インコを長生きさせる秘訣は食生活にあり!鳥の栄養学と7大栄養素

インコの栄養学

インコを長生きさせる秘訣は食生活にあり!鳥の栄養学と7大栄養素

インコを長生きさせる秘訣

ペットはペットフードだけで一生を過ごすことが多いですが、近ごろは鳥の栄養学もずいぶん研究が進んで、食に対する自由度が上がった感があります。

ひと昔前までは「絶対ダメ!」と言われていた食材がOKであることがわかってきたり、スーパーフードと呼ばれる食物の研究が進んで小鳥の分野にも入ってきたりと、食の世界も情報がめまぐるしく更新されています。

インコを長生きさせる秘訣

人間の栄養学にしても、この間までは5大栄養素だったのが今や第7の栄養素まで幅が広がっているところをみると、今後も増えていくのかもしれません。

いろいろ調べたりするにつれ頭の中が混乱してくるほど、インコの食の情報は日進月歩ですが、ここまで調べて得た鳥の栄養学とインコに与えられる食材についてまとめました。

炭水化物:エネルギー源

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炭水化物=糖質(エネルギー源)+ 食物繊維(腸内環境の改善・糖質の吸収緩和)糖質の摂りすぎは肥満の一因。

シードは炭水化物が豊富だが、ビタミン・ミネラルが欠乏している。たんぱく質価が足りないものも多い。

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デンプンはブドウ糖が多数結合してできた多糖類。デンプンは大きすぎてそのまま吸収できないので消化酵素でブドウ糖に分解してから吸収する。

タンパク質:からだを作る

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タンパク質は羽・皮膚・爪・くちばしの生成や成長に大きく関与している栄養素。

インコがたんぱく質を摂るのに適した食物 穀物、豆類、卵、動物性たんぱく質

たんぱく質の過剰摂取
  • 肥満
  • 高脂血症
  • 腎障害
  • 肝機能障害
  • 痛風
  • くちばしの過剰成長
  • 爪の過剰成長
タンパク質欠乏
  • 体力の低下
  • 免疫力の低下
  • 運動能力の低下
  • 羽毛がみすぼらしくなる
  • ストレスバー(ストレスライン)
  • 羽色の変化
  • 体重の減少
  • 繁殖力の低下
栄養失調でストレスバーが出るのは幼鳥のときくらいで、成鳥になってから出るのは栄養の問題ではなく病的要因であることが多い。動物病院で血液検査を受けて調べることが必要。

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脂質:エネルギー源・ビタミンの吸収サポート

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脂肪酸、中性脂肪、コレステロールを総称して「脂質」

必須脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸)は細胞や神経組織の構成成分。

脂質にはビタミンを運んで吸収をサポートする働きもある。

鳥類が摂取するのに適した脂肪量は全体の食餌量の4%程度。ちなみにシードの脂肪含有量は2~5%程度

脂質の過剰摂取
  • 肥満
  • 脂肪肝
  • 動脈硬化
  • アレルギー
  • 下痢
  • 羽毛のべたつき
脂質の欠乏
  • 発育不全
  • 活動力の低下
  • 身体の消耗
  • 皮膚炎
  • 肝腫大
  • 孵化率低下

酸化した脂肪酸オイルを与えない  ペレットやパウダーフードの酸化にも注意

不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)を含む食物から摂るのが理想的

不飽和脂肪酸が豊富な油(魚油など)は酸化しているとビタミンEを破壊するので、抗酸化成分を含んだ食物を同時に摂るのが効果的。  抗酸化成分を含んだ食物はこちら

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運動不足になりがちな飼い鳥は脂質が上がりがち。そんな場合に体の炎症を抑え、血中の資質を下げる効果があるオメガ3脂肪酸なら、脂質であっても インコに積極的に与えることが推奨されている。

イネ科の穀物だけではアルファリノレン酸は摂れないので、ペレットが主食でも、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)を含むエゴマ、アマニシード、チアシード、ニガーシードをインコに5%程度与えることが望ましい。

【α-リノレン酸含有率】エゴマ…55% アマニシード…55% チアシード…56% ニガーシード…46~55%

ビタミン:身体機能を維持・調節する有機化合物

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生物の生存に必要な微量栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分かれる。

水溶性ビタミンは過剰摂取しても尿で排泄されるが、脂溶性ビタミンは過剰摂取で副作用が出ることがある。

ペレット主体+野菜だけなら問題ないが、そこにサプリメントを加えると過剰リスクが高まる。

ビタミンAの欠乏 皮膚や粘膜の乾燥。夜盲症。成長障害。
インコのビタミンA不足!野菜を食べない栄養不足から起こる病気の話

ビタミンA

βカロテンは体内に取り込まれるとと分解されてビタミンAになる。

緑黄色野菜…ニンジン、春菊、カボチャ、

かんきつ類(黄色い色素がβカロテン)

