40代女性の寄稿 これはある雨の日に、私が仕事で車を運転していたときに出会った心霊体験です。
その道はしょっちゅう通るところなので、いつもどおり何も考えず車を走らせていました。
ふと目をやったずっと前方の屋根付きのバス停の下に、頭から足元まで泥だらけの「人間らしきもの」が立っているのが視界にはいってきました。
泥人形の霊障体験談!お墓を壊して駐車場にした子孫への怒りの警告?
それは大きさにしたら大人の男性1人分に、草や泥がたっぷり塗られてるようなイメージでした。
まるでテレビのバラエティー番組のドッキリ企画で芸人が泥だらけになっているような、そんな感じの人形です。
その人影に似たものは道路に向きあい お辞儀まではいかないくらいの 少しうつむき加減でたたずんでいました。
あまりに奇妙な光景に驚いた私は、運転しながら二度見をするほどでした。
ヒトガタを通りすぎたら全身に重い傷みが走り…
車で通りかかったのがほんの一瞬だったのでしっかりとは見られず、
…と考えながら通り過ぎたとき、急に頭から背中や腰にかけて「ずん…」という重圧感のある痛みが起こりました。
しかしその時はまだ仕事が途中だったのですぐに休むこともできず、体調の急変を我慢しながら仕事の用事を済ませ、何とか会社に戻りました。
…などと考えましたが、会社に戻った後にストレッチなどをしてもそれは治らず痛みは増すばかり。
そこで周りに少し体調が悪い旨を伝えてから 車の中で少し休ませてもらいました。
もしや…視てはいけないものを見てしまったのでは!?
ところがどういうわけか 休んでいる間もさきほど見た黒い人影の光景が頭から離れません。
…などとあの光景を思い起こしているその間にも痛みはさらにひどくなるばかりです。
…と、そこで初めて嫌な予感に思い当たりました。
私は再び会社に戻り、給湯室にあった粗塩を手の平分もらい、念のため自分の体と乗っていた車の周辺にまいてお清めをしました。
こっそりやっているつもりだったのですが、偶然それに気づいた会社の社長に
…と聞かれたので
…とあのときの状況と自分が思ったことを説明しました。
すると、それを聞いた社長の顔つきがにわかに神妙になりました。
そしてその後に社長が教えてくれた話から ようやくこの状況の原因が腑に落ちたのです。
あれはお墓を壊して駐車場にした子孫への怒りのメッセージ!?
あのバス停のすぐ裏にある土地。
今は駐車場になっている三角地なのですが、その隅っこに 大人の膝よりも低い小さなお墓があったそうです。
地主はその土地を空かせておくにはもったいないということで 業者に頼んで少し掘り起こして砂利を敷き、アスファルトにして駐車場として貸し出していました。
地主はそのお墓のことを業者に話していませんでした。
そのため業者は何も知らずに着工し、小さすぎて気づかれなかったお墓は、そのままずさんな状態で埋められてしまったのです。
その後、地主さん宅の家族の間では 病気や怪我に見舞われる人が絶えなかったということです。
田舎なのでおそらく昔は土葬していたと思われますし、もしかしたら私が見たのは 土葬の泥をまとった地主の先祖の霊だったのかもしれません。
…と 社長は言いました。
後を継がれた地主一家の現在の頭首はまだ30代でしたが、ご自身の親御さん達はすでにお亡くなりになられていたので、昔のことやお墓に関する詳細は分かっていなかったようです。
あの出来事のあと、すぐに社長は地主の本家に出向いて 私の体験の一部始終を伝えてくれました。
そこでようやく事態に気づかれ、その後、あの土地でお祓いと供養を行ったということです。
あれからも 私は何度も仕事の途中にあのバス停の前を通っていますが、あの泥人形のような人形を見かけていませんし、体調がおかしくなることも一度もありませんでした。
地主一家の手厚い供養により、私の前に出てこられたあの方は 安心して成仏できたのではないかと思います。