架空請求詐欺仲間割れ殺人事件【振り込め詐欺団殺人事件】

清水大志 死刑囚 振り込め詐欺団殺人事件 架空請求詐欺仲間割れ殺人事件

2004年(平成16年)12月、警視庁はそれまで「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「融資保証金詐欺」「なりすまし詐欺」など、個別に呼び名があった詐欺事件を 振り込め詐欺と統一名称で呼ぶことを決定した。

犯罪件数が急増し社会問題化した振り込め詐欺事件捜査に力を入れるためである。

稼ぎの集まるところに犯罪者とトラブルが集まる。

振り込め詐欺でゲットした多額のあぶく銭の分け前を巡り、詐欺団の中で仲間割れや闘争が起こったのがこの「架空請求詐欺仲間割れ殺人事件」である。

詐欺団摘発の発端

この事件を起こした詐欺団の手口は、「関東中央管財局」の名ではがきを送るところから始まる。

ある日、徳島市の自営業者の娘宛てに、そんなはがきが舞い込んできた。

関東中央管財局からのはがき
あなたは電子消費料金未納で訴えられています。

驚いて連絡を入れてみると 「裁判を取り下げるなら、弁護士費用として38万円を振り込め」という。

典型的な架空請求詐欺の手口である。

架空請求詐欺事件の捜査開始

2004年5月、この被害届が徳島東署に出され、振込先口座を手がかりに捜査が開始された。

その口座は、多重債務者が暴力団に転売した口座のひとつであると判明した。

金融機関の防犯カメラから、振り込まれた金を引き出しに来る「出し子」を割り出した。

この詐欺団の不法収益は、徳島県警が洗い出した2004年秋の1ヶ月だけで約1億7000万円に上る。

詐欺団の90余りの口座に、19都県約350人の被害者から振り込まれていた。

そして2005年2月、出し子のまとめ役と、それを管理する部長役が逮捕された。
 
 
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振り込め詐欺と殺人事件の両面で捜査を開始

「部長」の阿多真也(当時27歳)の供述により殺人事件が発覚。

阿多真也
詐欺団の内部抗争で、4人を殺して死体を遺棄した。

2005年6月8日に、詐欺団のリーダーで「社長」清水大志(当時26歳)を逃亡先の福岡市で逮捕した。

振り込め詐欺団の組織編成

 


 
この詐欺団は「社長」を頂点にして「専務」「部長」「課長」と、まるで一般企業のように組織化され、「部長」が「詐欺チーム」20名ほどを統括していた。

清水大志の下には、少なくとも3つの詐欺チームが存在していたと見られていた。

詐欺チームは「葉書係」「電話係」「出し子」といった作業ごとの実務班に分かれて担当する。

社長の清水大志が26歳であったように、詐欺団の構成員は大半が20代の若者だった。

詐欺グループの内部抗争はなぜ起こったか?

詐欺団の稼ぎの分配の内訳は、社長が5割、部長が1割、葉書係は週20万円などと決められていたが、この分け前の不満から内部抗争が起こり始めたのは2004年の10月からである。

詐欺団を抜け、中国人マフィアと組んで詐欺団の収益金を奪おうと計画した者が 詐欺グループに4人いた。

これをいち早く察知した詐欺団側が、この4人を次々に拉致して、新宿の事務所に監禁した。

見つけられた裏切り者は一般道で車の窓ガラスを金属バットで叩き割られ拉致されるという、まるで暴力団抗争のような荒っぽい手口を使ったという。

拉致された4人は新宿の事務所ですさまじいリンチを受けて殺害された。

そして暴力団幹部に謝礼を1億円以上払って死体遺棄を依頼した。

茨城県小川町の雑木林の中にある不法産廃投棄場所に深さ5メートルの穴を掘り、袋詰めにされた4人の遺体が埋められた。

死体遺棄に手を貸した暴力団員らを含めた18人がこの殺人事件で起訴され、詐欺グループの清水大志(2017年8月時点で38歳) 渡辺純一(40歳) 伊藤玲雄(43歳) の三人に死刑が確定し、三人とも東京拘置所に収監されている。
 
 
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