セネガルパロットの飼い主の寄稿です
私の愛鳥はセネガルパロット(ネズミガシラハネナガインコ)のオス・6歳、名前はギズモです。
3年前に私たち一家はアパートの3階から1階の部屋に引っ越しをしたのですが、それ以来、ギズモの様子がおかしくなりました。
インコの呼び鳴きを解決した4つの対策で鳥との絆がぐんと深まった話
ギズモは毎朝落ち着きがなく3時間ほど大声で呼び鳴きをしたり、ケージの中で暴れるようになったのです。
これまでは朝に起こしても大人しく餌を食べたりして放鳥時間を待っていました。
それが引っ越し後は朝からパニックを起こして暴れるようになりました。
あまりに激しく暴れるので怪我をしてはいけない!と思い ギズモを落ち着かせるために私がつきっきりになって 家事に手につけられないほどの状態になりました。
ギズモの呼び鳴きの声は大きく響くので夫はイライラするし、近所迷惑にならないか!?との懸念も出てきて、思わぬ事態になりました。
インコの呼び鳴きとパニックの原因は引っ越しによる環境の変化とストレスだった!
ギズモが朝に長時間大騒ぎするようになったのは 明らかに引っ越しが原因だとわかりました。
3階から1階への引っ越しが原因とわかり…
3階で暮らしていた時のギズモのトラブルは「大人の男性が怖い」とか「野鳥の声がすると反応する」くらいで、さして大きな問題はなかったからです。
当時のギズモは放鳥時に 窓に取り付けた専用のロープパーチにとまって 外の景色を眺めることが大好きでした。
ところが引っ越し以来、私が肩や腕に乗せて一緒に行かないと 怖がって窓のそばに近寄れなくなったのです。
…と思いました。
鳥の目線でパニックの原因を探ってみたら…
ギズモがパニックを起こす原因は「窓の外から見える何かが怖い」「新しい部屋のレイアウトが気に入らない」「引っ越しの片付け等で家族がバタバタとしているのが気に入らない」・・・などの理由が考えられました。
そんな風に考えを巡らせていたら 案外簡単に原因が見つかりました。
ギズモはアパートの駐車場に入ってくる車や 窓の外を通り過ぎる人が怖かったのです。
これまでギズモが見ていたのは3階の窓からの風景…ということで 車でも人でも いつも自分よりも「低い」位置にいたのです。
それが引っ越しした日から突然、自分と同じ高さ、あるいはそれ以上の高さにいるのです。
鳥は安全のために高いところにいることが好きな生き物です。
今まではあまり目にすることがなかった光景を目の当たりにした…知らない人や車が自分と同じレベルの高さにいる…。
これはギズモにとって今まで経験したことがない怖いことだった…と すぐに想像できて、
と思い至ったのです。
インコが怖いものを見えない・気づかないための4つの配慮を実行してみた
…と私は考えました。
そして実際に実行してみたポイントは次の4つです。
②ギズモの起床時間を調節する
③人や車が窓の外を通り過ぎても気づかせないように配慮する
④人や車がいても必ず仲間(飼い主)が守ってくれることをわかってもらう
カーテンを遮光タイプに変える
まずはカーテンを 遮光タイプの少し厚めのカーテンに変えました。
窓2面分2組で12800円。
フォージングトイと特別なおやつの購入
ギズモが夢中になって遊べる新しいフォージングトイの購入と制作。
気をそらせるための特別のおやつなどの購入。
そこにかかった費用は約1万円。

鳥の起床時間を遅らせてストレス源をやり過ごす
ギズモの起床時間を遅らせてみる。
朝は寝かせるためにかけているケージカバーを三分の一だけ開けて、私がしっかり相手ができるまでは 完全に起こさないようにする。
結局 通常の起床時間よりも30分遅くに完全に起床させることになりました。
鳥のパニック時に飼い主がすぐに駆け付けて安心させる
朝だけなんとかやり過ごすことができれば、その他の時間に「怖いこと」があってギズモが騒ぎ出しても、それほど問題はありませんでした。
それは、すぐに私がそばに駆けつけて 声をかけるなどしながら ギズモを安心させるように努めれば 何とか落ち着いてくれたからです。
「何があっても飼い主が守ってくれる!」を理解した愛鳥との強い絆が生まれて
朝は出勤するご近所さんの車や姿が見えないようにしっかりカーテンを引いておき、同時に上述の4つのポイントを実行してみた結果、ギズモがパニックを起こすことはほとんどなくなってきました。
刺激を減らすことでパニックを防止
カーテンを厚手の遮光タイプに変えるとともに 夕暮れや冬の朝など 車がヘッドライトを使う時間帯にギズモを驚かすことがないように気をつけることで、急にパニックに陥るのを防ぐことができるようになったこともよかったです。
フォージングも鎮静効果が抜群だった
新しいおもちゃやおやつの導入も、ギズモを落ち着かせるのに とても効果がありました。
ギズモは夢中になるものがあれば あまり窓の外を人が通ったりしても気にしなくなったのです。
それは野生の鳥だったらかなり危険なことかもしれませんが、ギズモはそもそも生まれついての「飼い鳥」なので これでいいのだと私は考えています。
呼び鳴きやパニックの「一歩先を行く」気づきが重要
今回の対策では少し費用がかかりましたが、それよりも私が心を砕いたのは
…とギズモにわかってもらえるようにすることでした。
ギズモの様子を見ていると、叫び始める前・暴れ始める前に表情が変わったり、ソワソワと足踏みしたりなどの仕草があることに気づきました。
そんな時にすかさずそばに駆けつけて声がけをしたり、放鳥時なら手や肩に乗せて「一緒に隠れてようね」と言いながら別室に移動などしていました。
この「ギズモの気持ちや精神状態に合わせた一歩先を行く気づき」のおかげで ギズモのパニックを未然に防ぐことができたのです。
今やギズモは何かあるとすぐに私のそばに飛んできて 肩の上に落ち着いて座っていられるようになりました。
今でも少しは騒ぐことはありますが、概ね落ち着いて過ごすことができるようになったのです。
鳥の立場と目線に立てば問題行動の解決の糸口は必ず見いだせるもの
愛鳥に何かトラブルがあったら、自分・家族・愛鳥の全員の生活で「トラブルが起きる前後で変わったこと」を考えてみることが 問題解決への一番の近道です。
トラブルを嘆くだけでは何も解決しません。まずは鳥さんの様子もしっかりと観察してあげてください。
インコ・オウムの仲間は 飼い主に見せる表情や感情や情緒表現がとても豊かな生き物ですが、よーく見ていると 彼らが求めていることがはっきりとわかる場面に必ず遭遇します。
鳥の目線・目の様子(わかりやすいのは点目)・嘴の様子(半開き・パチパチ鳴らす・舌を出すなど)飼い主が意識してじっくり観察を続けていると 必ず何らかのヒントや解決の糸口が見いだせます。
それを私はこの体験を通して強く感じました。
問題行動の対処法としては 想像力を駆使して鳥さん目線になってみることを強くおすすめします。