畠山鈴香は今!?失われた記憶を取り戻すカウンセリングで見えたものとは?秋田児童連続殺害事件

畠山鈴香 カウンセリング

こちらの続きです。

畠山鈴香の生い立ち 解離性健忘と彩香ちゃん事件の謎!秋田児童連続殺害事件

第二の事件 米山豪憲君殺害

5月17日午後3時頃、自宅にいた鈴香の視界に、一人で帰宅する米山豪憲君の姿が入る。

豪憲君の兄は彩香ちゃんと同級生ということもあって、豪憲君は娘と一緒に遊ぶ幼馴染だった。

畠山鈴香
豪憲君、彩香が使っていたものを思い出にもらってもらえないかな。

畠山鈴香はそういって米山豪憲君を玄関に招き入れると、軍手をはめ、腰ひもを手に背後から近づき・・・

豪憲君を殺害した鈴香は彼をビニールシートにくるむと、ランドセルとともに軽自動車の後部に乗せ、家を出た。

そして午後4時過ぎに、米代川の脇道から草地の斜面に遺体を遺棄した。

5月18日午後3時頃にジョギングをしていた男性が豪憲君を発見した。

5月17日の畠山鈴香の不可解な行動

夕刻になっても豪憲君が帰宅しないため、米山さん(豪憲君の父親)は周囲に連絡をしつつ、自分も近所を探し回っていた。

豪憲君の仲良しの友達の家に行っているのかもしれないと 米山さんはそのお宅を訪ねている。

友達の親
おかしいねえ、うちの子と豪憲君は学校から一緒に帰ってきましたよ。

出迎えたんだから間違いない。午後3時半頃。

そのお宅から豪憲君宅までは百数十メートルしかなく、子供の足でも1~2分のところ。

ということは、その間に豪憲の身に何かがあったのか!?と 米山さんは血の気が引く思いがしたという。

米山さん宅に秋田県警の特捜事件担当らが集結し、固定電話と携帯電話に逆探知装置を取り付け、刑事からは「自宅にいてほしい」と言われ、豪憲君を探しに行きたくても米山さんは身動きが取れず。

豪憲君はなかなか見つからず、時間だけが無為に過ぎ去っていく。

そして午後九時前、人だかりの中から畠山鈴香が米山さんに近づいてきた。

畠山鈴香
豪憲君と一緒にいた・・・

この時の鈴香の声がよく聞き取れなかったものの、米山さんの耳には「豪憲君といっしょにいた」と聞こえた!

米山さん
えっ!豪憲と一緒にいたの?

首を横に振る鈴香。

畠山鈴香
私は四時ころまで家にいた。

そのころ知り合いが団地の中で新聞を配っていたはずだから、豪憲を見なかったか聞いてあげますよ

米山さんと鈴香は二軒隣に住んでいたとはいえ、顔を合わせることもほとんどなく、挨拶以外にまともに話したことがなかったので、そんな風に鈴香が自分から近づいてきて「自分は四時まで家にいた」というのは妙な気がしたと 米山さんはいう。

近隣住民
豪憲君は一体どこに行ったんだろう?と団地内で何人かで話していたとき、鈴香が「豪憲君、いなくなったの?」と走ってきた。

それから自分の家の中に入っていき、部屋のカーテンを開け、部屋中の灯りをこうこうとつけた。

いつも日中でもカーテン締めっぱなしになっているのに、家の中が丸見えになった。

その行為に何の意味があるのか、住民たちには理解できなかった…。
 
 
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秋田県警は彩香ちゃん事件の初動捜査の怠りに気づく

豪憲君の事件が発覚してから、秋田県警は畠山鈴香の実家前で、あからさまな彼女の行動確認を始めている。

ここで秋田県警は、彩香ちゃんについて「事故」ではなく「事件」に扱いを転換していた。

はっきり言ってしまえば、初動捜査の怠りである。

わずか1か月の間に同じ地区で二人の児童の怪死で報道関係者も集結し、取材は過熱していった。

豪憲君殺害容疑で逮捕直前の鈴香の実家での会見

彩香ちゃんの四十九日に当たる5月27日、畠山鈴香は実家前に張りつく報道関係者約30名を実家に招き入れて、初めて囲みの会見を開いている。

Vサインをする彩香ちゃんの写真が飾られ、祭壇前に鈴香が座り、背後には彩香ちゃんが身に着けていたジャンパーとズボンがかけられていた。

そこで鈴香は 娘の死に何があったのかを知りたいと切々と訴えた。

そしてこれまでの週刊誌の報道・・・畠山鈴香がネグレクト(育児放棄)をしていたという報道はでたらめで、私は娘をかわいがっていたと断言している。

畠山鈴香
そういえば、豪憲君が黒される10日から2週間くらい前、藤里町の自宅の前に、三十代の男が乗った不審な車が停まっていました。

その男が下校する子どもたちを目で追っているから、私が「なにしてるんですか」と問いただすと、「携帯の電波の状況が悪いと届けがあり、調べに来ている」と話していました。

