帯状疱疹の早期発見について、あさイチでは重要なチェックリストが紹介されました。「発疹と痛みが同時にある」「症状が体の片側に出る」この2つの症状がある場合は要注意です。
帯状疱疹は、発症から72時間以内の治療開始が重要です。 しかし、初期症状に気づかず治療が遅れてしまうケースが多く、その結果、皮膚の発疹が治まった後も痛みが残り、3ヶ月以上から数年にわたって後遺症に悩まされることもあります。
2025年1月16日放送のあさイチでは、東京慈恵医科大学皮膚科学講座の松尾光馬先生を迎え、帯状疱疹の早期発見に役立つ10個のチェックポイントを詳しく解説。さらに、増加する若年層の発症傾向や、4月から始まる65歳以上を対象としたワクチン定期接種についても紹介されました。
この記事では、以下のポイントを中心に、帯状疱疹の早期発見と予防に関する重要な情報をお伝えします。
見逃してはいけない重要な2つのチェックポイント
症状の進行を示す4つのサイン
発症リスクを高める4つの要因
年齢別の予防対策と受診のタイミング
成人の9割以上が体内にウイルスを保有しているため、誰もが発症する可能性のある帯状疱疹。早期発見のポイントをしっかり押さえておきましょう。
増加する帯状疱疹と72時間ルール
帯状疱疹は以前は高齢者に多い病気とされていましたが、最近では20代から40代の若い世代でも増加傾向にあります。成人の9割以上が体内にウイルスを保有しており、誰もが発症する可能性があります。
特に重要なのは、発症から72時間以内の治療開始です。そこで、早期発見のための10個のチェックポイントを詳しく見ていきましょう。
最重要チェックポイント(1と2)
チェックリストの中で、特に重要なのは最初の2つです。この2つに当てはまったら、すぐに病院を受診しましょう。
チェックポイント1:発疹と痛みが同時にある
帯状疱疹の特徴は、発疹と痛みが一緒に現れることです。痛みの種類は以下のようなものがあります。
ピリピリ、チクチクする痛み
焼けるような、ヒリヒリする痛み
電気が走るような痛み
チェックポイント2:症状が体の片側に出る
帯状疱疹の発疹は、体の左右どちらか片側だけに現れます。両側に出ることはほとんどありません。特によく出る場所は
胸のあたり(全体の31.2%)
お腹まわり
背中
症状の進行に関するチェックポイント(3~6)
症状がどのように変化していくかを確認する項目です。
チェックポイント3:発疹の数が増えている
最初は少なかった発疹が、徐々に数を増やしていく様子が見られます。放っておくと広がっていく可能性があります。
チェックポイント4:家族などに様子を見てもらう
自分では見えにくい場所に症状が出ることもあるため、家族に確認してもらうことが大切です。
チェックポイント5:発疹の付近がゾワゾワする・触れた感覚が違う
発疹の周りの皮膚を触ると、いつもと感覚が違う、あるいは服が触れるだけでも痛みを感じることがあります。
チェックポイント6:水ぼうそうにかかったことがある
帯状疱疹は、過去に感染した水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。水ぼうそうの既往歴は重要なチェックポイントです。
体調やリスク要因に関するチェックポイント(7~10)
帯状疱疹は、特定の状況下で発症しやすくなります。以下の4つのポイントに心当たりがある場合は、特に注意が必要です。
チェックポイント7:ストレスや疲労がたまっている
番組では、30代の方が仕事のストレスで発症した例が紹介されました。過労やストレスは免疫力を低下させ、帯状疱疹を引き起こす要因となることがあります。
仕事や生活でのストレス
睡眠不足が続いている
疲れが取れにくい
チェックポイント8:ウイルス感染症を患った
風邪などのウイルス感染症にかかった後は、一時的に免疫力が低下することがあります。この時期は帯状疱疹の発症に注意が必要です。
チェックポイント9:免疫抑制剤や抗がん剤などで治療中
これらの薬剤を使用している方は、免疫力が低下している可能性があるため、特に注意深く観察が必要です。定期的に主治医に相談することをお勧めします。
チェックポイント10:家族が帯状疱疹を患った
家族に帯状疱疹の患者がいる場合、同じような生活環境による影響や、遺伝的な要因で発症リスクが高まる可能性があります。
帯状疱疹で受診するのは何科?
帯状疱疹を疑った場合、まずは皮膚科の受診が推奨されます。
症状による適切な受診科の選び方
皮膚の症状が中心:皮膚科
目の周りの症状:眼科
耳の周りの症状:耳鼻科
皮膚科では、10分程度で診断可能な検査キットを使用して判断することができます。痛みと発疹が同時にある場合は、迷わず受診することが大切です。
気になる再発率と予防
大規模な疫学調査(宮崎スタディ)によると、帯状疱疹の再発率は約5~6%です。しかも、再発時は最初と異なる部位に症状が出ることが多いため、注意が必要です。
予防のためのワクチン接種
2025年4月から、65歳以上を対象とした定期接種が始まります。現在、以下の2種類のワクチンが使用可能です。
生ワクチン
不活化ワクチン
ワクチン接種の年齢制限について
ワクチン接種には50歳以上という年齢制限が設けられています。これには以下の理由があります。
臨床データが50歳以上でのみ収集されている
発症のピークが60-70歳である
若年層では他の予防法が推奨される
若年層への予防アドバイス
50歳未満の方には、以下の予防法が推奨されます。
十分な休息とストレス管理
バランスの良い食事で免疫力維持
過労を避ける
定期的な健康チェック
帯状疱疹の早期発見10ポイントをチェックして早期治療【総括】
発疹と痛みの同時発症が最重要サイン
体の片側にのみ症状が出現
発疹は徐々に増加する傾向
家族による観察も重要
触れた感覚の違いに注意
水ぼうそうの既往歴がリスク因子
ストレス・疲労に要注意
ウイルス感染後は要観察
免疫抑制状態での注意
家族の病歴にも注目
特に重要な最初の2つのチェックポイント(発疹と痛みの同時発症、片側のみの症状)に該当する場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。早期発見・早期治療が、後遺症のない回復への近道となります。