50代男性の寄稿 これは神奈川県内にある某工業高校であった出来事です。
当時の私はこの工業高校の定時制で学校用務員をやっており、そこで不思議な体験をしました。
学校の怪談的心霊体験談!夜な夜な子どもがかくれんぼを続ける話
学校は駅から近く、駅前には飲み屋が建ち並んでいて、私の仕事が終わる21:30を過ぎると 先生や管理人さんたちと一杯引っかけてから帰ることも少なくありませんでした。
その日は暑い日でしたので「帰りに冷たいビールでも飲もう」となり、飲み仲間でもある先生や管理人さんに声をかけて居酒屋に向かいました。
そんなに遅くまでやっている店が多くなかったので一軒目でガッツリ飲んでしまい「まだ飲み足りないなあ」との思いから、管理人さんと学校に戻って飲み直すことになりました。
翌日も仕事だったのですが、定時制の仕事は13:30からでしたので、昼まで寝ていられるから大丈夫だ…と考えて、駅前のコンビニで日本酒とつまみを買って帰りました。
当時の管理人室は畳四畳半位はあり、テレビもあって小綺麗にされていました。
さすがに管理人さんの仕事もあるので この部屋で寝てしまっては申し訳ないと思い、用務員室の休憩室も畳が敷いてあるので そこで眠るつもりでした。
仕事に差し支えがない程度に管理人さんにも付き合ってもらい 他愛のない話でお酒を飲み続けていましたが、そろそろお開きをしようということになり、私は用務員室に戻りました、
そこの用務員室は定時制用の用務員室であって、普段使っている昼の用務員室とは違い ほとんど使っていない部屋でした。
しかしその時にはかなり酔っていましたので何も気にすることなく、そのまま畳に寝そべって寝てしまいました。
真夜中に聞こえてきた小学生くらいの子どもの声と足音
何時間か眠ったのでしょうか。
私はトイレに行きたくなって廊下に出てトイレに向かいました。
深夜の学校の廊下やトイレはとても気味が悪く、酔っていなければ気が引けるところでしたが、とりあえずすっきりして部屋に帰り もうひと眠りしようと思った時でした。
たった今帰ってきた廊下を 誰かが走っている音が聞こえてきたのです。
…と思ったのですが、しばらく聞いていると どうやら違う感じがします。
大人の足音には聞こえないのです。そう・・・小学生くらいの子供のような軽い足音でした。
しかもここは工業高校で 生徒はもう大人といってもよいくらいの体の大きさですから、あのような子供みたいな足音はたてないはずです。
しかしほどなく音は止んでしまって、不思議な気持ちはあったのですが、取りあえず考えてもらちがあかないので もうひと眠りすることにしました。
それからしばらくすると、今度は窓の外から物音がしてきました。
窓の外は道路ではなく、校舎裏の石油倉庫になっているので 人はあまり通りません。
そればかりでなく、物音が止んだあと、しばらくすると明らかに子供の声がきこえました。
真夜中に外で子供がかくれんぼをしているようでした。
亡くなった弟が一人でかくれんぼを続けているのかもしれない…
この声を聞いてすっかり酔いが覚めてしまった私は、管理人さんにはご迷惑とは思いましたが 急いで管理人室に行き、今までのいきさつを話しました。
すると、管理人さんはにわかに真顔になりました。
以前から子供の声や音を夜中によく聞いていたらしいのです。
管理人さんによると、かなり昔の話ですが 学校でかくれんぼをしていた兄弟がいたそうです。
弟が排水マスの蓋を開けその中にかくれたらしく、足を滑らせてそのまま下に落下し、翌朝に排水マスの中で遺体があがったことがあったそうです。
…と管理人さんは言っていました。
その管理人さんは元々霊感が強い人で、これまでも何度も物音や、私が聞いたのとおそらく同じ子どもの声を聞いていたそうです。
しかしあまりにもそれが頻繁だったため、不安になって 近くの祠にお参りにいったそうです。
お参りする場所は、その事件があった石油倉庫のすぐ裏にある お稲荷様が祀られている祠です。
そこにお酒と塩を持ってお参りすれば良いということでした。
そこで必ず言わなければいけない言葉を管理人さんから教えてもらいました。それは…
祠にお参りしてからは、管理人さんの言う通り、物音や子どもの声を聞くことがなくなりました。