その時にはすでに「秋田県警は近いうちに畠山鈴香を豪憲君に対する死体遺棄容疑の重要参考人として任意同行を求める」という情報が報道関係者に出回っていたため、鈴香のこの発言をだれも信用しなかったという。
 
 
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豪憲君殺害事件で畠山鈴香を逮捕

豪憲君は児童公園から自宅までの80メートルの間で何者かに連れ去られている。

その80メートルの間に鈴香の家があり、鈴香には豪憲君がいなくなった時間帯のアリバイがないことを、自らマスコミの会見で明かしている。

着々と証拠を固めていった捜査本部はついに6月4日、畠山鈴香の実家と団地の自宅の家宅捜索、鈴香所有のミラも車内の捜索が行われ、その後鈴香の事情聴取が開始された。

畠山鈴香
私は何もやっていない。

めまいがする。横にならせてほしい

・・・と、鈴香は取調官の追及をのらりくらりとかわしたり、取り調べ中に何度か卒倒し、聴取が何度も中断させられた。

ただしこの聴取はあくまでも「任意」である。無理やりというわけではない。

そして夜10時。取調官は鈴香に切り札を突きつける。

取調官
豪憲君から見つかった髪の毛と、あなたの髪の毛のDNA型が一致しているが、それでも何もやっていないというのですか?

これを突きつけられた鈴香は観念して落ちた。

とうとうそこで豪憲君の遺体遺棄を認めたのである。

しかし畠山鈴香という女の取り調べは一筋縄ではいかなかった。

6月4日に鈴香は豪憲君の殺害をほのめかしていたが、翌5日と6日は送検の手続きで取り調べができず、7日に改めて再開すると前言をすっかりひるがえしていた。

畠山鈴香
豪憲君を殺害したのは別の人。

自宅に帰ったら豪憲君の遺体があったから棄てた

取調官
豪憲君の冥福を祈るなら、きちんと話した方がいい

・・・と言われると、6月8日には再び自白。

畠山鈴香
私がやりました

畠山鈴香の豪憲君殺害事件についての供述

6月9日、畠山鈴香の弁護人は記者会見で鈴香の供述内容を明らかにしている。

弁護士
5月17日午後3時半頃、(鈴香が)自宅にいると窓の向こうに豪憲君が見えた。

「豪憲君、彩香の思い出に何かもらってくれない?」と話しかけると「はーい」と豪憲君は返事をして家の中に入ってきた。

豪憲君を見ているうちに死んだ彩香の姿とダブり「なぜ彩香はいないの?」と切なくて苦しくて、胸が張り裂けそうな感じになった。

弁護士
軍手をはめ、豪憲君の首に着物の腰ひもを回した。

その時豪憲君はきょとんとした顔で振り向いたが、目をつぶって思いきり絞めた。

凶器の腰ひもと軍手はコンビニの袋に入れ、遺体からランドセルと帽子を外し、ビニールシートにくるんで車のトランクに積んだ。

弁護士
これまで本当のことを言えなかったのは、母が犯行を知ったら自殺するのではないかと心配したから。

でも話したことで楽になった

 
 
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豪憲君殺害事件に対する鈴香の「涙の全面自供」に対する疑問

鈴香と弁護側は「衝動的な犯行」を主張したが、これには懐疑的な見方が広がった。

■軍手を両手にはめているのに、衝動的に殺害したというのはおかしい。

■軍手と腰ひもが偶然その場にあるものなのか?

