愛犬家の寄稿です
私の愛犬は「ラブ」という名のキャバリアです。
ブレンハイムの綺麗な毛並みで性格が良く、どこに出かけるにもいつも一緒で、家族の一員として大切に育てていました。
これはラブが14歳で亡くなり、出張ペット火葬業者を依頼した時のエピソードです。
キャバリア犬の火葬体験談!ペット火葬車に出張してもらった話
ラブという名前をつけたのは一人娘で、現在は結婚して埼玉県に住んでいます。
愛犬のラブが亡くなったことを妻が娘に電話で連絡したところ
…と言って、千葉県にある我が家に向けて出発しました。
私は遠い昔を回想しながら、娘の到着を待っていました。
ペット火葬を市役所に打診したものの6日待ちと言われ…
やってくる娘のために「犬の火葬を午後にお願いしたいのですが」と市役所に電話してみたところ、
ペット専門火葬業者に即日出張してもらうことに決めて…
私はすぐにペット火葬業者を探して連絡することにしました。
すると火葬装置を備えたペット火葬車で自宅まで出張してくれるペット葬儀社が見つかり、午後1時には来られるとの返答をもらいました。
私はひと安心してその業者に出張火葬を依頼し、娘が到着するまでラブの遺体と一緒に最期の時を過ごすことにしました。
11時半に娘を駅まで迎えに行って帰宅し、娘は連れてきた小さな孫をおろして 久しぶりにラブと対面しました。
ラブの変わり果てた姿にすすり泣く声が聞こえ、私はまた胸が締め付けられました。
天を仰ぎながら、こちらまで思わずもらい泣きしてしまいました。
ペット火葬車が到着し火葬前にお花とシキミを手向けて
午後1時の少し前に ペット葬儀社のワゴンがやってきました。
何の変哲もない普通の白のワゴンですが、バックドアを開けると、中に小さな窯のようなものが見えました。
ペット葬儀屋の若い男性は頭を深々と下げ、しばらくして「準備が整いました」と呼びに来たので、私は冷たくて重くなったラブをしっかりと抱きしめてワゴンへと向かいました。
ワゴンまで行ってみるとすでに炉が開けられており、焼くための受け皿のようなものが車の外まで引き出されていました。
私はその上に静かにラブの体を横たえました。
ラブの顔は生前と同じようにかわいらしく、すやすや眠っているように見えます。
その体にカーネーションや西洋菊などの花を手向け、シキミの葉を散らしてみると、華やかな時間と空間が訪れたような錯覚を一瞬覚えました。
娘と妻が、ブレンハイムのラブの茶色の背中に優しく触れました。
最後に私がラブに触れる番がきました。
それまで後悔の念に押しつぶされそうになっていた私ですが、最後にラブの遺体を前にしたときには、もはやラブに対する感謝の感情しか湧いてきませんでした。
私は男性に「どうぞよろしくお願いします」と告げ、ラブが炉の中にゆっくりと入っていく最期の姿を見ていました。
炉の扉が閉まる時、不気味な思いが体を走りました。
その音は愛する母が焼かれる時に締まった扉の音に似ている気がしたからかもしれません。
ワゴンのバッグドアを閉めると、男性は再び頭を丁寧に下げて
…と言って車をUターンさせると、ゆっくりと家の前を通り過ぎて行きました。
私は一陣の熱い風が目の前を通り過ぎていくような感覚に襲われた気がしました。
ペット火葬はつらかったが悲しみは別の次元に入っていく
ラブの火葬が始まってから1時間と少しが過ぎた頃、再び家のチャイムが鳴りました。
玄関ドアを開けると 先ほどのワゴンと男性の顔が見えました。
家の前でバッグドアを開けると、炉から熱気が放射されてきて、少し前にバーナーの火を止めたばかりであることがわかりました。
スタンドのようなものを出して炉の扉が開けられると、お骨になったラブが横たわっていました。
頭の部分から尻尾まで、生前の体格を彷彿とさせる骨の形が、熱い鉄板の上にありました。
ラブの頭の骨格はしっかりしていて、頑丈そうできれいに整った骨でした。
お骨になってしまうと、今までの悲しみは別の次元に入るような気がします。
肉体がない分、何故かあっけらかんとしているような感覚で、まるでもうラブは風になったかのような気がするのです。
炉の吐き出す煙と一緒に ラブは空高く登って行った…そんな気持ちになりました。
まだ炉が熱いので、一人ずつ何度か交代しながら収骨しました。
トングを使って拾うのですが、しっかりした骨なので崩れることはなく、生前のラブの体がいかにがっしりしていたかを物語っているようでした。
ペット火葬のお骨上げからしばらくは手元供養することに決めて【火葬のその後】
最後に私がラブの頭の部分を骨壺の中に入れると、底に残っていた残りの骨を男性は塵取りのようなものですくい上げて、骨壺の中に入れました。
その瞬間、骨壺の中で骨がお互いにこすれ合ってシャリシャリというような音を立てました。
それはまるでラブが
…と言っているかのように思えました。
その後、その若いスタッフに冷たい麦茶をごちそうして ペット火葬の費用3万円を支払い、ラブの火葬が終了しました。
私たちは一所懸命に作業してくれた男性に皆で感謝しながら彼を見送りました。
現在もラブのお骨は手元供養にしています。
四十九日を過ぎてから散骨にするか納骨堂を使うかなど、ペットのお墓や供養方法にもいろいろな選択肢があることが分かったので、今後はどのようにしていくかを検討しているところです。