赤ちゃんポストの現状は?こうのとりのゆりかご開設10年目

赤ちゃん こうのとり

赤ちゃんポストとは?

赤ちゃんポストとは親が育てられない子供を匿名で預けられる施設です。

熊本市の慈恵病院のこうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)は本日で開設10年目を迎えました。

昨日記者会見を開いた慈恵病院理事長蓮田太二さんは「ゆりかごは最後の砦であり、訪ねてくる人がいるなら大切に受け入れる」とおっしゃっていました。

こうのとりのゆりかごは、外部からは塀で囲われた病棟の裏手にあります。

壁に扉が取り付けられていて、開くと中の保育器に赤ちゃんを入れられるようになっており、閉じると自動的にカギがかかります。

赤ちゃんはすぐさま職員が保護し、警察や鹿児島市の児童相談所に連絡をする仕組みです。

2016年3月までに、ここには125人の子どもたちが預けられました。
 
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赤ちゃんポストの現状と課題

 
赤ちゃんが保護されることで、思い余った親御さんの最悪の気の迷いを解消することができますから、その点ではとても素晴らしいものだと思います。

でも、預けられた子供たちの養子縁組は難航しているという現状があります。

赤ちゃんポストに預けられた子供たちは乳児院か児童養護施設に預けられて育ちますが、 ここから特別養子縁組の家庭に受け入れられたのは、2014年3月の時点でわずか29人ということです。

病院職員が親御さんに声をかけることで、約8割は赤ちゃんの身元が分かっているのですが、残り2割の中には身元を明かさない匿名の人もいるそうです。

匿名でなければ預けない人もいるので、匿名だからといって受け入れ拒否をすることはありませんが、そうなると成長した子供が自分の出自を知る権利が守られないということも、現状で抱える大きな問題点のひとつです。

預けられた125人の中には、思い直して子どもを引き取りに来た人が14人ほどいました。

そしてそれ以外の赤ちゃんポストに受け入れられた子は、乳児院や児童養護施設に送られるか、特別養子縁組した家庭で育つことになります。

特別養子縁組といっても、全くの新生児で受け入れることは少ないらしく、1歳児以上の子どもも多いようです。

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赤ちゃんポストを使う理由

親が子どもを赤ちゃんポストに預ける理由のトップが「生活困窮」が21%

ついで「未婚」「世間体」がそれぞれ17%

妊娠相談電話というのもあり、24時間昼夜を問わず、問い合わせ電話が鳴っているとか。

幼い母親、不倫、貧困、孤独な人など、相談者のスタンスはさまざまで、昨年の相談数は6565件。

これは過去最多だったそうです。

多感な子供たちの知る権利や心のケアも課題

赤ちゃんポストの開設から10年というと、初期に預けられた子はそろそろ中学生の多感な時期ということになりますね。

暮らす環境は様々ではあるものの、自分の生みの親の素性も出自もわからないために、思春期に「自分」という存在に迷い、悩み、葛藤する子も少なくないと思います。

赤ちゃんポストは匿名でも赤ちゃんを預けられるため そういう子どもが自分の出自を知る権利に背いていることに対して「これでいいのか」と微妙な反発も世間にはたくさんあるようです。

でも病院側はあくまでも「命を救う」ということを一番に考えているため、やはり親が匿名を望むならそれをそのまま受け入れようというスタンスは、今後も崩さないようですね。

預けた人に接触ができても名乗らない・・・というケースも多々あるので、これは子どもにはかわいそうではあるけれど、この際仕方がないことなのかなあという気がします。

特別養子縁組の仕組みと問題点

特別養子縁組とは、血縁のない6歳未満の子どもと夫婦が、裁判所の許可を得て、法律上の親子になる仕組みのこと。

戸籍上も実子と同じ扱いとなり、実親との法的な親子関係はここで完全に消滅するというものです。

実親との親子関係が消滅するので、実親が判明している場合はその親の同意が大前提となります。

中には実親の同意を得られないために、養子縁組できない子供も少なからずいるという記事を目にすることもあります。

そういう点が「親のあなたは それでも子どもの幸せを考えているのか?」と思わず感じてしまう・・・それは私だけではないと思います。

また、養親さんにしても、なさぬ子を育てる苦労は並大抵ではないと想像するんですよ。

ですから、子どもの救済だけでなく、養親を支える公的な仕組みをもっと作るべきなのではないかと思います。
 
 
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