■自分も娘を失っているのに、他人の子どもの元気な姿を見て殺意が芽生えるのは心理的に不自然。

これらを追及されると、鈴香はことごとく前言を撤回したという。

はじめは殺害場所を「彩香ちゃんの部屋の入口」と言ったが「自宅玄関」に変わっている。

また殺意を抱いたのは「豪憲君が靴を脱いでいたとき」から「玄関のドアを閉めたとき」へ。

彩香ちゃんの水死と豪憲君殺害の関連を訊ねると

畠山鈴香
子どもをさらってどこかに置いて来れば、警察も動くかと思った
畠山鈴香
豪憲君は見つかるなら早く見つかってほしかった。

私と同じような思いを遺族にさせたくなかった

自分で殺害しておきながら、早く見つかってほしくて一生懸命探した?

自分のような思いをさせたくないのなら、なぜ殺害した?

鈴香の話はすべて作り話だろうと思われても仕方がないほど支離滅裂だった。

6月25日、畠山鈴香は豪憲君に対する殺人容疑で再逮捕された。
 

豪憲君の父 vs 秋田県警!第二の殺人を防げなかった謝罪は不要!?

 
 

秋田連続児童殺害事件の判決

畠山鈴香の一審判決

2008年3月19日。「被告人を無期懲役に処す」

裁判長
2人の子どもの命を奪った結果の重大性は 生命をもって贖罪を求めることも十分に考えられるが、被告には酌量すべき情状があり、過去の判例を踏まえると、死刑の選択には躊躇せざるを得ない。

被告は即日控訴した。

地裁の判決は「死刑の選択には躊躇せざるを得ない」と無期懲役を言い渡したことから、死刑と無期懲役の間でかなり揺れ動いたことが推測できる。

一審では検察側の主張通り、彩香ちゃんの水死を殺害と認定し、豪憲君の殺害時の責任能力を認めていることから死刑の適用もあったはずだ。

それが減刑されたのは「豪憲君殺害は衝動的な犯行で計画性が認められなかった」事をはじめとして、彩香ちゃん殺害の背景にあった長期の体調不良や母子家庭の問題、実家の父親の介護などが挙げられている。

また、豪憲君事件の際には解離性健忘で彩香ちゃん殺害の認識がなかったとして、一般的な連続殺人と比べると、多少は悪質性が減じられるとしたところにもあるようだ。

こういうのをつぶさに見ていると、本当に人を裁くのは難しいと 今更ながら実感してしまう。

秋田児童連続殺害事件・控訴審の争点

控訴審でも検察側と弁護側の主張は真っ向から対立していた。

検察側は「死刑を選択すべき事案であることは明らかである」とし、弁護側は「有期懲役が妥当である」と主張する。

一審判決の事実誤認と量刑の不当性を双方で訴えた。

検察側は被告の主観的な情状は死刑回避の決定打にはならないと指摘し、光市母子殺害事件の高裁判断「特に酌量すべき事情がない限り、死刑の選択をするほかない」を引き合いに出して、鈴香に死刑を求刑した。

それに対し弁護側は、彩香ちゃん事件に「過失致死」を主張、豪憲君事件には犯行時の心神耗弱状態を強調し、再度の精神鑑定を要求した。
 
 
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畠山鈴香という人間の特異性

東海学院大大学院の長谷川博一教授による臨床心理士の性格鑑定書は証拠採用としては棄却されているが(検察側の猛烈な反対にあったため) 鑑定した長谷川教授によると 鈴香には以下の13項目の性格傾向が浮かび上がっている。

(1)質疑応答に必要な基本的能力は備えている。

(2)意識的に嘘をつくことはしない。

(3)無意識のレベルで自己を良く見せかけようとする傾向を持たず、むしろ悪印象を与えてしまう言動を取りかねない。

(4)自尊心は極めて低い。

(5)トラブルの原因を他者に帰属させる傾向を持つ。

(6)迎合性が強い。

(7)被暗示性が高い。

(8)他者の内面を推察する能力がかなり損なわれている。

(9)他者への依存心がかなり強い。

(10)抑うつ、混乱が顕著で、疲弊している。

(11)日常的にも解離体験を有し、記憶の欠落や現実感に乏しい。

(12)記憶の再生は映像優位。

(13)非常に奇異な言動を取りやすい。

via:殺人者はいかに誕生したか

ここから読み取れる鈴香の性格と傾向は、馬鹿正直で場当たり的。

トラブルを他人のせいにする。他人の気持ちを全くわかろうとしない。

自分ではそう思っていなくても他人に合わせて「そうだ」と言ってしまう。

「思い出された記憶」と「つくられた記憶」がごちゃまぜになっている。

長谷川教授は、鈴香の解離性健忘は重度で「橋の上で起こったことを全く覚えていない」と受け止めている。

控訴審では精神科の意見書が一部のみ証拠採用されているが、被告の健忘には願望も影響しているのではないかという見解も示されているので、長谷川教授はこう反論した。

長谷川教授
記憶は、意識的に忘れたいと思っても忘れられるというものではない。

裁判では、解離性健忘の議論がまったく不足している

鈴香は長谷川教授に面会したときに、豪憲君事件についての一部を話すことができたらしいが、その後の裁判では 自分がやったという自覚はあるものの、その記憶はもはや断片的な映像でしか残っていないらしい。