ビタミンE

ナッツ類

植物油

ビタミンK

小松菜、大根の葉

ビタミンB1

大豆(きなこ)

海藻…大豆と一緒に摂ると消化が良くなる

ビタミンB2

唐辛子

ナイアシン

マグロ…油脂・塩分不使用

ビタミンB6

唐辛子

ビタミンB12

動物性食品

葉酸

エダマメ

茶葉

パントテン酸

唐辛子

ビタミンc

柑橘類

緑黄色野菜…パプリカ、ピーマン、ケール

ビタミンD

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ビタミンD3は魚類に含まれる成分なので、鳥が餌から摂取することはできない。野鳥なら日光を浴びて自己生成するが、日光浴をあまりしていない、日光浴ライトも使っていない飼い鳥ではどうしても不足する。

解決策としては ①定期的に日光浴をさせる ②シード食からペレット食に切り替える ②シード食の鳥にビタミンDをサプリで補う ③ビタミンDを補う食材(鮭など)を入れて手作りご飯を提供する

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ミネラル:身体機能を維持・調節する無機物

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ミネラルは身体機能を維持・調節する無機物です。

ミネラルの過剰摂取
  • ナトリウム…高血圧・胃がん・動脈硬化
  • カリウム…腎機能に問題があれば、不整脈。心肺停止
  • カルシウム…マグネシウム欠乏症。高カルシウム血症
  • マグネシウム…腎機能が正常なら排泄できるので問題なし
  • リン…カルシウムの吸収阻害
  • 鉄…ヘモクロマトーシス(臓器障害) 嘔吐、下痢、ショック症状
  • 亜鉛…急性中毒、吐き気、精神不安定による毛引き
  • 銅…肝機能・脳機能障害
  • マンガン…運動失調
ミネラルの欠乏
  • ナトリウム…精神不安定による毛引き
  • カリウム…不足しない
  • カルシウム…クル病(足の変形)骨軟化。骨粗鬆症
  • マグネシウム…骨軟化症。高血圧。動脈硬化
  • リン…不足しない
  • 鉄…不足しない
  • 亜鉛…不足しない
  • 銅…貧血。皮膚の脱色。骨の変形。抵抗力低下
  • マンガン…ペローシス(腱はずれ)

ナトリウム

塩(過剰摂取に注意)

塩土は入れっぱなしにせず、砕いて餌入れに補充する。

カルシウム

大豆

緑黄色野菜…小松菜、大根の葉、ケール

マグネシウム

ナッツ

ごま

穀物

ナッツ

マンガン

アマランサス

ショウガ

食物繊維:第6の栄養素・腸活

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食物繊維は第6の栄養素。

血圧や血糖値のコントロール。

消化機能の促進。

良好な腸内環境の維持。

過剰摂取 下痢
欠乏 便秘
鳥が摂取するのに適した食物 野菜、豆、くだもの

ファイトケミカル(フィトケミカル):第7の栄養素・植物性化学物質(色や香り)

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ファイトケミカルは第7の栄養素。

ファイトケミカルには抗酸化作用や免疫力向上が期待される

ファイトケミカルを取り入れるコツは、色々な食材をまんべんなく摂ること。

7色…赤・橙・黄・緑・紫・黒・白 がそろえば自然とバランスが整う。

赤:リコピン、カプサイシン

リコピン(抗酸化力)…トマト、スイカ、金時人参、パパイヤ、マンゴー、

カプサイシン(体を温める・脂肪燃焼率アップ)…トウガラシ

橙:βカロテン

βカロテン(体内でビタミンAに変換)…ニンジン、かぼちゃ

ビタミンA…目・皮膚・粘膜の健康。免疫力アップ

黄:ルテイン

ルテイン…目の健康に有効。紫外線から受ける酸化ダメージから目を守り、加齢に伴う眼病の発生率を下げる。

トウモロコシ、キウイフルーツ、ブロッコリー

緑:クロロフィル

クロロフィル…葉緑素。植物の光合成で欠かせない色素。抗酸化作用。消臭。殺菌効果。

緑のピーマン、オクラ

紫:アントシアニン

アントシアニン…ポリフェノールの一種。目の疲れや視力低下を防ぐ。

ブルーベリー、黒豆、

黒:カテキン

抗酸化作用。

緑茶

イソフラボン:白

イソフラボン…女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きで動脈硬化、高血圧、骨粗しょう症の予防。皮膚や粘膜の健康保持。自律神経のバランスを整える。

