インコのおもちゃを100均で買うな!命にかかわる「べからず」集
愛鳥のおもちゃに「何を選ぶか」は インコの寿命の明暗を分ける大問題です。おもちゃは基本的に消耗品ですから高価なものである必要はありませんが、「まとも」で「安全」なものを選んでください。
これはあなたの愛鳥の長寿に直結している由々しき問題です。100均のテキトーなものを選ぶとインコが急死します。
インコのおもちゃに100均御用達…という人が多いようですが、今すぐやめましょう。
100均ものはインコの亜鉛中毒のリスクが高い
インコのおもちゃは「種類」だけでなく「素材」に注意して「安全」なものを選ぶことが先決です。
インコはおもちゃを口に入れるので、100均の小物をおもちゃにすると亜鉛中毒をおこすリスクが高いです。
金属中毒は命に関わる見えない脅威
インコのおもちゃの金属パーツには鉛や銅など、インコの体内に入ると中毒症状を起こす物質が含まれていることがあります。
口に入れたりかじって遊ぶことで体内に亜鉛が取り込まれて金属中毒を起こします。
注意すべきは金属製品だけに限った話ではありません。金属だけでなく、塗料の中にもインコに有害な鉛・亜鉛が含まれているものがあります。
100均で売ってるペット用品はカラフルなものも多いですよね。見た目がかわいくても中身は…(怖)
小さな金属製のチャームや塗装された鈴や金属製のおもちゃには、鉛・亜鉛などの有害金属が含まれている可能性があります。
特に100均で売っている鈴やキーホルダー、ストラップ小物類の金属部分や塗装では、インコが金属中毒を起こす確率が非常に高いです。
「100均でちょうどいいインコのおもちゃを見つけた!」という人をSNSでよく見かけますが、
「ちょうどいい」のはサイズだけ。それ、ほとんどがレッドカードでやばいよ。
金属中毒を起こして処置が遅れたら、インコがお星さまになってしまいます。「そんなの知らなかった」ではすまないのです。
何とか命が助かったとしても、両足が麻痺して動けなくなるなどの重篤な後遺症が残る場合もあります。
ウチのミカヅキインコも、
金属中毒で両脚麻痺になりました。
温熱療法などで脚の回復も
視野に入れましたが難しいと診断され
断念しました。やはり腹這い生活なので初めは
褥瘡などもお腹に出来てましたので心配も。。クチバシを上手に使って移動したり出来るようになってからはこんな感じです pic.twitter.com/tUM5dC9ydK
— life915@みなっち🌙ミカヅキ (@life9155) December 21, 2021
ちなみに、すべての金属部分を総ステンレス製にしている小鳥用のおもちゃメーカーでおすすめはアロハヘブンです。
100均の器で水を飲んだインコが金属中毒!?
これはおもちゃではありませんが、某100均の陶磁器に入れた水を飲んだインコが金属中毒を起こした例もあります。器から鉛が溶けだしたのです。
陶磁器に使う釉薬は鉛で溶かしやすいのです。釉薬が溶けやすければ、その分の光熱費を節約できるので、中国製は鉛を多用しているようです。
これが100円で売っても赤字にならないからくりのひとつです。
陶磁器の焼成温度が低ければ(=光熱費を削減していれば)器から鉛が溶けだす危険性が高くなります。そのせいでインコの飲み水で金属中毒が起きたのだと思われます。
これはインコどころか、人間にも相当ヤバいレベルですが、知らない人が多いです。
中国製は想像以上にヤバいのです
こんな情報は目新しいものではないので、すでに知っている人には今さらジローな提言ですが、安さだけで100均商品を選ぶのはやめましょう。
人もインコも寿命が縮みますよ。
インコが舐めるもの・かじるものは全ておもちゃと捉えるべし
おもちゃではないですが、5円玉や500円玉硬貨には亜鉛が含まれていますし、10円玉硬貨は銅が含まれています。
お金はきれいなものではないのでおもちゃにさせる人はいないでしょうが、目を離したすきにインコは何でもおもちゃにしてしまうので注意が必要です。
亜鉛も銅も鳥には有害で金属中毒を起こします。硬貨で遊ばないようにしてください。
ナスカンだってインコは舐めたりかじったりしますけれど こんなこともあるのです。