これでは自分がやったことでも実感に乏しく、自分の事として受け止められないのも道理で、その状態で真摯な反省ができるものではない・・・というのが事実のようである。
 
 
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畠山鈴香の失われた記憶を取り戻すカウンセリングで見えたものとは?

鈴香は重度の解離性健忘で、事件の核心部分の記憶が抜け落ちていた。

そこで長谷川教授は畠山鈴香の「失われた記憶」を取り戻すカウンセリングを行っている。

畠山鈴香
先生に手伝ってもらって、いつかは記憶を取り戻したい!

・・・と鈴香自身も何度も長谷川教授に言っていたため、公判で依頼された鑑定とは別に、長谷川教授による鈴香の記憶の再生の試みが行われたという。

ショッキングな出来事を実体験として想起するのはかなり危険なので、映画のフィルムのようにシーンを一コマ一コマ見せる方法が使われ、記憶が残っている時点からフィルムを逆回転させて、鈴香に見えた絵を教えてもらうという方法がとられた。

第一日目

車と橋の欄干の間、私、しりもちをついてる。

車の温かい感触。

正面に黒い山。
 
 

第二日目

隣にしゃがんでいる彩香。

川を覗いている。胸まで乗り出して(道路と欄干の策の隙間から)

ピカチュウ(手に持っていたもの)

落ちてった。

ピカチュウに手を伸ばした。両手。(ここで震え、鈴香は泣き出す)

言えない・・・。

長谷川教授「彩香ちゃん、落ちてしまったの?」

(震えながらうなづく)

手を伸ばした。触った。(手を伸ばしてつかもうとしたが、身体に触れたものの助けられなかった)

言えない・・・。

(本人の苦痛が強くなったので、中断)

via:殺人者はいかに誕生したか

第一日目に見えた情景について 現場で確認したところ、鈴香がしりもちをついた位置から橋の欄干越しに、確かに黒い山が見えたそうである。

第二日目の試みで見えて鈴香が語った情景は、彩香ちゃんを欄干に乗せて座らせ手で払い落したという供述とは違うもの、つまり彩香ちゃんが持っていたピカチュウを落としてしまう、それを取ろうとしてコンクリートから手を離し、バランスを崩して川に転落したという図。

このシーンでは彩香ちゃんが欄干に上っていないことになり、公判の内容とは大きな食い違いが出るが これらが正確なものと断言はできないため、これらの記憶は公判審理には反映されていない。

秋田児童連続殺害事件の二審判決

「主文、本件各控訴を棄却する」

裁判長は一審の「無期懲役」を不服として控訴された検察側・弁護側のそれぞれの控訴を棄却し、一審判決を支持。

それにより畠山鈴香には「無期懲役」の判決が確定した。

無期懲役刑で収監されている畠山鈴香は今!?

無期懲役が確定した畠山鈴香は今、福島刑務支所に収監されている。

事件前はアルコールは飲まなかったもののヘビースモーカーで1日2~3箱を吸い、大量の睡眠導入剤に頼らなければ眠ることもできなかった鈴香。

日中はカーテンを閉め切って部屋に引きこもり、薬の影響で起きられず、昼過ぎまで寝ている不健康な生活をしていた鈴香だったが、3年の拘置所生活を経た今では 薬がなくても眠ることができるようになり、朝日で自然に目を覚ますようになったという。

2013年11月頃の様子は、面会した母親によると「鈴香の顔が穏やかになっていた」と言っていたそうである。

塀の中の贖罪の日々が鈴香を荒んだ日々から落ち着いた日々に変えた事実を、遺族の気持ちを考えたとき・・・どう表現したらよいものか迷う。

そして、事件のことは変わらず今でも思い出すことができていないという。

一人の悲しい女による連続殺人は、その理由もゆるぎない事実関係も解き明かされないまま、いたずらに時だけが過ぎて去っていこうとしている。
 
 
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