は許されるものではなく、カオリンの犯行は凄惨、冷酷、無残である、と断罪した。

実はカオリンが二審で拒絶したのは法廷への出廷だけではない。

弁護士が再三説得したにもかかわらず、再鑑定における鑑定人との面接にも応じようとしなかった。

かろうじて1度だけ鑑定人との面接があっただけで、仕方がないので結局は一審の記録に基づいて鑑定が行われたという、これも異例のものだった。
 
 
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塀の中でもセレブ

裁判には出ない、鑑定人の面接にも応じない・・・いったい彼女はどういう神経をしているのか。

拘置所で面会したAさん
歌織は「法廷では侮辱された。あれは本当に屈辱だった」とはっきり言っていた。 
だから法廷には二度と出ないと言ってた。

カオリンは自分の罪に向かい合う気はなく、遺族に申し訳ないとも思っておらず、謝罪の気持ちなどサラサラない。

Aさん
態度がでかいんだよ。
面会室の中に看守より先に入ってきて、看守に促されるより先に、どさっと椅子に座るの。
堂々としたもんだよ。
「おじさん、こんにちは」って顎をしゃくりげるように挨拶をした。
その堂々とした態度に唖然とした。
 
法廷じゃうつむいて泣いてたんだよ、歌織は。ハンカチを目に当てて。
法廷とまったく違って強気というか、落ち着いているというか、居直っているというか、ケロッとしてる。
そのギャップに本当にびっくりした。
 
「おじさん、出たら挨拶に行きますから」って。
これから刑務所に行く人の言葉と思えなかったよ。
反省はまったくしてないし、今でも向こう(三橋祐輔さん)が悪かったと思ってるよ。
 
本音は無罪になって1日も早く外に出たい。
新潟へ帰りたいって何回も聞いたよ。
 
俺、目を丸くしたんだけど、歌織、スカートをはいてたんだよ。
上は黒のタートルネックの半そでのセーターで、下は短めの白のスカート。
拘置所って、スカートはいてていいのかね?
 
拘置所でも歌織はおしゃれだよ。
ジャージ姿なんて一度もみたことがない。
いつもこれから銀座か新宿にでも行くのかという恰好。
周りについているのは女性看守ばかりだって言うけどね。

塀の中でカオリンのおしゃれ生活を支えているのが実母からの差し入れだという。

ただし、下着や洋服などのいろいろな注文が贅沢すぎて、母親がこぼすこともあるのだと。

塀の中にいても、これがカオリンなのだ。

カオリン
おじさん、アタシ、バナナ食べたよ、昨日
Aさん
へえ、拘置所ってバナナ、食べられんだ
カオリン
そうだよ。差し入れに注文するの。
お菓子とか果物の缶詰とか、毎日好きなおやつを食べてるよ
Aさん
いい身分だなー。
カオリン
運動のときはストレッチをしてるよ。
お風呂は週二日だけなの。 
ラジオは聴けるけど、ほんと退屈だよ
via:セレブモンスター

カオリンは法廷で演技しすぎた

母親からの潤沢な現金の差し入れがあるため、カオリンは塀の中でもお金に不自由はしていない。

カオリンは罪の自覚がないから、拘禁=屈辱と感じている。

彼女に残っているのは自分がやられたことへの怒りと屈辱のみ。

Aさん
歌織は法廷であまりに演技しすぎたと思う。あれは狂言だったと思うよ。 
歌織は今でも受けた暴力に納得しておらず、相手が悪いと思っている。 
自分が悪いことをしたとも思っていないし、罪の自覚もあるのかどうか。 
冥福を祈るなんて、そんな気持ちがあるとは思えない。
 
現在・過去・未来、カオリンの辞書には「後悔」「反省」「謝罪」(心からの)という文字はないのかもしれない。

「法廷の女優」は懲役15年の実刑を得ても、これからもずっと「被害者」を演じ続けて生きていくのかもしれない。
 


 

現在カオリンは、畠山鈴香(飽きた児童連続殺人)と同じ女子刑務所に服役している。

ちなみに、カオリンも畠山鈴香も ともに今年(2017年)43歳で、援助交際世代と呼ばれたバブル期に同じ青春時代を送ったかつての女子高生である。
 
 

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