亜鉛合金製のナスカンを使ったらセキセイインコが吐いて下痢をしたとのことで来院しました。このナスカンはしばらく使っておらず古いもので、腐食が見られました。扉に使ったらずっと舐めていたとのことでした。レントゲン検査で金属片は見られませんでしたが金属中毒の可能性が高いです。 pic.twitter.com/hp5WTORIIm
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 19, 2022
インコの金属中毒症に対する2つのリスクヘッジ
これらは言うまでもなく徹底すべきことですが(でも意外とできてない)
カーテンウェイトを食べたかもしれないとワカケホンセイインコが来院しました。カーテンをほじって鉛が落ちていたようです。レントゲン検査をした所、幸い消化管内に金属片はありませんでした。こちらのレントゲン画像の筋胃内にある白い影はグリットです。ペレットが主食なので、ペレットに含まれる炭… pic.twitter.com/xLBljLh5Z4
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 20, 2023
これらの対策を徹底することが 現実的かつ賢明な金属中毒の予防になります。
インコが鈴をかぶる!?ベルのおもちゃのおすすめと注意点
鈴(ベル)の音を喜ぶインコも、インコがベルをつつく姿もほほえましく思う飼い主さんが多いです。
鈴やベル、マラカスなどの音が鳴るおもちゃのメリットはインコをノリノリにして気分上げるだけではありません。
音が鳴るおもちゃは「おもちゃで遊んでいるな」が音だけでわかる…つまり今日もインコが元気なのか?ご機嫌で過ごしているのか?などの確認のめやすになり、飼い主さんの安心感にもつながる便利なアイテムでもあるのです。
ベルは音を楽しむアイテムなのですが、鈴をインコにかぶってほしくて、わざわざベル付きおもちゃを購入する飼い主さんもいたりします。
インコ的には、頭がかゆかった時にベルが当たったら掻いてるみたいで気持ちよかったとか、カキカキしてくれる相手がいないからその代わりのセルフカキカキ…と考えているのだと思います。
でもまるで帽子をかぶっているように見えるその姿は、やっぱりかわいくてウケますよね。
ナナメに鈴帽子をかぶるおしゃれ上級者 pic.twitter.com/toCPGSHDAP
— 遥 (@kgt9d) October 12, 2022
#コザクラインコ #小桜インコ#ひょうきんインコ
朝はいつも鈴の帽子をかぶるインコ💕 pic.twitter.com/8PQnSewiRK— TAKABATAKE ten,ami (@tentenami) January 12, 2023
インコのおもちゃに鈴を使う時の注意点!鈴はケガをしやすいので要注意
金属製の鈴はインコが怪我をする可能性がありますから、鈴を使うならプラスチック製を選んだ方がいいです。
ラッパ型のベルを選ぶべし!鈴の細長い孔に舌や足指が挟まるのが危険!
鈴は英語ではベル(bell)の他に「鈴」に該当する表現がないため英語圏では 鈴=ベル です。
日本人にはラッパ型のベルのことも「鈴」と呼ぶ人が多いですが、この記事では「鈴」と「ベル」は別物扱いしていることを予めご了承ください。
そしてこの記事で紹介するのはカップ(ラッパ)状の形をしたベルのおもちゃであり、鈴を使ったものではありません。
細長い孔があって内部に小さな球を入れて鳴らす金属製の「鈴」を使ったおもちゃはおすすめできません。
鈴にはプラスチック製のものもあります。プラスチックであれば金属製の鈴よりはケガをする確率は低いですが、鈴の形状からして、細長い孔にインコの舌や足指が挟まることはよくあることです。
インコは幼児と全く同じで、ちょっとした隙間に体の一部を入れようとしますし、飼い主(大人)が想像しないような行動をとることもしばしばあります。
なのでどんなおもちゃを与えるにしても、気を抜かずに観察を継続することが大切です。
さらに、金属製の鈴は、ステンレス製であろうとなかろうと事故の危険性がありますから、今お持ちのおもちゃに鈴がついているなら外しておくか、ベル(できればステンレス製の)に交換した方が良いです。
鈴にあいている細長い孔のふちを舐めたインコの舌が切れる事故は珍しくありません。想像しただけで痛くて怖くなるでしょう?
