ドクター・キリコ事件 (青酸宅配事件)

草壁竜次 ドクターキリコ事件

1998年12月12日午後1時頃、東京都杉並区の無職の女性宅に青酸カリ入りの宅配便が届いた。

この女性は2年前から精神が不安定で病院の入退院を繰り返し、自殺未遂をこれまでに数回繰り返していた。

午後3時頃、この女性が震え始め、母親に「6錠全部飲んだ」と言って意識を失った。

女性はすぐに病院に運ばれたが、脳死状態となった。

宅配便の伝票には「草壁竜次」という名前と住所、PHSの番号が記入されていた。

病院がPHSの番号に電話すると男が出た。

草壁竜次
まさかあれを本当に飲んでしまったのではないでしょうね?
あれは純度の高い青酸カリですよ。
その人が死んだら私も死にます。

そう言うと男は電話を切った。

草壁竜次に電話をした時点ではその女性は生きていたが、3日後の12月15日に息を引き取った。
 
 
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警察は「草壁」と名乗る男の身元を調査したが該当人物は存在せず、名前は偽名だと判明した。

警察がPHSへ電話をすると草壁が出て

草壁竜次
女性に頼まれて、純度の高い青酸カリを6錠送った。
ほかにも7人に青酸カリを送付した。
 
 
12月15日午後2時過ぎ、足立区で主婦が死亡した。

司法解剖の結果、女性の体内からは致死量の15倍もの青酸化合物が検出された。
 
 
12月15日未明、北海道札幌市の塾講師の男性が死亡した。

この男性が草壁竜次である可能性が出たため、血液検査が行われた。

その結果、女性が服毒した青酸カリと同じ成分が検出された。

警察はこの男性を「草壁竜次」と断定し、自宅を家宅捜索したが毒物は発見されなかった。

しかしその後の捜査で、安楽死を扱ったサイト内で草壁竜次が「ドクター・キリコの診察室」という掲示板を立ち上げ、専属ドクターとして自殺志願者の相談を受けていたことがわかった。

これは東京在住の主婦が開設したサイトで、その主婦も草壁竜次から青酸カリを譲り受けていた。

草壁竜次はかつて薬品検査会社に就職していたが、会社に不満を抱いて退職していた。

そして草壁自身も過去に自殺願望に悩んでいた時期があった。

しかし、安楽死を扱ったサイトを開設した主婦と知り合った後、薬物に詳しいことからハンドルネームを「ドクター・キリコ」と名乗り、掲示板の専属ドクターとなった。

草壁は薬学に詳しく、さらに薬物の知識を独学でも学んでおり、質問には真摯に答えてくれるため、掲示板訪問者からは絶大な信頼を得ていたという。

草壁竜次はやみくもに青酸カリを送っていたのではなく、カウンセリングしても効果がない人にだけ青酸カリを送付していた。

青酸カリをお守り代わりに持つことで、いつでも死ねるという安心感から自殺を回避できるためだと考えていた。

草壁竜次に青酸カリの送付を頼んでいた人物は確認されただけで8人いた。

そのうち死亡したのは、杉並区の女性と足立区の主婦の2人だった。
 
 
1999年2月12日、警察は草壁竜次を自殺ほう助の疑いで、被疑者死亡のまま書類送検し、この事件は幕を閉じた。
 
 
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