マメ科の植物。大豆など

【その他のファイトケミカル】インコの活性酸素対策・抗酸化作用・アンチエイジング

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キャベツ:抗がん作用

イソチオシアネートは、アブラナ科の野菜に含まれる抗酸化作用のある辛み成分。注目のフィトケミカルです。イソチオシアネートの抗酸化作用は、免疫力をアップさせ、がん予防の効果があります。わさびや辛み大根などの、ツンとした辛みはイソチオシアネートによるもの。わさびも大根もアブラナ科ですが、ほかに、ブロッコリーやキャベツ、カリフラワー、白菜、水菜、小松菜、かぶなど、ツンとしない野菜もアブラナ科で、イソチオシアネートを含みます。
引用元:レタスクラブ

イソチオシアネートは加熱すると破壊されるので、キャベツは生であげるのが良いです。

ハーブミックス:抗酸化作用

オーチャードグラス…牧草。小鳥のダイエットフードでも有名
セージ…抗菌効果。抗ウィルス効果。
オレンジピール…肝機能の改善。肥満防止
赤唐辛子…血行促進。消化促進。肥満防止。
オレガノ…健胃。消化不良改善
バジル…カルシウム。カリウムを含む。
ローズマリー…抗酸化作用。若返りのハーブ
ローレル…鎮痛・沈静・抗炎症。
タイム…殺菌効果

アシタバチップ:抗酸化作用

宮崎県産のアシタバをチップにし、豊富なβカロテンが手軽に摂れる。

カリウム、ビタミンA、ビタミンB2、抗酸化作用が期待できる。

ビーポーレン:抗酸化作用

ミツバチが唾液中成分の酵素で顆粒状にかためて集めた花粉。

23種のアミノ酸とビタミン・ミネラル含有。抗酸化力(mM TEAC)7500(100g中)

陳皮(みかんピール):ヘスペリジン

温州みかんの成熟果皮を乾燥した陳皮。小鳥の体を温める効果。

陳皮の成分はヘスペリジン(ポリフェノールの一種)活性酸素の過剰発生を抑制し抗酸化作用が高い。

きびしぼり:キビテロールEX-B

さとうきびからポリフェノールなどの有効成分を抽出したのがキビテロールEX-B

抗酸化作用・ウイルス感染予防効果・肝障害抑制効果・ストレス緩和・細胞性免疫の向上

クコの実:ルチン・ゼアキサンチン

中型インコ以上の鳥

クコには強い抗酸化作用をもつルチン、タンニン、ビタミンc、ゼアキサンチンが含まれる。

ミルクシスル:マリアアザミのタネ/シリマリン

マリアアザミは和名。ミルクシスルは英語名。シリマリンは成分名。

ミルクシスルはマリアアザミのタネで、肝臓保護成分のシリマリンが含まれており、抗酸化作用が期待できます。

インコを長生きさせる秘訣

バードサプリ 肝臓プラス 10g~有機栽培したマリアアザミの種配合 日本製

バードサプリ 肝臓プラスはシリマリンが豊富に含まれるマリアアザミの種の種を粉砕し、さらにアミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンを最適な割合で配合しています。文鳥やセキセイインコ、ボタンインコなどの小型〜大型インコ類などすべての飼鳥たちに使用できます。
 
6歳になるマメルリハ用に!最近筆毛が油でベトベトして中々開かなかったり、嘴の色が悪かったり、便が水っぽかったりしていたので、脂肪肝かな?と気になっていました。マメルリハは大食漢の上、エッグフードが好きな子なので、これに混ぜて与えたところ、3日もしないうちに寝てばかりいた子がみるみる元気になりました。便もしっかりしたものが出るようになり、筆毛も硬かったものが大分柔らかくなりと、明らかに効果が分かりました。
こちらをあげ出して9日目の本日、部屋の中を一周旋回するまでに回復しました。あげる前は止まり木にも止まれず、餌も食べずにゲージの底でじっとしており、タオルで包んで保温するしか出来ない状態でした。体調を崩す度に色々試していて、何が効いてるかは分かりませんが、病院の先生にも「打つ手なし」と言われていたので、びっくりです。

【とりきち横丁】【無農薬】 マリアアザミの種子 20g

鳥さんの肝機能の保護と改善に役立つ天然サプリメント。ミルクシスルとしても知られています。鳥さんに安心して食べてもらえるBIO(ビオ)の基準に達している無農薬商品です。鳥さん用として販売されています。肝臓の機能が弱っていたり、肝臓の保護が必要な鳥さんにご利用いただけます。肝臓保護成分として、シリビン、シリクリスチン、シリビアニンがあり、総称してシリマリンと呼ばれています。
 
こんなに大きいとは知らなくて買いました。セキセイは砕けなかったので、剥いてあげると食べました。種ごと砕いてもいいのかな?とも思いました。鮮度は殻付きの方がいいと思うので、一羽飼いには都合がいいです。