販売店に危険性を指摘された方もいらっしゃいますが、全く聞く耳を持たれなかったそうです。
「ドイツ」「ステンレス」で安全と謳っていますが、これは小鳥用ではなく救助犬や人の子供用とのこと。
動物の安全について厳格なドイツでは小鳥用に販売出来ないものかも知れません。
ご注意ください。
— bong108 (@bongbong108) July 23, 2020
これでも不良品ではありません。
これが仕様で、どれを買ってもこの状態です。
もし現在お使いの場合は、即使用を止めてあげてください。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/EZHw449xxY
— bong108 (@bongbong108) July 24, 2020
インコのおもちゃのステンレスパーツは別売で入手可能
インコのおもちゃとして販売されているものはおおむね安全性が高いと考えられますが、金属中毒の予防を徹底したい方はステンレス製のベルを選んでください。
ステンレス製のベルは別売パーツで入手できます。鳥の金属中毒を心配しているくらいなら、ステンレスベルに付け替えることをおすすめします。
ALOHA HEAVEN ( アロハヘブン ) / ステンレスベル & ステンレスリング
うちのセキセイインコちゃんブランコに付いたベルが大好きです。金属中毒になったら怖いなと安心のステンレスに交換しました。とってもきれいな音がします。インコちゃんも気に入ってくれて、頭にかぶったり、お顔を突っ込んでお喋りしたり、頭やお顔をカキカキに使ったりしています。
うちのコザクラインコ用に購入しましたが、元々鈴が好きみたいでよく嘴で揺らして遊んでいるので、亜鉛中毒がこわくてステンレスの鈴を探してました。音が高くてちょっと風鈴みたいでとてもきれいな音色です。
引用元:ALOHA HEAVEN アロハヘブン ステンレスベル & ステンレスリング
ALOHA HEAVEN アロハヘブン / オリジナル ステンレス ベル
オモチャを水洗いしたときに付属のベルに錆が出てしまったので交換用に買いましたが、音がとても良くてビックリしました。もちろん錆びもでないし、うちのコザクラさんも気に入っているようなので、順次交換中です。
今まで使っていたベルはステンレス製ではなかったので、たまにすごく舐めている時がありました。美味しい物を食べるといつも「うまうま」と言うのですが、ベルを舐めている時も「うまうま」言っていたので、ちょっと怖いなと思い、ステンレスに換えました。インコには関係ないかもしれませんが音がすごくいいです。
引用元:ALOHA HEAVEN アロハヘブン/ オリジナル ステンレス ベル
ステンレス ナスカン
亜鉛合金製のナスカンを使ったらセキセイインコが吐いて下痢をしたとのことで来院しました。このナスカンはしばらく使っておらず古いもので、腐食が見られました。扉に使ったらずっと舐めていたとのことでした。レントゲン検査で金属片は見られませんでしたが金属中毒の可能性が高いです。 pic.twitter.com/hp5WTORIIm
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 19, 2022
ステンレス リングキャッチャー
オモチャをケージにぶら下げるのに便利なステンレス製のリングキャッチャーです。
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インコのおもちゃ事故にご用心!思いがけない落とし穴がたくさんある
ストレス解消のためにインコのおもちゃは必要ですが、安全性が高いと思われるおもちゃでも気をつけて与えないと命にかかわる事故につながることがあります。
インコの頭や足がヒモやロープに絡まる
紐やロープが輪っか状になっているとインコの頭や足が輪に挟まったり、インコがパニックに陥ってケガをしたり、窒息する危険性があります。
長いロープはほどけて輪っかが出来てしまわないように、結び目をいくつか作っておく。
インコの誤飲事故やケガの発生は多い
おもちゃのビーズなどの小さなパーツが遊んでいる間に取れてしまったりすると、そのパーツを誤飲することがあります。
誤飲が原因で窒息や腸閉塞を起こしたり、壊れたおもちゃの破片でケガをすることもあります。
こんにちは!
齧る行動が同じ…勉強になりました。
齧ったものはやはり口~お腹の中に入ってしまうんですよね?
ウロコですが、気がついたらプラスチックをかなりの量齧っていて心配です。 pic.twitter.com/6oKIVrU8r1— とりさん (@inkosuki33) November 27, 2021
ありがとうございます!
すぐに探して交換します!口に入ったプラスチックは糞で排出されていますでしょうか?
体内に残って悪さをする可能性はあるものでしょうか?
立て続けにすみません。— とりさん (@inkosuki33) November 27, 2021
ロープパーチを噛みちぎって誤飲した死亡事例もあります。そのものには問題がなくても、インコはかじったり破壊したりします。要注意です。
劣化や壊れかけたおもちゃは、早めに新しいものに買い替える。
かじるおもちゃを与える時は丈夫な素材でできている物を選ぶ。
インコが隙間にはまる・挟まる事故も多し
チェーンリングのような少し隙間があるおもちゃは、その少しの隙間にくちばしや舌が挟まってしまう可能性があります。
ヨウムの嘴にファスナーの下止がはまる事故が起きました。中型・大型のインコ・オウム類がファスナーを齧って事故を起こすことはしばしば見られ、エレメントを誤飲してしまうこともあります。ファスナー付きの衣類は齧られないよう注意しましょう。 pic.twitter.com/pe0yvf0VQ1
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 2, 2023
また、足が挟まる構造をしていたり首がはまってしまう造りのおもちゃもあります。
こちらはワイヤーを曲げて隙間を無くした状態です。この状態の方が事故を未然に防げます。 pic.twitter.com/PhaoDHhD6F
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 24, 2022
インコは幼児と同じで飼い主(親)には予想もつかない遊び方をすることがよくあります。
インコは羽毛でおおわれているので体形が分かりにくいですが、飼い主には思いもよらない小さい隙間でもはまってしまいます。
インコが目をつけそうなすきまにも注意を払うようにしましょう。